[MySelf]


7月10日

<天鳳をやり始めて以降、深夜によく絶叫するようになりました>

ある日、家に遊びにきてた友達に「お前ん家のトイレ、ヤバくね?」と言われた。
「汚ねーな」くらいならまだしも「ヤバい」くらいのレベルて。なにごとよ?

そこまで言われてなお馬耳東風、我意に介さずと泰然自若に構えていたわけだけど、
最近ネットでチラ見した「100年の恋も醒める瞬間」の堂々第1位に「トイレが汚い」と
あるのを見た途端、不思議なことに「掃除しなくっちゃ★」な気分がモリモリ沸いてきたので、
約2年ぶりにトイレ清掃なるものと向き合うことにした訳なんスけど。

なんてーかコレ、開始5分でビックリしたね。
だっていっくらコスっても一向に汚れが落ちる気配ないんだもの、ビックリだわ。
あんまりにとりつくシマなかったもんで、こりゃ今使ってる洗剤そのものに問題あるんじゃ
ないかと思って何種類か試してみたら、その刺激臭が鼻どころか目まで痛くした上、
妙なことに若干の息苦しさまでをも覚えはじめたもんで、とりあえずその場から一時退避。
でもって改めて思ったよ。

いやー、トイレ掃除ヤバいね。なんかいろいろとヤバい。ビックリした。
とりあえず花王マジックリンにトイレハイター、それからライオンのトイレ・ルックを
混ぜるとロクなことになりません。これからトイレ掃除する人はよく覚えておくように。
あと洗剤って混ぜると発熱しだすんだね、初めて知った。
あと洗剤の表面には「混ぜるな危険」という注意書きがちゃんと書かれてます。初めて知った。
初めて知ったのち、なおタカをくくって酷い目にあった末、改めて注意書きの大切さを初めて知った。
いやいや、人間、日々勉強だあね。

で、一息ついたのち、やっぱ地道にコスり続けるしかなかんべなと、再度ゴリゴリやり始めた。
わき目もふらず、一心不乱、無我夢中に、ただ黙々と便器をコスり続けたよ。
したらね、なんか気づいてきた。あーって。今までの俺に足りなかったものはこの根気かって。
様々な困難や障害を前になお決して挫けず、目的を最後まで初志貫徹し通す根気かーって。
よもやトイレ掃除を通じて、今までの自分に不足していたものを得ようとは。
案外やってみるもんだよねトイレ掃除。そんなことを考えつつゴシゴシこする。汚れはまだ落ちない。


そういや先日かな、法事の席に出てきたんだけどさ。あの、お経後の故人を偲ぶ宴席っていうの?
まあ一応さ、身内の弔辞の席だったもんで、ところどころへ挨拶代わりの酒つぎに回ってたわけよ。
したらさ、脈絡なくきやがったよね。親類だか親戚だか知らねえスけどほとんど顔も見たことのない
ようなオヤジやオバさん達が、「で。そろそろ!結婚の方はどうなの、ね!」みたいなキラーパスを
次から次へと、それも無遠慮にね。 「で。」お前、誰よ。知んねっつの。
とは流石に口にできないかんね。そっすね、ですよねー、を交互に繰り返しつつ、ふと思った。
このうえ「実は… 無職になりそうなんです…」 などとは、いやはや… とてもとても… 
目の前には便器。よりいっそうの力をこめてガシガシとこする。汚れは一向に落ちない。


ところでさ、魔裟斗だよ魔裟斗。アイツとうとうやりやがったね。

 魔裟斗、ツーブロックの髪形で登場。
 トレードマークだった長いもみ上げを切ったのは、中学生の時以来だという。
 〜ヤフーニュースより〜

とうとう魔裟斗が俺の真似をしだしたよね。
いつかやるやるとは思っていたけど、とうとうね。まあ分かってるほうなんじゃない?

 「練習ばかりでストレスがたまったんで、気分転換でやりました」

これ分かる。すっごくよく分かる。もみあげが軽いと気分もどこか軽くなるもんなんだよね。
でもね、時間が経つとまたもみあげが恋しくなってきちゃったりもするんだよね。
今はまだスッキリした爽快感の方が上だろうけど、ヤツもそのうち分かるんじゃないかな。
だからね、まあ俺、断言できる。魔裟斗はいつか必ずもみあげを伸ばしはじめるよ。これ絶対ね。
したり顔でもみあげのばしはじめた魔裟斗の顔に想いはせながら便器をこする。
汚れは明確たる自己主張を放つことを未だ止めてくれない。


あ、じゃここらで俺的いいニュースを一つ。
腐った革靴に見切りつけて新調した甲斐あってか、次の職が無事決まりそうなんだよね。
やった、俺やった。まだまだ捨てたもんじゃない。
とりあえず今は10年以上も在籍したことへの感慨とそれに絡んだ僅かな感傷、そして新たなる
明日への大いなる希望とほんの少しの不安に想い巡らしながら、お世話になった各職場の上司や
同僚達に挨拶したり、されたりの日々。

そうそう、ここ数年、俺をさんざ翻弄しまくってくれたインドの人からも挨拶されたよ。
まあね、コイツとも色々あったけどさ、流石に最後だけあってかちょっとしんみりした気分に
ならないでもないかなーって。したらヤツもヤツでさ、なんかこっちを諭すように、
「モウ、イイトシナンダカラサー」 「ソロソロ、チャントシロヨナー」 とかなんとか。
カップラーメンのお湯待ち行列へ並びついでに。
そんな彼が別れ際に残した最後のセリフ、「ア、オレノブンノオユ、ノコシトケヨナー!」だった。

そのことを思い出しながら全力でコスる。うんこの汚れが落ちんわー 


7月16日

<IDは「r17953」です>

ここ1週間、ネット麻雀「天鳳」にハマり漬けの生活をおくってきて、ふと気づいたことがある。
回線越しに対戦相手がいるとはいえ、現実的にはPCの前にて黙々と1人で闘い続けた日々の中、
確かに気づいたことがある。

それは長年抱えてきた疑問に対する回答。
人を人たらしめているものとは一体なにか。
天啓は突然訪れた。

我が十分形の三面待ちリーチに抗う下家カン5ピンのクソ追っかけを、わざわざ赤い方、それも
1発でブチ振った上、なお裏3の駄目押しくらってトップからラスまで一気に転げ落ちた翌々日、
唐突に管理人さんが訪ねてきて「最近深夜に騒いでいるとの苦情を複数うけているが身に覚えは
ありますか?」と詰問してきた真夏の夜。

それは長年抱え続けてきた疑問に対する回答。
何をもってして、人は人たりえるか。
そう、答えは「他者の存在」である。他人の生の視線があってこそ、人は始めてその理性を保ち得る。

「この野郎コロすぞ! とか聞こえてきたらしいけど?」
「あ、すみません。気をつけます」
「誰かとケンカでもしてたの?」
「あ、すみません。気をつけます」

今回の件により私自身は明確なる解を得ることが出来た。それはよしとしよう。
残る問題は更に明確なる解を用意してやらない限り、目の前のババアが絶対帰ってくれないことである。

「もしかして1人だったの?」
「あ、はい。すみません」
「ひょっとしてお体でも悪いの?」

この野郎コロすぞ。


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