『四季の植物』

ミソハギ,タマアジサイ,アサザ,ムラサキツリフネ,ツルニンジン,ヒヨドリジョウゴ,クズ,ミゾソバ,クサノオウ,イヌショウマ,アキノノゲシ,ワレモコウ,サラシナショウマ,ハダカホウズキ(実),ガマズミ(実),ヤブミョウガ(実),リンドウ,ムラサキシキブ(実),ウド(実),アオキ(実),ジャノヒゲ(種子),ヤブコウジ(実),カラタチバナ(実),マンリョウ(実),ヤマザクラ,タチツボスミレ,ヨゴレネコノメソウ,ムラサキケマン,カテンソウ,キブシ,ニリンソウ,ウラシマソウ,ホウチャクソウ,オオバヤシャブシ,クマシデ,ジャケツイバラ,ヤマユリ,朴の木,ホタルブクロ,ハナイカダ,ホタルカズラ,ミヤマキケマン,カラスノエンドウ,ツルカノコソウ

ミソハギ◆ミソハギ◆
8月の花はミソハギです。
水田の畦や水辺で花を咲かせます。
ちょうど旧暦のお盆の頃に咲き、仏前に供えなれるので盆花とも言われます。

タマアジサイ◆タマアジサイ◆
つぼみの時に丸い球のようになっているので、この名前が付けられました。
開くとお馴染みのガクアジサイと似ています。
ガクアジサイより遅れて咲きはじめます。

アサザ◆アサザ◆
竜胆科の池などに生える多年性水草です。浅沙の字があてられています。
名前の由来は浅い水辺に生えることから"浅く咲く"から来ているとする説と、"朝早く咲く"→"朝咲"→"アサザ"との説があります。
夏の晴れた時にだけ咲き、曇りや雨の日には咲きません。

ムラサキツリフネ◆ムラサキツリフネ◆
ムラサキツリフネ(紫釣船)は、夏に水辺やじめじめした場所に群生していることが多いです。
ホウセンカと同じ仲間で、熟した実にちょっと触れるだけで種を勢い良くはじき飛ばします。

ツルニンジン◆ツルニンジン◆
ツルニンジン(蔓人参)は蔓性の多年草で、根が朝鮮人参の様になる事からこの名があります。
花は直径3〜4cmの釣り鐘形で、下向きに咲きます。
花の色は白緑色ですが、内側に紫褐色の斑点が見えます。
増えて欲しい花です。

☆画像、情報提供:田原アツ子様☆

ヒヨドリジョウゴ◆ヒヨドリジョウゴ◆
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)も蔓性の多年草で、全体に毛が有ります。
茎は他物に寄りかかりながら伸びていきます。
白い花の直径は1cm。開くと花弁は後ろに反り返り、雄しべの褐色が目立ちます。
ヒヨドリジョウゴ 実は晩秋に真っ赤に熟し、ヒヨドリが好んで食べる事から付いた名前と言われます。
実は、直径0.8cm程になります。

クズ◆クズ◆
クズ(葛)は蔓性の多年草で、秋の七草の一つです。
昔の人は、根は葛粉、生薬の葛根解熱剤に。茎からは繊維を。
蔓は蔓細工に。新芽は天ぷらや油炒めに。花は茹でて酢の物に。
葉は家畜の餌にと利用していました。

☆画像、情報提供:田原アツ子様☆

ミゾソバ◆ミゾソバ◆
ミゾソバ(溝蕎麦)は日本全土に分布し、山野の水辺に分布します。
名前の由来は、葉の形が『ソバ』に似ていて、溝のそばに咲いているからだそうです。
葉が牛の顔に似ていることから、『ウシノヒタイ(牛の額)』の別名があります。

クサノオウ◆クサノオウ◆
クサノオウ(草黄、草王)はケシ科の越年草です。
土手や草原で咲く、黄色が目立つ野草です。
茎を切るとオレンジ色の乳液がでますが、これは有毒です。
民間薬として鎮痛、解毒剤として使われてもいるようですが、可愛そうだから切ったりしないでくださいね。

イヌショウマ◆イヌショウマ◆
イヌショウマ(犬升麻)はキンポウゲ科で7〜9月に山地の湿ったところに咲きます。
荒井沢でも茎の上部に真っ白な花が穂状に咲き始めました。
その白さがよく目立ちます。
ルーペで見ることをお薦めします。

☆画像、情報提供:田原アツ子様☆

アキノノゲシ◆アキノノゲシ◆
アキノノゲシ(秋の野芥子)はキク科で9〜11月に日当たりの良い野原、荒れ地に咲きます。
荒井沢では草丈1m。花の直径2cmの淡いクリーム色の花が7月頃から咲いています。
午後に入ると、花は閉じ始めてしまいます。

☆画像、情報提供:田原アツ子様☆

ワレモコウ◆ワレモコウ◆
ワレモコウ(吾亦紅)はバラ科で7〜10月に日当たりの良い山野に咲きます。
草丈は1m。枝先に暗紅色の長さ1〜2cmの穂を付けています。
花は先端から下に向かって咲き進むのだそうです。
花には花弁が無く、4個の萼片が花弁のように見えます。

☆画像、情報提供:田原アツ子様☆

サラシナショウマ◆サラシナショウマ◆
サラシナショウマ(晒菜升麻)はキンポウゲ科で、若菜を茹でて水で晒して食用に供したことからこの名がつきました。
長さ20cm程の穂状に白い小さな花がビッシリと付きます。
花弁と萼片は、花が開くと直ぐに落ちて、長い雌しべと雄しべが真っ白に目立ちます。

ハダカホウズキ◆ハダカホウズキ(実)◆
ハダカホウズキ(裸溝酸漿)は山野に生えるナス科の多年草です。
葉の付け根に直径1cmたらずの球形で紅色に熟した実が下向きに付きます。

ガマズミ◆ガマズミ(実)◆
ガマズミ(莢迷)はスイカズラ科の落葉低木です。
9〜10月頃になると直径0.6cm程の果実が赤く熟し、霜が降る頃になると甘酸っぱくなり、食べられます。

ヤブミョウガ◆ヤブミョウガ(実)◆
ヤブミョウガ(薮茗荷)はツユクサ科で林の中に群生する多年草です。
葉は茗荷に似ていて、8月頃に白い花を咲かせます。
秋に、直径0.5cm程の藍色の実が熟します。

リンドウ◆リンドウ◆
リンドウ(竜胆)はリンドウ科リンドウ属の多年草で、日本の秋を代表する野の花の一つです。
日が当たると開きます。
花の内側に茶褐色の斑点があります。

ムラサキシキブ◆ムラサキシキブ(実)◆
ムラサキシキブ(紫式部)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木です。
実の美しさをムラサキシキブに例えた名前と言われています。
6〜7月に淡紫色の花が固まって咲き、秋には実が紫色に熟します。

ウド◆ウド(実)◆
ウド(独活)はウコギ科タラノキ属の多年草です。
春の若芽は山菜として香り高く、人気があります。
実は球状に多数集まって、黒紫色に熟します。

アオキ◆アオキ(実)◆
アオキ(青木)はミズキ科アオキ属の常緑低木です。
山地の林の中に生える雌雄別株の1年中青々とした木です。
晩秋には赤く熟した実と光沢のある葉が見事なコントラストを描きます。

ジャノヒゲ◆ジャノヒゲ(種子)◆
ジャノヒゲ(別名:リュウノヒゲ)はユリ科ジャノヒゲ属の常緑多年草です。
細い葉を竜の髭に見立てたことからこの名前があります。
8月頃淡紫色の小さな花が咲きます。
晩秋になると、種子は美しい瑠璃色に熟します。

ヤブコウジ◆ヤブコウジ(実)◆
ヤブコウジ(薮柑子)はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑低木です。
高さは15センチ前後で、花は7〜9月頃咲き、秋には赤い実を1〜2個付けます。
縁起の良い木で、ジュウリョウ(十両)とはこの植物です。

カラタチバナ◆カラタチバナ(実)◆
カラタチバナ(唐橘)はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑低木です。
葉の先が尖っているのが特徴です。
荒井沢に生えているのは、鳥からの贈り物でしょう。
縁起の良い木で、ヒャクリョウ(百両)とはこの植物です。

マンリョウ◆マンリョウ(実)◆
マンリョウ(万両)はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑低木です。
庭植えされるお馴染みの木です。実は晩秋に色付きます。
これも鳥が運んできた物でしょう。
縁起の良い木とされ、お正月飾りによく利用されます。

ヤマザクラ◆ヤマザクラ◆
ヤマザクラ(山桜)はバラ科サクラ属で、本州・四国・九州に分布する落葉高木です。
荒井沢市民の森には、山桜が非常に多く、里山らしい雰囲気を残しています。
今年も大きな木に沢山の花を咲かせてくれました。

タチツボスミレ◆タチツボスミレ◆
タチツボスミレ(立坪菫)はスミレ科スミレ属の多年草で、日本で最も普通に見られるスミレのひとつです。
花色は淡紫色から空色までいろいろ。
花が終わる頃には草丈30cmほどに伸びます。
荒井沢では沢山咲いています。

ヨゴレネコノメソウ◆ヨゴレネコノメソウ◆
ヨゴレネコノメソウ(汚れ猫の目草)はユキノシタ科ネコノメソウ属で、湿った所に生える草丈15cm程の多年草です。
葉に白っぽい斑紋が有るのが特徴です。
荒井沢にはヤマネコノメソウ(山猫の目草)も有ります。

ムラサキケマン◆ムラサキケマン◆
ムラサキケマン(紫華鬘)はケシ科キケマン属の多年草で、ヤブケマン(藪華鬘)の別名があります。
平地から山麓の道端に生えています。
花は紅紫色で、長さ2cmほどの筒状です。

カテンソウ◆カテンソウ◆
カテンソウ(花点草)はイラクサ科カテンソウ属で木陰に生える多年草です。
草丈は10〜30cmで群生します。
見えているには雄花で、雌花は葉の付根に小さくかたまってつきます。

キブシ◆キブシ◆
キブシ(木五倍子)はキブシ科キブシ属の雌雄別株の落葉低木です。
花は葉の展開前に咲き始めます。
淡黄緑色の花房を多数垂れ下げて咲き、良く目立ちます。

ニリンソウ◆ニリンソウ◆
ニリンソウ(二輪草)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、1本の茎に2コ花が付くことからその名がつきました。
葉柄がないこと、葉に斑点が有ることが特徴です。
ニリンソウとヤマトリカブトの葉が似ています。
ニリンソウの若芽を山草として食べることがあり,間違えてヤマトリカブトを食べて中毒するということがあるそうです。

ウラシマソウ◆ウラシマソウ◆
ウラシマソウ(浦島草)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。
葉は1本で花より上に伸びています。
花穂の先に糸状の付属体が外へ長く延びているのも特徴です(50〜70cm)。
この糸状を浦島太郎の釣り糸に例えて名前が付きました。

ホウチャクソウ◆ホウチャクソウ◆
ホウチャクソウ(宝鐸草)はユリ科チゴユリ属の多年草です。
長さ2.5〜3cmの花が数個垂れ下がって咲きます。
花弁は6枚が筒状に重なり合っています。花が緑色も珍しいです。
宝鐸というのは,お寺の建物の軒先に下がっている大型の風鈴(風鐸)のことです。

オオバヤシャブシ◆オオバヤシャブシ◆
オオバヤシャブシ(大葉夜叉五倍子)はカバノキ科ハンノキ属で雌雄同株です。
葉の展開と同時に開花します。
雄花は下向きに、雌花は上向きで雌しべの赤い色が美しいですね。

クマシデ◆クマシデ◆
クマシデ(熊四手)はカバノキ科クマシデ属で雌雄同株です。
葉の展開と同時に開花します。
雄花は長さ10cm以上、雌花は長さ5cm程でどちらも下向きに咲きます。
荒井沢市民の森では良く見ることが出来ます。
「四手(しで)」とはしめ縄などに垂らす白いギザギザ模様の紙のことで、シデの仲間でも葉っぱや果実の穂が大きく、樹形の姿がたくましいところから「”熊”四手」になったらしいです。

ジャケツイバラ00◆ジャケツイバラ◆
ジャケツイバラ(蛇結茨)はマメ科ジャケツイバラ亜科ジャケツイバラ属で荒井沢市民の森の名物の一つです。
今年も見事な黄金色で皆城山の北山麓の杉の木を覆っています。
この外、炭焼き広場や本年市民の森に追加予定の保安林にも2箇所に咲いていのが確認されました。
「蛇結茨」とは、枝がもつれながらくねっているさまを、ヘビがからみ合っているようすに見立てて名付けられたといわれています。
ジャケツイバラ


ヤマユリ◆ヤマユリ◆
荒井沢市民の森のもう一つの名物がヤマユリです。
風貌が豪華で華麗であることから、『ユリの王様』と呼ばれるヤマユリは神奈川県の県花です。
花は、花弁が外に弧を描きながら広がって、1〜10個程度を咲かせ、その大きさは直径20cm以上でユリ科の中でも最大級です。
ところが、荒井沢のヤマユリは桁違いです。!!!
画像を見てもお分かりの通り、その花の数は50はあるかと思われます。7〜8月頃開花致します。

朴の木 ◆朴の木(ホオノキ)◆
朴の木はモクレン科の落葉高木で、全国の山林に見られます。
大きくなる高木で、樹皮は灰白色、きめが細かく、裂け目を生じません。
葉は大きく、長さ20cm以上、時に40cmにもなります。
花も大型で大人の掌に余る白い花が輪生状の葉の真ん中から顔を出し、真上に向かって開花します。
白色または淡黄色、6月ごろ咲き芳香があります。

ホタルブクロ ◆ホタルブクロ◆
桔梗科の多年草で初夏に大きな釣り鐘状の花を咲かせます。
名前の由来は「花の中に蛍を閉じ込めるとその明りが外へ透けて見える」ところからきているという説が有名です。

ハナイカダ ◆ハナイカダ◆
ハナイカダ(花筏)は湿り気のある沢筋に生えている落葉低木です。
雌雄異株で、写真は雌花です。
葉の真ん中に直径4〜5oの淡緑色の花を通常1個付けます。
果実は球形で秋には紫黒色に熟します。

ホタルカズラ ◆ホタルカズラ◆
ホタルカズラ(蛍蔓)が乾燥した土手に咲いていました。
細い蔓性の多年草です。
蔓を伸ばしながら新しい株を増やします。
花は美しい青紫色で、花を蛍の光に例えたものです。希少です。

ミヤマキケマン ◆ミヤマキケマン◆
ミヤマキケマン(深山黄華鬘)が林の縁に咲いていました。
越年草で、草丈は20〜50cmほどです。
花の長さ2〜2.5cmの筒状をしています。
大切にしているのに、なかなか増えません。

カラスノエンドウ ◆カラスノエンドウ◆
カラスノエンドウ(烏野豌豆)が日当たりの良い道端に群生していました。
つる性の越年草です。
豆果の莢が熟して真っ黒になるのをカラスに例えた名前です。
茎は四角形で、葉の先端の巻きひげは3つに枝分かれします。
葉のつけ根の托葉に密線が有り、蟻が嘗めに来るそうです。

ツルカノコソウ ◆ツルカノコソウ◆
ツルカノコソウ(蔓鹿の子草)は荒井沢の森ではそちこちで群生しているのが観られます。
草丈20〜40cmで、僅かに先端が淡紫色を帯びた白色です。
走出枝を伸ばして地を這うように繁殖します。


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