Nov. 9 (Tue)

Firenze - Mantova

結局フィレンツェ市内を散策できるのは今日の午前中のみに
なってしまい、お互いに行きたかった場所に行けずに未練を残すことになった。
連れは美術館のミケランジェロのダビデをみたかったらしいのだが、
シニョーリア広場のレプリカで我慢することに。

おれの方は蝋人形の美少女たちと会うのは次回までお預けに。
せっかくラ・スペコラの解剖模型を網羅した写真集を買って
再会を楽しみにしてきたのだがあああ。

フィレンツェに来たらまずここにいかねば話にならんというわけで中央市場へ。
お約束のように場内のネルボーネでトリッパのパニーノを朝食にぱくつく。
いつもの味で安心する。あいかわらずでかいんでちとあれではあったが。
トマトやら生ハムやらを少し仕入れて近くの広場でぱくつくが、
どうもトマトはいまいちであった。本場、という妙な幻想があるのであろうか。
日本で食うのとそんなに変わらなかった。

とりあえずフィレンツェ市内を一望できる場所、ということでボボリ庭園へ。
が増えているようなのは気のせいか。
おまけに人をまったく気にせずとんでもない格好でくつろいでいる(^^;;


川向こうの風景を眺めて戻ることに。
時間があれば川むこうをゆっくり散歩したかった。
グロッタグランデはまだ工事中であった。
レンタカーの予約を11:30にしているのでぼちぼちオフィスへ向かわなくては
ならない。川に沿った通りを歩いていると酒屋発見。
ウィンドウにはLuceのグラッパが。をををを。後先考えずとりあえずゲット。

Hertzで貸してくれた今回の車はブルーの Ford Ka であった。
トランクが思ったより狭く、3人分の荷物と人を乗せたらきつそうだが、
いざ街へと出てみると、低速での乗り心地とハンドリングがよく、
街乗りするにはかなり良いという第一印象だった。

ホテルをチェックアウトし荷物を積み込む。
ポンテベッキオの近くや橋の上には絵描きが何人かいるのだが、
さっき通ったときに気に入った絵があったので、もう一度見たい、
と連れがいうので、車をSMN駅地下の駐車場に置いて昼食場所を探しつつ
再度ポンテベッキオまで歩く。
 
橋の向こう側だかこっち側だか思い出せずふらふらしながら
その絵描きのいた場所を見つけるが、席を外しているようで少し待っても
帰ってこない。あきらめて近所のカフェテリアで昼食をとる。

鶏と肉の串焼きみたいのが乗った盛りあわせの皿がうまそうだったが、
そこはやはり作り置きをあたためるだけなので
やはり今一つであった。そんな店を選んだ自分が悪いともいえるが、
今回はフィレンツェには徹底的に嫌われたようである。

ラストチャンス、ということで再度絵描きの場所へ行くと
今度は座って絵を描いていたので、連れは無事絵を購入する。
縦10cm横30cmぐらいの夕日に染まったフィレンツェの風景画であった。

まだまだ旅は続くのでしっかり画用紙で包んでもらう。
駅に戻る道すがら、連れはドゥオモの上を眺めながら、

あそこ登れるんだ…

というわけで三度目のフィレンツェにして初めてドゥオモの上に登らされることに(^^;;
クーポラ入り口は正面でなく向かって右手奥にある。
入り口にはアメリカ人観光客の中年夫婦がいる。
でっぷり太った男の方が係員に何やら尋ねた後、おもむろに引き返して
チケットを払い戻ししている。

エレベータがないからやめるらしい(^^;;

おれもやめたくなったがとりあえず上まで登る。
バチカンは途中までエレベータ(有料)があるのに(^^;;

フィレンツェ市内を一望して出発することにする。
時間は午後3時過ぎ。最初は下道(ということはフータ峠を通ると
いうことだ)でボローニャあたりのどこかの街に立ち寄って
昼飯でも、と思っていたが高速で行かないと待ちあわせに間に合わない。

フィレンツェで車に乗るのは3度目のはずなのだが、お約束のように
高速入り口を探して市内をぐるぐるすることに(^^;;
フィレンツェ→ボローニャ→モデナとミラノ方向へ向かいモデナでマントヴァ、
ブレシア方面へと分岐する。モデナの分岐を過ぎる頃には日が落ち、
マントヴァ北ICを降りたときにはあたりはすっかり暗くなっていた。

夕方6時過ぎで通勤ラッシュなのであろうか、市内へ向かう交通量は
結構多いが渋滞というほどでもなく、ICから市内までは約20分で到着。
マントヴァは三方を湖(といっても川みたいなもんだが)に囲まれた小さな都市である。

標識に従って国鉄駅に到着。地図でホテルの位置を確認。
迷うことなく数分でホテルに到着したのは6時40分すぎだった。
ホテルの駐車場に車をとめチェックインすると、伝言を渡される。

すでに到着しているAさんからで、駅前のホテルに投宿していますとのこと。
連絡しようと思ったが15分後にここのロビーで待ちあわせなので
部屋でそれまで待つことにする。

程無くしてAさん登場。
異国での再会を祝しロビーで飛行機キャンセル話やなんやかやで
ひとしきり盛りあがった後夕食を食べに外に出る。

下調べの鬼(^^;;のAさんによるとマントヴァ市内にめぼしい店は3軒あって、
そのうち一番気になる店は今日は定休なので2つのうちのどっちかにしましょう、
とのことで、地図を片手に歩き出すことに。

いきなり間違えてとんでもない方向に歩いてしまったりしつつ一軒目に到着。
ここはいろんなガイド本にも出ている地元の伝統的高級店である。
Aさんと二人で店頭のメニューを覗き込んでああでもないこうでもないと
やっている姿を後ろから見て連れが笑っている。

おれはこれとこれが気になってるんだけど、どうっすかねえ?
そうですねえ、私はこっちが気になるから前菜はこれとこれ、
メインはこれとそれにしましょうか。

こっちは真剣勝負なのだ(^^;;

地方色豊かで見慣れないメニューが多く、二人とも興味をひいたので ここへ入ることにする。地元一の高級店であるので、予約なしで(しかも 私はラフな格好で)大丈夫かと思ったが入れてくれる。 入り口には小さなカウンターがあってウェイティングバーになっていたが なぜかカウンターの内側向けにTVがついている(^^;; フロアは広く、天井が高くて広々としているが、過度に装飾的ではない。 例えは悪いが学校の古い講堂をリストランテにしたでもいえばいいか。 フロアの中央に大きなテーブルがあって前菜やサラダやら食器、カトラリーなどが乗っている。 おれの左手には地元銀行の頭取と取引先といったかんじの年配の 男性客、右斜め前には地元のいいとこの家族全員約8名おとなから 子供まで、ほかにはドレスアップしたカップルなどなど、 伝統ある地方都市の一番いい店なのだという雰囲気が伝わる。 川に囲まれた都市であるせいか、メニューにも川魚がいくつか見られる。 すでに何を食べたかまったく記憶にないのでメモを見よう(^^;; アニョーリ イン ブロード(肉の詰めものパスタをスープパスタにしたもの) ウサギのサラダ 鰻のマリネ カタツムリ、ハーブのソース 子牛のパンチェッタと茸のソース スズキ(かなんかの白身魚)、ポテト添え うーむむむ、こうして書き出してみても記憶がよみがえらないぞ(^^;; どっちかというと前菜に我々には馴染みがないメニューが多く 目を引いた。ウサギのサラダはオレンジのゆるい酸味がうまかった。 3人で皿を交換し(てもらい)ながら食べる。 高級店だけあって暴力的な量ではなく、ドルチェにたどりつく。 各人一皿ずつ食べた後、マントヴァの伝統的なトルタをひとついただいた。素朴であった。 ワインは Solaia 1991 これもよくおぼえてないな(^^;; でも5000円しないんだじぇ(^^;; というわけで、幸せにひたりながら寝る。
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Text and photo: nigel@st.rim.or.jp