A/Cのレトロフィット(その1)

コンプレッサが壊れた...さて

seletc TM-15HD (488-25011)

はじめに

E28-M535iのエンジンオーバーホール後の慣らしもほぼ終りの10月のある日、エアコン(実は単なるクーラー)のスイッチをONにすると突然コンプレッサからジャリジャリと異音が出てヒューズが飛び、クーラーが効かなくなってしまいました。どうやらコンプレッサの電磁クラッチが異常摩耗し、オーバーロードとなったようです。度重なる高速道走行のせいかもしれませんが、コンプレッサも所詮は中期の消耗品(?)、13年間も良くもってくれたものです。どうやって修理するのが良いか思案するうちに秋も深まりクーラーの不要な季節となったので、ここはじっくり春までに修理を行なうことにしました。以下はその顛末です。

どうやって修理するか?

なるべく安く修理したいのですが、かといってやっつけで修理しまたすぐ壊れてしまっても困ります。幸い(?)私の場合壊れたのはコンプレッサ本体だけ。この2年間冷媒ガス補給は不要で酷いガス洩れは無い為、コンプレッサを交換すれば良いのですがそう簡単にもいきません。現行コンプレッサと同一仕様の新品はもう現存しないからです。E28はじめ1992年ぐらいまでのBMWのコンプレッサはR-12という古い冷媒仕様のもので、規制により現在これらは製造中止とのこと。よってBMW正規ディーラーでは、R-12用コンプレッサの修理はレトロフィットキットといって、新型のR-134aという冷媒対応の新品コンプレッサとその他の関連する部品を交換する方式をとっています。

ということで、修理の選択肢は概ね以下に思われます。


コンプレッサの修理方法
修理方法
備考
予算
BMW正規工場でレトロフィットキットによる交換修理を行なう。 新品R-134a用コンプレッサとドライヤ交換が基本。他の部分をどこまでやるかは予算次第。 25万〜50万
純正のR-134aコンプレッサを個人輸入し装着する。 高価な為個人輸入のメリットが少ない。 (レート時価)
コンプレッサをオーバーホールする。 BOSCH製のコンプレッサの正式なオーバーホールKITは国内に無さそうなため、出来る所が少ない。 3万〜
リビルド品(リンク品、再生品)のO/H済のコンプレッサを購入し交換する 壊れたコンプレッサは下取りとなる場合が多い。リビルドは原則R-12用としてのみ。 価格も在庫も不明
中古または解体物の旧型コンプレッサを探し、それに交換する。 程度が課題。外観からは判断出来ない。 時価(1万ぐらいか?)
社外品の新品コンプレッサに交換する。 いくつかの海外の通販でKITあり。国内での装着例がネット上では少ない。うまくつくのか? 400ドル〜700ドル

どれもメリット、デメリットがあり、いまひとつ乗り切れません。
しかし、レトロフィット(retrofit:改装、改造、更新の意)という言葉には妙に惹かれるものがあります。今後のR-12冷媒供給事情を考慮すると、どうやら良く調べてみる価値がありそうです。


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