荒井沢市民の森

案内板 荒井沢市民の森は、県道原宿六浦線と鎌倉街道が交差する栄図書館入口の信号を南に入った公田町の最南端にあります。
鎌倉との市境に位置するこの森は、急峻な丘陵と谷戸(やと)が組み合わされたダイナッミックな地形が特徴です。
かつて丘陵は雑木林やスギ・ヒノキの植林地として、谷戸は水田として利用されていました。
豊な緑が水を育み、多くの生き物がくらしています。

極楽広場 市民の森の面積は9.6ヘクタールあり、地元の方々でつくる『荒井沢市民の森愛護会』により管理されています。
市民の森は、山林所有者のご好意により使用させていただき、市内の緑を守り育てるとともに、みなさんの憩いの場として提供されています。
しかしながら、『愛護会』の管理には限度がありますので、ご利用に当たっては、みんなで楽しく美しい市民の森となるように心掛けましょう。
・ゴミは持ち帰りましょう。
・崖が多く危険なところもあります。
 散策コース以外には立ち入らないようにしましょう。
・動植物をとったり、よそから持ってきて放したりする
 ことはやめてください。
市民の森の利用時間は日の出から日没までです。

小鳥 極楽広場の前にある車止めの柵の上で、可愛い小鳥たちが訪れる方々を出迎えてくれます。
市民の森には駐車場はありません。
県道方面から訪れられる方々は天神橋からこの森まで続く、『洗井沢せせらぎ緑道』(あらいさわの漢字は違います)を通って来られます。
せせらぎ緑道の脇を流れる清流の水源は、この市民の森から湧き出る清水です。

かえる池 丘陵や台地が削られてできた浅い谷を『谷戸(やと)』といい、谷戸につくられた水田を『谷戸田(やとだ)』と呼びます。
この湿地もかつては谷戸田として利用されていました。
一年中どこかに水がたまっている谷戸田は、水辺を利用する生き物にとってゆりかごのような場所でした。
トンボやホタル、カエルたちが幼虫・幼生時代を水中ですごします。
しかし、谷戸田が耕作されなくなると、ヨシなどの植物におおわれいき、しだいに水辺は失われていきます。
こうなると、谷戸田の生き物はくらすことができません。
沢山のカエル達が賑やかに呼び交わす声を取り戻そうと、市民が力を合わせてこの池を掘りました。

谷戸田 この谷戸田は、長い間休耕田になっていました。

しかし、市民の森の整備事業が開始されたのを機会に、せっかくある田んぼをそのままにしておくのは大変残念なことだとの意見が多数持ち上がりました。
近隣の小学校からも、稲作の体験学習をしたいとの意向があり、水田が復活いたしました。
公田小、矢沢小、桂台小の三つの小学校では、毎年5年生が近隣の農家の方々の指導を受けながら稲作を体験し、出来上がったお米で給食を楽しんでいるそうです。

清水 山から湧き出してくる清水です。

このあたりの地層は、昔海底だった場所が隆起して山になった為、表面の赤土を掘ると山砂が堆積した地層となります。
この為、降った雨が地中に沁み込み、長い年月をかけて清水として湧き出して来るのです。
私も、子供の頃に祖父や両親に連れられてスギ林の枝おろしや下草刈りなどの山仕事に来たときに、この清水をやかんに汲んで沸かし、お茶を飲んだ記憶があります。
昔は、炭焼きの材料や、煮炊き用の薪、建築資材としてのスギなどを得る為に、この山林を利用していたのです。

谷戸田の池 市民の森の奥にある、谷戸田の池です。(正確には、だった場所です。)

県道から奥が、ほとんど田んぼだった頃には、稲作に欠かせないかんがい用水源の役割を果たしていました。
いつしか、水田も無くなり、高度成長期の建設促進ブームに乗って大量の山砂の採取が始まった頃に、この池の堰も破壊され、池が無くなりました。
昭和30年頃までは、この池で水泳を楽しんでいたようですが、清水の為、水温が低く溺れて亡くなった子供もいたと聞いたことがあります。

今は、池の底だった場所に木道が整備され、初夏には平家ホタルが乱舞し、見学の人波が絶えません。

山道 池から皆城山山頂に向かう山道です。

細い、何かにつかまらずには上れなかった道も、すっかり整備されています。
木漏れ日の中、鳥の声を聞き、付近に咲いている野草や木々を眺めながらの散策は、少し息を切らせながらも楽しい一時を与えてくれます。

皆城山 笹の回廊を抜けると皆城山山頂に到着します。

皆城山には、木製の可愛い展望台が設置されています。
この、展望台に上り、北側を眺めると、桂台地区の家並みが見事に広がっており、彼方には横浜のシンボルともいうべきランドマークタワーも望むことができます。
これほど、住宅地に隣接していながら、豊な自然と静けさが残っていることは、まさに奇跡としか思われません。

炭焼釜 皆城山山頂を後にし、反対方向の谷に降りて行くと炭焼広場があります。

木炭や竹炭を作成しています。
この、広場も開園当初は草や笹に覆われた荒地だったのですが、愛護会の皆さんによるボランティア活動で徐々に整備が進み、今では素晴らしい、憩いの場所となっています。

炭焼広場 炭焼広場の炭焼き小屋と皆城山に向かった上り口方面の画像です。

美しいスギ林が残っており、春には山サクラが見事な花を咲かせます。
また、愛護会ではボランティア活動に協力して下さる方々を随時募集しています。
お気軽にご参加ください。

グランドキャニオン 横浜の通称"グランドキャニオン"です。(^^;

市民の森の入口、洗井沢水辺小川アメニティ方面からの眺めです。
山砂を採取した跡地に出来た景観です。
眺めは素晴らしいのですが、ご覧の通りの切り立った崖で、頑丈な柵がある訳でもありません。
危険ですから散策コースを外れて近寄らないようにお願い致します。


次のページへ   トップへ戻る