[MySelf]


10月10日

<インド・9、初勝利編>

や、そりゃもうびっくりですよ。

いつも通り、むき出しにした臀部を便座の上にドン!と乗っけただけなのに、いきなり直下
から温水がピヨピヨ〜って吹き出して、菊門辺りをピヨピヨ〜って撫でるんですもん。意味
分からなすぎ。思わず「おっ、おおっ…!」って上ずったうめき声まで出ちゃいましたよ。

ま、いいスよ。濡れた尻は後で拭けばいいだけだし、そこまではいいんスよ。
だけどさ、この水流、一向に停まる気配を見せない上に、なんか水圧増していってね?
うーん、こりゃ困りましたわ。「ストップ」ボタン連打もまったく効果ないし、その隣の
「シャワー」ってところを叩いても皆目変わりないし、そのまた隣の「チャーム」ってボタン
押しても相変わらず変化は… おっ、おおっ…!キンタマ袋の裏がメチャ暖かい!生暖かい! 
すっげ、これが「チャーム」か。その名にたがわぬ大人の魅力満載だー うん、今まで頑と
して使ってこなかったけれど、こうして見ると、わりかしウォシュレットって奴も悪くない
かもしれません。

そんな春風のそよめきにも似た「チャーム」との邂逅が、私の中のウォシュレットに対する
偏見を大いに取り払ってくれたところで私は改めて気づくのです。ウォシュレットの地位向上
うんぬんの前に、今現在の自分が可及的速やかに解決すべき大問題の方は1ミリたりとも
収束に向かっていないということを。

というわけで再度その問題と向き合い始めた私ですが、これ実際問題、相当な難問。
そのまま立ち上がりでもしたら、マイ臀部という支えのダムを失った水流は更なる行き場を
求めて床に大氾濫してしまうだろうし、かといってこのまま我が直腸の入口を強制的に洗浄
され続けるわけにもいかないし、うーんうーん。

…と、改めて周囲を見渡してみて、そこでふと目にとまったのが、右背後の壁からにょっきり
出ているコンセント。あ、あれさえ抜けばどうにかなるんじゃないかと。そう思って懸命に手を
伸ばしてみたものの、後ろ向き状態ということに加えて、水流を臀部で遮りつつという不安定な
体勢のままでは、どうしてもその位置に届きません。

三度悩んだ末に考え出したのが、一瞬で便座に向き直って、右手で水流を遮りつつ、残った
左手でコンセントを抜くというもの。今考えると、どうしてこんなに頭の悪い作戦、実行する気
になったかな、って自分で自分に呆れます。

とりあえず結果からいうと、その水流を停止させることは出来ました。
が、非常に残念なことに、我が右手の表面積のみでその圧倒的水圧を食い止めること適わず、
まことに不本意ながらその体勢のままで繰り出せる唯一の遮蔽物「顔面」をもってして、
私はその事態に当たるしかありませんでした。今は「洗浄水には水道水を使っています」と
機器の横に小さく書かれてあったことだけが僅かばかりの救いです。あと石崎君の気持ちが
ほんの少し分かったような気分になりました。

というわけで、その愚か極まりない行為の代償として受けたダメージ、頭の先から首元に至る
までグッショリなその惨状をなんとかすべく、憮然としながら洗面所で顔や首元を拭いていたら、
この社内において私が今の姿を最も見られたくない人間ナンバーワンであらせられるところの、
くだんのインド人さんがひょっこり便所に入ってきてしまうという、この世でもっともありがたくない
奇跡が顕現しやがりまして。

 「………ナニ、シテンノ?」
 「いや、ちょっと…」
 「チョット、ナニ? ドウシテ、ヌレテルノ?」
 「いや、別に……」
 「ベツニ! デタ! ベツニ!」
 「ニホンジンノワルイクセ。スグ「チョット」! スグ「ベツニ」イウ!」
 「え?だから、あの、別に……」
 「クニゼンタイガ、サワジリ、キドリ、カヨ!」

その後「カンジ、ワル!」を連呼しつつ、先程、掃除し終えたばかりの個室へと彼が滑りこむ
ように入っていくのを目にした私は、その場でクルクルと小踊りしたくなる衝動をこらえるのに
もう必死。
その30秒後、予想通り、個室から「オッ…オオッ…!」という若干上ずり気味なうめき声が
響いてくるのを耳にして、私は人が本当に驚いたときに出す声が万国共通であることを改めて
知るのでありました。

そして約5分後、先程の自分と同じく、上半身をグッショリさせながら出てきた彼をとびきりの
笑顔で迎えながら、もちろん私は聞いてみることにしました。「なあ、どうしたの?」


 「………イヤ、ベツニ」


10月18日

<幸福論>

つい先日、職場で後輩とたわいない世間話してたときのこと。
TV関連の話になったところで「関ジャニ」を「セキジャニ」と呼称した途端、
さんざ怪訝な顔されたその10秒後に呵呵大笑された末、「いまごろ〜?」の
ステキ罵倒とともに、感動的レベルで馬鹿よばわりされたサカイです。
どうも世間じゃ、声優の名前やガンダム名セリフをそらで50以上言えない事より、
「関ジャニ」をちゃんと読めないことの方が問題視されるみたいですね。

そういえば、ここ4年、アニメ以外のTV番組というものをニュースと映画以外で
視聴した覚えがまるでありません。あ、一時期、アクセルホッパーとあやまラッパー
が見たいが為だけに「エンタの神様」見てたことがあったけど、彼等がシーンから
フェードアウトしていくとともに、それも止めちゃったしなー

大体がね、週に40本もアニメ見てたら、他の番組なんか視聴してる暇なんて到底
ありませんって。ちなみにここ最近で一番のお気に入りは「灼眼のシャナ2」ね。
え、お前も釘宮病かって?そんなにシャナの「うるさい×3」が聞きたいのかって?
ばっ、ちがっ… いや、もちろんそれもありますけれども…!けれどもそれ以上に
僕を魅了してやまない理由はほかに…そう、もう1人のヒロイン、吉田一美さんに
あるのです。

だってだって、彼女の主人公に対する呼称が「サカイくん」なんだよ!
あの大きな瞳と可愛いお声、健気な態度でもって、いっつも「サカイくん」って…!
しかもしかも、先週放映された最新話じゃ「サカイくんと一緒に…いたいから…」って、
キタコレ!のおおおおおおおおゴロゴロゴロゴロー(TV前で昏倒、のち部屋中を横転)
もっともっと「サカイくん」って言ってー その想いを込めて僕の名前を呼んでー

そんなこんなで不思議なことに幸せです。


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