よこはま地震防災市民憲章

1 制定の趣旨

 災害の発生を完全に防ぐことは不可能ですが、日頃の備えや助け合いにより被害を減らすことはできます。この「減災」のためには自助・共助が欠かせません。
 そこで、減災に向けた自助・共助の大切さを共通認識として持っていただき、世代を超えて引き継がれることを願って制定しました。


2 憲章の特徴

 理念である憲章本文と、具体的な23の行動を示した行動指針で構成しています。憲章は、「備え」、「発災直後」、「避難生活」、「自助・共助の推進」の時系列に沿ってまとめました。


3 制定日

 東日本大震災の記憶を風化させないために、地震発生からちょうど2年後の3月11日を制定日としました。


よこはま地震防災市民憲章
〜 私たちの命は私たちで守る 〜

 ここ横浜は、かつて関東大震災に見舞われ、多くの方が犠牲になりました。
 大地震は必ずやってきます。その時、行政からの支援はすぐには届きません。
 私たち横浜市民はそれぞれが持つ市民力を発揮し、一人ひとりの備えと地域の絆で大地震を乗り越えるため、ここに憲章を定めます。


 穏やかな日常。それを一瞬にして破壊する大地震。大地震はいつも突然なって来る。今日かもしれないし、明日かもしれない。
 だから、私は自分に問いかける。地震への備えは十分だろうかと。


 大地震で生死を分けるのは、運・不運だけではない。また、自分で自分を守れない人がいることも忘れてはならない。私は、私自身と周りの大切な人たちの命を守りたい。
 だから、私は考える。今、地震が起きたら、どう行動しようかと。


 不安の中の避難生活。けれどみんなが少しずつ我慢し、みんなが力を合わせれば必ず乗り越えられる。
 だから、私は自分に言い聞かせる。周りのためにできることが私にも必ずあると。


 東日本大震災から、私たちは多くのことを学んだ。頼みの行政も被災する。大地震から命を守り、困難を乗り越えるのは私たち自身。多くの犠牲者のためにも、このことを風化させてはならない。
 だから、私は次世代に伝える。自助・共助の大切さを。


平成25年3月11日 制定

よこはま地震防災市民憲章[行動指針]

(備え)

自宅の耐震化と、家具の転倒防止をしておきます。
地域を知り、地域の中の隠れた危険を把握しておきます。
少なくとも3日分の飲料水、食料、トイレパックを備蓄し、消火器を設置しておきます。
家族や大切な人との連絡方法をあらかじめ決めておきます。
いっとき避難場所、地域防災拠点や広域避難場所、津波からの避難場所を確認しておきます。
家族ぐるみ、会社ぐるみ、地域ぐるみで防災訓練に参加します。

(発災直後)

強い揺れを感じたら、命を守るためにその場に合った身の安全を図ります。
怖いのは火事、揺れが収まったら速やかに火の始末を行います。
近所のお年寄りや障害者の安否を確認し、余震に気をつけながら安全な場所に移動します。
避難する時は、ガスの元栓と電気のブレーカーを落とし、備蓄食料と常用薬を持って行きます。
断片的な情報しかない中でも、噂やデマに惑わされないよう常に冷静を保ちます。
強い揺れや長い揺れも感じたら、最悪の津波を想定し、ためらわず大声で周囲に知らせながら高いところへ避難します。

(避難生活)

地域防災拠点ではみんなが被災者。自分にできることを見つけて拠点運営に協力します。
合言葉は「お互いさま」。拠点に集まる一人ひとりの人権に配慮した拠点運営を行います。
避難者の半数は女性。積極的に拠点運営に参画し、女性の視点を生かします。
子どもたちの力も借りて、一緒に拠点運営を行います。
消防団員も拠点運営委員も同じ被災者。まずは感謝の言葉を伝えます。
「助けて」と言える勇気と、「助けて」に耳を傾けるやさしさを持ちます。

(自助・共助の推進)

あいさつを手始めに、いざという時に隣近所で助け合える関係をつくります。
地域で、隣近所で、家庭で防災・減災を学び合います。
子どもたちに、大地震から身を守るための知恵と技術、そして助け合うことの大切さを教えます。
横浜はオープンな街、訪れている人みんなに分け隔てなく手を差し伸べます。
私たち横浜市民は、遠方の災害で被災した皆さんにもできる限りの支援をします。



次のページへ   トップへ戻る