[MySelf]


6月30日

<離島プレイ、その5>

えー、先月にひき続いて離島レポ、と言っても今回は橋経由の陸続きで行けるところ。
そういう意味では離島じゃないのかもしれませんが、その手の島がやたらめったら固まってる
独特の地形がかなり面白そうだったので、3泊4日という島巡りにしては長めの日程を組んで
入念に計画練って行ってまいりましたよ、広島と愛媛の間、瀬戸内海は「しまなみ海道」まで。




<初日>



まずは朝イチ新幹線で東京から福山駅まで3時間半ワープ、そこでレンタカーを借りて
最初に向かうはしまなみ海道の広島側玄関口「向島」。…つってもこの島、図体ばっかデカいわりに
ここ、しまなみ群島内においては最も見どころがない島と言っても過言ではないほどの観光乾燥地帯、
とりま島内において景勝的には唯一地と思われる国立公園「高見山」の展望台へ向かうことに。



えー、展望台のお約束的に必ずと言っていいほど付いてくるのが、車で入れる限界領域から
目的地に至るまでの強制プチ登山プレイ、とはいえここのそれは過去のものと比べてもレベルが
ダンチで高すぎました。何せ道が基本的に未舗装な上、木道なし、手すりなし、階段なしのナシナシ
尽くしな上、かなりの急勾配、おまけに小雨ときたもんで、裏なしでも軽々ハネ満級の悪路を前に
のっけから体力ゲージをほぼゼロ近くまで削られる羽目に。まあでもその苦労の甲斐あってか、
曇り空で天候コンディションがあまりよくなかったわりにはなかなかの眺望具合。
えー右手に見える小島の奥にあるのはかつて村上水軍の砦があったとされる現無人島の「加島」で、
更にその奥にある大きい島は映画やドラマ、バラエティのロケ地として度々取り上げられることで
プチ名を馳せている「百島」だとか。



展望台周辺には10年くらい前まで現役だったんじゃないかと思わしきロープウェイの跡や、
屋上にデカデカ掲げられた「とらふく」の文字が未だに生々しい存在感を放っているホテル廃墟などが。
ホテル跡をちょい散策して屋上まで登ってみましたが、正直景観的には前述展望台よりここの方が上かも。
ただ渡り廊下の手すりが腐れ落ちていたり、ところどころに水が溜まっていたりと、それなりにリスクも
あるようなのでちょっとオススメしにくいことも確か。



さて、次は珍しい二階建て構造の吊り橋として一部橋マニアをハァハァさせてると噂の「因島大橋」を
渡っていざ「因島」へ。しかしここ渡るだけで700円もの通行料とられるって、なんか納得いかねー



で、まず向かったのがこの「因島水軍城」。
南北朝から室町時代にかけてこの辺りの海路を支配していた海賊団の根城… のレプリカということで
歴史的価値という意味合いから見れば若干トホホ気味の観光地みたいですが、まあそれでも全国で
唯一の水軍城ということだし、今丁度「村上海賊の娘」という歴史小説が吉川英治文学新人賞を受賞して
話題的に旬らしいし、空中回廊みたいになってる通路はなかなか面白げだし、じゃあ早速中へ……
って今日は休み?資料館へは入れない…?そう、ふーん。はい早速やっちゃいましたねー 同行者からの
突き刺さるような視線を完全黙殺しつつ、次の観光地へと一同無言で向かうことに。



水軍城から車で走ること約20分、そこからプチ修行レベルの強制登山を死んだ魚の目しつつ
フル満喫することおおよそ20分、到着した場所は標高227m、当時の村上水軍当主が1569年に
建立したという「白滝山」山頂付近の観音堂。とりま景勝的にあつらえたようなベンチからここ因島と
中国地方間に点在する島々が作り出す多島美を楽しむことに。



次は奥ゆかしいにも程がありすぎると本気で疑問に思うくらいのレベルで、観音堂の思いっきり裏手に
祭られていた「恋し岩」なる奇岩を拝観することに。この岩をなでながら願うと恋が叶うとされているそうですが、
なんていうか格子的に鑑みて絶対に撫でさせる気ないでしょアンタ、なめてんのか。



で、少々一服がてら観音堂の脇にあった旅ノートなるものをペラペラめくっていたら、お前は俺か!
と思わず柏手を打ちたくなるようなコメントをついうっかり発見してしまい、思わず愛しさと力強さ
皆無の切なさのみで胸いっぱいになってしまったミーは「お、おう…」と頷いて以降、そこから数分
ほど口が聞けなくなる有様に。この人とはなんかいい酒が飲めそうや……



さて、気を取り直して観音堂の更に奥へと。今から200年ほど前に柏原伝六なる当時の豪商とその
弟子達によって造られたとされる700体もの石仏群、通称「五百羅漢」がところせましと立ち並ぶ
その間を抜けて、終点の展望台へと歩を進めることに。しかしこの異質な雰囲気は一体…?



展望台から今まで歩いてきた道を望んでみたら、折からの霧が醸し出す雲海とそれによる天空感が
手伝って、なんかもう気分はすっかり冥界?みたいな。ここでは先程までいた観音堂からのそれを
更にグレードアップさせたような景色が楽しめる筈だったんですが、今回はかろうじて因島大橋が
見える程度。眺望的にはいまいちでしたが、でもまあ霧が濃かったおかげで元からあった神秘的な
雰囲気が更に色濃く味わえて、観光的にはかなり面白かったかも。



ここ因島とその奥にある生口島とを繋ぐ「生口橋」を車窓から眺めつつ、次に目指すは因島の南方、
標高207mの天狗山山頂付近にある「因島公園」の展望台。



でもって、本日のベスト眺望キター!
ただでさえ複雑な地形を有するここしまなみ群島内においても、最も島々が入り組んでいるとされる場所だけに、
全体がまんま戦略シュミレーションの後半に出てくる高難度MAPみたいやー
眼下左に見えるはともに無人島の鶴島と平内島。



ここ因島のラスト観光地は、島南東に大きく突き出た岬の先端にある「地蔵鼻」と呼ばれる奇岩。
この岩に祈りつつ、周囲に散らばってる小石を持ち帰ると恋が成就すると言われてるらしいけど、
なんかさっきどこぞで聞いたような…?てか因島、岩に祈願すれば恋が実るとか思いすぎでしょ。
あ、奇岩だけに?ハッハッハ(ころすぞ)。あとこの場所、マジでフナムシ大杉。
しかも海沿いに伸びる遊歩道からの景観がなまじ素晴らしいだけに、そちらに目をとられすぎて、
その事実に気づきにくいという。実際海側とは反対の岩肌にうごめく無数のそれに気付いた途端、
スーパーサイヤ人に変身する直前の悟空みたくなりました(ゾワッ)(鳥肌)。
その由来ゆえ、多くの若い女性が訪れるとのことなので、いつかその様子をビデオにおさめて、
阿鼻叫喚祭りというタイトルでニコニコにアップしたいと思います。



ここで今回の旅で初めてのフェリーを使って、因島から「弓削島」まで10分程のプチ船旅。
上陸後、車を南へ走らせることおおよそ5分、ここ弓削島とお隣の佐島とを繋ぐ「弓削大橋」が見えてきました。



更に車を走らせること15分、そこから弓削島南部の山中にて展望台ルートのお約束たる
プチ散策を無理やり楽しんだつもりがあら不思議、道がとんでもなく間違ってることに気づいて発狂した末、
スタート地点に憮然顔で戻らされてからの再道程がほぼ野晒し状態の獣道ばりな悪路ときたもんで、
そこをヒィヒィいいながら登ること20分、ようやく目的地「久司山」の展望台へと着いたでー 
辿り着くのにやたら苦労した分の上乗せ効果もあって、ここの景観マジ最高やー



因みにここ弓削島と今丁度眼下に見える隣の佐島、更にその左隣の生名島と岩城島は、
広島と愛媛を繋ぐメインルートたるしまなみ海道から思いっきりハブられて未だ陸路断絶の憂き目に
あってるそうで、そのことに対抗心を燃やしたか、前述4島を全て橋で連結して「ゆめしま海道」と名付け、
絶景が楽しめるサイクリング・スポットとして観光的に売り出す気満々だとか。
それ自体はすごく応援したいけど、でもその前にも少し自前の観光施設を整備した方がいいんじゃ…


<二日目>



まーね、いくら入念に計画立ててもあいにくの小雨じゃあね… というわけでこの日は朝から
テンションやや下がり気味。とりま弓削島にお別れを告げ、昨日久司山の展望台からさんざ眺めた
弓削大橋と生名橋を渡って「生名島」は島北部の「立石山」展望台へと向かうことに。
そして今旅においては最早お馴染みとなったプチ登山からの展望台観光を早速… 
て、えー?いくらなんでも風通し良すぎやろ。昨日の繰り返しになりますが「ゆめしま海道」なる
捕らぬ何とかの皮算用を弾く前に自前の観光施設をもう少し整備……… うむ、で、あるか………



というわけで足元の強度をおっかなびっくり確かめつつの風景鑑賞。因島公園の展望台からもよく
見えた平内島がここでは更に良く見えますね。対岸に見えるはこれから向かう予定の岩城島かな?
その岩城島の山頂にある展望台は、しまなみ群島内でも1・2を争うほどの眺望を誇る絶景地として
名を馳せているらしいのですが、今ここから見た感じだと山頂を覆う霧が少々気になるかも…



因島へ戻るフェリーを待つ間、映画「悪名」のモデルにして男装の女傑と呼ばれた麻生イトが
明治に造り上げたとされる「三秀園」を見物。日本庭園というには荒れすぎな感もありましたが、
中央にそびえ立つ巨石は確かに見事。周囲の寂れ感が逆に雰囲気をマッチさせてる感もあってか、
なかなかに枯れた風情が感じられました。後で調べたところによるとこの石、弥生時代の
巨石文化の一部と考えられているそうで、ここ上島町の有形文化財にも指定されているとか。



さて、次は生名島から因島経由のフェリーでしまなみ群島のほぼ中心点たる「岩城島」へ、
その更に中心点である標高370mの「積善山」は展望台へと向かうことに。



初日に因島公園から見たしまなみ随一の多島美を、今度は逆側から望む形になるということで、
展望台巡りの比重が極めて高い今旅中においても最上位に位置づけられていた場所だったのですが、
ちょっと様子の方が、おやおやー? 生名島の立石山展望台で感じていた不安がもろに的中?
てか山頂を覆う霧が少々気になるどころの話じゃない、あわ、あわ、オワ、オワ… 終わりだ!
ただでさえ急勾配な上、朝露で足元グズグズの悪路をヒイコラしながら登った結果がこのザマ…



このことが非常に大きな悔いとなった結果、後日彼は再びこの地を訪れ、その際壁際に
「44歳の今も独身です」から始まる文面を残すことになるわけですが、それはまた別の物語、
今は苦虫を噛み潰したような不愉快ツラで下山した一同のその後を追ってみることにいたしましょう。
ということで次に向かったのは、ここ積善山の中腹にある「妙見メンヒル」なる岩屋。
まあ岩屋とされているからには洞窟をちょい掘って造った小屋みたいなもんだろと思っていたら、
ちょ、これ、めりこみすぎ…



マジめっちゃめりこんでるわー いっそこの工夫のなさが漢らしすぎていたく気にいったわー
後で知ったんですが、そもそもメンヒルとは信仰の対象となる直立した巨石のことだそうで、
その説明通り、小屋の中には岩を穿って造られた祭壇がありました。
しかしまあ朝方観た三秀園のメンヒル?でも思いましたが、これだけデカい巨石をどうやってここ離島まで?
更にはどうやってこの山頂まで? かのピラミッドにも通じる古代のロマンがここ日本にもある…!
とまで盛り上がったどうかはともかく、その名「妙見メンヒル」に恥じぬ妙味っぷりではありましたよホッホッホ、
と無理やりこじつけたところで次の観光地へと。



さて、岩城島のラスト観光地、室町時代に造られたとされる国指定重要文化財「祥雲寺」に
ある樹齢600年以上の古木「舟形ウバメガシ」へ…と思いきや、寺はあれどそのような
大木は一切見当たらず… てかまたびっくりするくらい裏手にあるんかい。因島の恋し岩でも
思ったけどいちいち裏手て瀬戸内海人、奥ゆかしすぎでしょ。しかも靴脱いで寺の縁側通らなあかんのかい。
先程の朝露プレイによる靴下までびしょ濡れなせいで、掃除の行き届いたピカピカの廊下に死ぬほど気まずい
ペタペタの足跡をつけつつ(しかもその様子を神主がメッチャ凝視)(生き地獄)辿り着いた先にあったのは… 
ほう、これが噂の舟形ウバメガシ… て、え?剪定された生垣から少し突き出たあの樫の木みたいの? 
ちょ、これショボく…?



と思いきや、寺の外にあったその実体を下から仰ぎみて、上辺だけで物事を判断しようとした
自分の目の無さを少々恥じることに。単なるデカい盆栽じゃなくて、大きい上にものすごーく
手の込んだ盆栽だったんですね、いや恐れ入りました。



霧のおかげで出だし最悪だったにもかかわらず、なんだかんだで意外と楽しめた岩城島を
後にして、フェリーで次に向かった先はレモン生産量日本一で名を馳せる「生口島」。
こことお隣の「高根島」とは橋伝いに繋がっているということで、ちょいお邪魔してその「高根大橋」をパチリ。
薄いグレーで統一されている他のしまなみ海道の橋群に比べて、オレンジ色とはこれまた随分派手かも。
ついでに島内を少し走ってみましたが、最奥地のいかにもな集落臭は、オカルト板の住人たるミーにとっては
マジでワクテカもんでした。



次はこの生口島とその東にある高根島との間の海岸に立ち、航海の安全を見守っていると
言われる「亀の首地蔵」を観にいくことに。辺り一帯に繁殖している苔が織りなす緑一色っぷりと相まって、
なかなかの相乗美かと。



次に向かった先は、室町時代に当時の生口島の領主が禅宗建築の粋を集めて建てたと言われる
国宝認定建造物「向上寺・三重塔」。裏手にある潮音山公園の山頂から瀬戸内海を見下ろした
視点からの眺望が、先端の方だけ目に入る塔の構図もアクセントになって、なかなかにステキ。
しまなみ道中に入った途端にやたら耳にするようになった「平山郁夫」なる画伯も子供の頃
このあたりでよく絵を描いていたそうです。(ホント因島以降、行く先々でこの方の絵を目に
するようになったので、それを見るたび「郁夫?」「また郁夫?」が合言葉になるように)。



次はここ生口島、最大の仏教寺院「耕三寺」を拝観することに。
料金1200円は正直、高!と思いましたが、中に入ってみてその理由が少し分かったような。
まず第一にここメチャメチャ広い、次に建造物がなんかやたら立派、こりゃさぞかし由緒正しき
お寺なんだろうなと思いきや、あれ?様々な仏教像に混じって何故かアンパンマンの銅像が?
で、よくよく説明文を見たらなんとこの寺、昭和初期の実業家「金本耕三」さんなる一般人が
主にお母さんの菩提を弔うという理由から建立へと至ったものだそうで、要はマザコンな成金が
一代で築きあげた趣味の集大成ってこと?



そのわりにゃいくらなんでも規模でかすぎねーか。
ちなみに左の塔は日本仏教の祖とされる聖徳太子建立の名寺、四天王寺の金堂を模したもの、
で、右の本堂はかの有名な京都は平等院の鳳凰堂を模したものだそうで…ってこれまた随分と
節操ないなオイ。他にもいかにもな国宝をパチったような建造物がそこらにゴロゴロ。



しかして真の節操の無さはこの後、境内最深部「未来心の丘」と呼ばれる場所にありました。
これまでの和風テイストから一転、なんか箱根・彫刻の森的な何かが唐突に出てきちゃったー 
てか全てが白い、あまりに白すぎる!人間を白一色の空間に閉じ込めておくとやがて発狂に
至るという与太話を思わず連想せざるをえない程の圧倒的白さ!よーし、ここまで来たもう
何があっても驚かないぞー(ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだーを口ずさみつつ)



とりまネタ的な面白さを存分に堪能した後は、丘の一番上にて展望台プレイ。
うむ、眺望度合もなかなか。お、左写真の真ん中辺りに先程までいた高根大橋が映ってますね。



最後に「千仏洞地獄峡」と呼ばれる、地下霊場を兼ねた史跡洞窟なるものを見物することに。
まあ、最深部に石像が数体ある程度の単なる洞穴だろと思っていたら…



すんませんっした、マジぱねーっすわ。
数体どころか何千体レベルである上に、その描写バリエーションもメチャ豊富で普通に迫力っした。
あと滝とか地底湖とか、なんか地底王国万歳な感が満載すぎて、もう何が何やら…



そのフィニッシュは洞窟から抜け出た矢先にいきなり眼前へと迫りくる巨大観音像どーん。
参った、完全に参りました。マザコンな成金さんの単なる趣味とか勘違いして申し訳ありません、
趣味は趣味でもここまでくるともう国宝級のそれですわ。実際パチもんっぽいとはいえ、
これだけ登録有形文化財がそこら中にゴロゴロしてる場所もそうはないと思いますしね。
というわけで生口島に行くことがあったらなにはさておき耕三寺、突き抜けた感のある
摩訶不思議ワールドが存分に楽しめること請け合いです。



さて、そろそろ陽も落ちかけてきたので、この日の観光の締めとして、しまなみ随一の海浜公園として
名高い「瀬戸田サンセットビーチ」をしばし散策後、その近くの埠頭から出ている遊覧船に乗って、
ここ生口島と次の大三島とを繋ぐ「多々羅大橋」を眺めつつのサンセット・クルージングと洒落こむことに。



遠方に多々羅大橋を捉えつつ、ふと右を見やれば、そこには「ひょうたん島」が。
この島が広島と愛媛の県境になっているそうで、ということは今、四国? そっか、ようやく半分まできたかー



そしてこのクルージング最大の売りとされる、船上からしか拝めない高架下アングルをフル堪能。
ふと左側を望めばそこには「観音山」が。しまなみ海道内においても最高峰を誇る山だそうで、
その展望台からはこの先行く予定の伯方島や大島などの島々や、遠く四国山地までの大パノラマを
一望できるとの話でしたが、ここから見る限り、なんか上の方めちゃめちゃガスってるわー
岩城島の悪夢再来はマジ勘弁な、というわけで時間があれば行く予定だった観音山の展望台巡りは急遽取り止め。
展望台巡りに嫌気がさしていたっぽい同行者の小踊りっぷりに心底ムカつきつつ、
先ほど船上からさんざ舐めるように見た多々羅大橋を渡って次島、大三島の民宿へと。二日目おつー


<三日目>



さて、最終日。この日の午前中は、ここしまなみ内では最大、瀬戸内海においても淡路・小豆・
屋代島に続く4番目の大きさを持ち、戦いの神を祭る大山祇神社があることから神の島と言われる
「大三島」を観光することに。



まずは前日泊まった民宿のすぐ近くにある「阿奈波神社」へと。海岸沿いに並ぶ灯篭が景色的には
いいアクセントになってるんじゃないかと。因みにこの灯篭、夕方になるとちゃんと点灯するので、
ここには昨日の日暮れに見に来た方がよかったかも。



次にここ大三島の本命観光地たる「大山祇神社」へ。
この日の夕方に市川海老蔵の歌舞伎演目があるらしく、境内はその準備で慌ただしげな状態。



急ごしらえのステージを抜けた先からは平常運転のようで、そこには本来の神社らしい静けさが。
とりま本堂に参拝後、周囲に立ち並ぶ楠木の古来御神木群を見物することに。
右の写真はその中でも最たる御神木で樹齢は2600年だそう、って日本国がまだない時代から
立ってるんかい。写真を撮ると長生きすると言われているそうなのでやたら撮りまくりましたが、
後で確認してみたらどうやら「一緒に」が重要だったみたい。出だしからやっちゃった感が…



で、次に見たのが大山祇神社からわりとすぐ近くにある「入日の滝」。
その落差は15mほどで、滝修行初心者にはかなり向いてそうな小じんまり具合。てか地味だわ。



んで何を血迷ったか次に向かった先はよりにもよってアート系の「ところミュージアム大三島」。
オタがアートとか?ハッ!的な後天性のアレルギーはともかく、山麓の崖斜面を利用して造られた
階段状の構造とか、一部屋に一作品という豪快な空間の使い方とかは素直に面白いなと感じたり。
その中でも特に感じ入った作品がこれ、林範親氏作の「K・I・O・S・K 3・4番ホーム」。



そして一番インパクトあったのがここ、美術館最深部のオープンテラスを兼ねた展望スペース。
正面に見えるは大崎上島。おしむらくは天気さえもっと良ければ…まあこればっかは仕方ないっか。



調子に乗ってすぐお隣にある「伊東豊雄建築ミュージアム」なる施設にも行ってみましたが…
まあここは… 高台からの景色が悪くない以外は特に… てか陽当たり良さげな唯の部屋?的な。



そのまま島を反時計周りにぐるっと回っていくと、やがてここと次の伯方島とを繋ぐ
「大三島橋」がみえてきました。しまなみ橋群の中では唯一のアーチ方式だそうです。
すぐ近くにある「鼻栗瀬戸展望台」からもこの橋が良く見えるというので行ってみましたが、
木陰が邪魔で橋自体の景観はいまいち。まあここの売りは橋と皇太子殿下の詠まれた歌の句碑とを
セットにしての眺望らしいので、あまり煩いことは言わずにおきます。



んで、この島を締めくくるラスト観光地がここ「甘崎城跡」。
ここしまなみ海道中においては頻繁に名前を聞く村上水軍的な海賊の根城の典型だそうですが、
それよりもここに至る途中の狭い小道にてレンタカーのサイドを思いくそ擦ってしまった件の
方に頭が一杯すぎて、ここの記憶はいまいち希薄気味。(…追加料金2万とられました)



やってしまったものは仕方なーい(運転手をガン説教しつつ)ということで次の「伯方島」へ。
まずは道の駅「伯方S・Cパーク」にて、しまなみ有数とされる眼前の伯方ビーチと今渡って
きたばかりの大三島橋とのシンクロ風景を眺めつつ、そのネーミング通りこの島一番の特産品である
伯方の塩を使ったソフトクリームをペロペロ。



んで次に向かった先は、周囲を取り囲む石像群が特徴的すぎる「開山公園」の展望台。
お、おう… なんか眺望中をじっと見つめられてるようで、ちょっと怖いかも…



とりあえず上に昇って、ここの売りである南側の大三島橋と北側の多々羅大橋を360度展望プレイ。
うーん、天気は悪くないんだけど、若干上の方がガスっていて、いまいち視界が通ってないなー



次に見たのがしまなみ最古の神社と言われる「喜多浦八幡神社」、その創建は673年だとか。
これってほぼ大化の改新の時代だから、よくよく考えたら日本最古の木造建築物とされる法隆寺と
タメはるくらいに由緒正しき神社なんじゃ… 
で、その境内の入口にあるのが「愛染どんす」という名の亀の形に似た自然石。
縁結びに効果あるそうですが、そっち系は因島の恋し岩と地蔵鼻に続いて、これで三つめだよ。
瀬戸内海人、石に祈って恋を実らせるの好きだなー



はいはいサクサクいきますよー、ってことでこちらは「伯方ふるさと歴史公園」。
源平合戦の頃、この地に存在したとされる木浦城の復元模型だそうで、手前から城門・本丸・望楼と
3つ並んだその姿はなかなかサマになってるんじゃないかと。
とりま資料館的な何かはチラ見レベルでほぼスルー、ここの主目的たる本丸の最上階へとすかさずゴーして
この旅お馴染みの展望台プレイ。木浦港とそこにある造船所らしき施設を一望できるその景観は晴れ間ポイントと合わせて、
展望度数はB+ってところ? という批評ができちゃうくらい今道中では展望台行きまくってますな。
えーとここで確か12箇所目?



んで伯方島の観光締めがここ、島南方にある「船折瀬戸」。
伯方島本島とその周辺にある小さな無人島(鵜島)が形成する狭い瀬戸が、その間を通る船を
折ってしまう程の潮流をつくりだしていることからその名が付いたとか。こちら岸側に見えている
キャンプ場のロケーションが抜群そうで、ちょい泊まってみたい誘惑に駆られたり。



そしていよいよしまなみ海道の終着島、伯方・大島大橋を渡ってはるばる着いた先は…「大島」!
って、いくらなんでも名前ぞんざいすぎるでしょ。この地名を聞くたびに毎回思うこのもやもや感、
この先何回味わうことになるのかと思ってちょい調べてみたら、日本国内でこの名前が付く島の
総数は47、その中における有人島の数は8でした。せめて有人島レベルは、例えば伊豆大島みたいに、
その地名にちなんだ冠くらいは付けてほしいよなー



はいはい展望展望、というわけで、もはやパブロフの犬状態になりつつあるお約束の展望台巡り、
まずは「カレイ山展望公園」へと向かうことに。そして、忍者屋敷気取りなの?と突っ込まずには
いられないその外観はさておいて、とうとうキタコレ! 待望の晴れ間&視界良好ビュー、遂にキター!
そうそう、これ、これですよ。これ待ってたんだなずっと。対面の伯方島&今渡ってきたばかりの
「伯方・大島大橋」がメチャよく見えるー



先程、伯方島側から見たばかりの船折瀬戸、そしてその周辺の島々が造りだす多島美も実によく
映えていますわ。昨日今日の上空ガスのせいで今までちょっとずつ溜め込んできた展望ストレスが
ここにて一気に解消されましたわ



加えてこの展望台のお隣には「遠見茶屋」なる、前述の瀬戸内海景を眺めつつ紅茶&ケーキを
楽しめるS級ロケーションの喫茶店もあるので、ここと合わせてこの展望公園、超推しときます。
まあ景勝系はその日の天候コンディションにもろ左右されがちなんで一概には言えないんですが、
今まで見てきたしまなみ海道の観光スポット、ベスト3を挙げよと言われたなら、因島の「白滝山」、
生口島の「耕三寺」に続いて、おそらくここを挙げますね。次点が弓削島の「久司山」かな?



島の北側、伯方・大島大橋方面は満喫し尽したということで、次は南側を観光することに。
てなわけで島の南にある道の駅・よしうみいきいき館から「急流観潮船」なる遊覧船に搭乗して、
まずはこの海側から来ないと見れないらしい今治造船所群の新造船アングルを鑑賞。



で、次はここ大島と四国本土とを繋ぐ全長4キロ、世界初の三連吊橋「来島海峡大橋」を船上からねぶるように鑑賞。
その全景&高架下アングルは流石に迫力あるなって。



でもって戦国時代、村上水軍がところどころに根城を築いていたという湾内の無人島群も鑑賞。
つい最近までそのうちの一島が民間へ売りにだされていたようで、その値段は6000万だとか。
都内の戸建て新築がこの程度であることを考えると、実は何気に安い…のか?
ところでこの遊覧船観光、生口島でも利用しましたが、どっちも完全に当たりでした。
車もそうですが、特に船には、無駄に体内のオス度を上昇させる何かがあるんじゃないかと。



そして今回のしまなみ海道横断行の総仕上げは、やはり今旅のメインテーマともいえる展望台にて。
ということで陽が落ちかけている中を一路、しまなみ一番の景勝地と言われる「亀老山展望公園」へと向かい、
先程の「来島海峡大橋」を今度は高地から鑑賞することに。写真はそのメインマスコットたる大亀さん。



夕暮れ時かつ少々霧が出始めた中での鑑賞だったせいで、視界はそんなにクリアではなかったけれど、
でもまあこれはこれでなかなか雰囲気あるんじゃ、的な絵がみれたので、個人的には充分満足。
この後、ここまで来たら最後まで渡りきらなきゃということで、全長おおよそ4キロの来島海峡大橋を
横断して無事、愛媛県は今治に到着、おつ〜

海とか島とか海岸とか入り江とかそれらを繋ぐ橋とかの景観美が好きで、あまり混雑していない場所へ
旅行に行きたいという方においては、この「しまなみ海道巡り」、かなりオススメです。


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