[MySelf]


7月3日

<税金パニッシュメント、インド・8>

国から地方への税源移譲のため6月からアップした住民税をめぐり、
納税通知書を見た住民から市町村に問い合わせが殺到し、職員らが対応に追われている。
 「去年と比べると倍になっているんですけど」
 「所得税と合わせれば昨年と一緒なんですよ」
県内各地の自治体でこんなやりとりが、住民と職員の間で繰り返されている。
〜アサヒ・コムより〜


ということで世間では急に高騰しだした住民税を巡り、ちょっとしたパニックが
起こっている模様だが、今週は給料日だったということもあってか、私の職場も
その例に漏れず、
 「ちょ、給料が8千円しか上がってないのに、住民税1万以上アップて!?」
 「俺なんか2万以上、あがったよ!」
 「5年前に借りてたアパートとほぼ同じ値段て… 家賃かよ!」
 「そのうち消費税もアップすんだろ? もう自民党には投票しない!」
 「国家、やっちまったなー!」
などと、ところどころで憤怒と悲哀に満ち満ちた怒号が聞こえてくる始末である。

しかしこの私にしてみれば、たかがこれしきのことで何故そんなに腹を立てれるのか、
もっと頭にくることなど世間にはたくさんあるだろうにと、彼等の境遇にあまり同調的
でないのが、本音だったりするのである。

いや、まあ、確かに私自身、彼等同様、急成長を遂げた住民税の欄を見てそれなりには
腹をたてた。何故ここまで値上がりしたのかを本気でいぶかり、「住民税 値上げ」で
検索をかけまくるという今更感たっぷりの行為にさんざ及んだ末、サイト名が「住民税
の増税★値上げ 高い 税率 免除 控除 減免 計算 方法」とやたらめったら税金
まみれなわりに、それにゃビタイチ関係のない広告を堂々中央に貼りつけているサイトを
つい見つけてしまって、更に腹を立てたりもしていた。

が、そんな怒りなど「奴」に比べれば… 
今やすっかりお馴染みとなった感のあるあの流行語「ドンダケー」をどういうわけか見事に
気に入ってしまい、つい最近までやたらとそれを連呼したがっていた、あのやんちゃ極まり
ないインド人に比べれば、そんな怒りなどあまりに些細な出来事であるといわざるをえない
のもまた事実なのである。

「この仕事、お願いね」
「ドンダケー」
「頼んでたあの件、終わった?」
「ドンダケー」

そもそもの用法が分かってなさそうな癖に脈絡なく連発するもんだからそのウザいこと、
ウザいこと。そんな彼から少し前に「ドンダケ」はアッサム語で「肥満」であることを
教えられ、少し「へー」と思ったりした。と同時に、私だけに向かって「ドンダケー」を
繰り返すこの男がますます憎くもなったりした。
それから1週間後、別のインド人からそれが完璧に嘘であることを教えられ、顔一杯に
能面のアルカイックスマイルをたたえつつ、かなり「ほー」と思う羽目になったりもした。

「ウソ、教えんなよなー」
「シンジテタンダ!」
「うん」
「ドンダケー」

そんな元気一杯すぎる彼であるが、流石に飽きてきたか、ここ一週間はあれだけオキニー
だった「ドンダケー」をほとんど使わずにいる。そのこと自体は私にとって素晴らしいこと
なのだが、今度は代わりに「〜チャーン」を多用し始めたのが、少し気になるところである。

「オツカレ、チャーン」
「オハヨウ、チャーン」
「ココ、ワカンナイ、チャーン」
「サカイ、チャーン」

前言撤回。ちょっと気になるどころの話じゃない。「ドンダケー」以上に破壊的すぎる。

「インドデハ”チャーン”ハ、『メガネ』ッテ、イミナンダゼー」
「ウソだろ」
「ウッソ、チャーン」

何度でも言ってやる。住民税が上がった? だからなに?


7月9日

<「どんだけー」を思わず使いたくなる瞬間>
























#読んでた電車の中で、思わず「今頃ー」って呟きかけました。
 「マジかよッ」「来てたのかよ」って、それ気がつかなかったわけないわー


7月17日

<ミクシの自己紹介欄とかで「(バンド名)が大好きです!」とかやたら羅列して
 僕は音楽命です!みたいなノーミュージック・ノーライフ宣言を恥ずかしげもなく
 ブチかましている奴に限って「サマソニ毎年行ってたけど今年は倖田來未が出るから
 俺行かねー」とかのうのうと宣えちゃうのはどうしてなのでしょうかの巻。
 倖田來未に左右されるくらいの「NO MUSIC,NO LIFE」って(笑)>

えーと、この前、渋谷の映画館に行ったんですよ。「グランストンベリー」って映画の
レイトショーを見るために。で、上映時間が21〜23時なんでこれメチャ空きなんじゃ
ないかと思ってたんですけど、行ってみたら妙に受付口が混雑しちゃってたんですよ。

おっかしいなーと思って前の方見たら、頭骨の形状が断固たる旧石器テイストな、
ネアンデルタール人をメタボルフォーゼさせたみたいなオバさんが、受付嬢にほぼ
くってかかってるレベルでなんか色々聞いてて、そのせいで混雑しちゃってるみたい
だったんですね。

「ここは見やすい!?」
「はい、位置的にはスクリーンのほぼ真正面となります」
「そうじゃなくて見やすいの!?どうなの!?」
「はい、ほぼ真正面にスクリーンが位置しますので…」
「よく分からないわねえ〜 じゃあ、こっち!こっちは!?」

アニータさんを100万回ほど先祖返りさせたようなオモシロ面した人種に大声で
絡まれ続けると、人はほぼ同じ言動を繰り返すことしか出来なくなるという事実が、
ものの見事に立証された瞬間だと思いました。
その後もあそこはどうだこちらはどうたらと、同じやりとりを延々繰り返してるし、
いくら予約席オンリーの映画館だからって、このふんぎりつかなさは異常。
いい歳こいて映画の券一つまともに買えないのかよと。

で、ようやくそのオバさんが去ってくれて、やれこれで一安心とか思ってたら、
今度はその後ろの「僕サプリメント大好きです!」みたいなオーガニック面した
青年が、なんかまた揉め始めやがるわけですよ。

「え、1200円じゃないんですか?」
「いえ、1800円です」
「でも、確かサイトには1200円と書いてあったような気がするんですけど」
「あ、いいえ。1800円、の筈、です」
「筈、ってなんですか?筈って」

しつけーな、映画始まっちゃうじゃんか。1800円ったら1800円なんだよ。
大体が600円しか違わないってのになんだそのセコさ。よっぽど耳元で「おかね
はだいじだよー」ってがなりたてながら、その体躯が細っこいのを補って余りある
健康アピールのシンボルっぽいその健康永久歯を一つ残らず叩き折ってやりたい気分
に駆られました。まったくいい歳こいて映画の券一つまともに買えないのかよと。

大体が映画館に限らずこういった並び事ってな、なるべく大きいお札で払わない、
決め事があるなら並んでいる間に決めておく、お釣りをもらったらその場でちまちま
財布に入れてないでまずそこからどく、などなど、常に自分の後ろに並んでる人たち
に配慮するのが常識ってもんでしょ、ねえ? そこんとこしっかり踏まえてる僕は前
の二人みたいな素人じみた真似はしませんよっと。はい、お札オーケー、小銭オーケー、
座席の指定位置オーケー、全部オールオッケー、ほい、順番回ってきた、「どの映画
をご希望でしょう?」 はい、グランストンベじっ…

「ええと、グラストンベリー、でよろしいでしょうか?」 

およろしいですよ。むしろ最後の方でかんだだけなのにフルワード反復しちゃう貴女の
なぶりようがまったくもっておよろしすぎますよ。ついでに後ろのカップルの女まで
「グラストンベリーじゃない?」とか呟き始めちゃうし。恥ずかしさのあまりロシナンテに
マジ噛みされてるドロンズの片割れみたいな面相になりつつ慌てて小銭をだそうとしたら、
勢い余ってそのうちの何枚かが路上にチャリンチャリーン。

いい歳こいて映画の券の一つもまともに買えません。

結局、自分もネアンさんやオーガニック君と同種であることを思い知って、なんか無性に
絶望的な気分になりました。恥晒しついでに本気で教えてほしいのですが「倖田來未」って
なんて読むのこれ?(笑)


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