第3話
「E24 LIFE(その1)」

by しろすけさん


会社の先輩にBMWのよさを教え込まれる日々。(何でそこまでこだわるの?)
その頃、時代はもうすでにE34でした。
そして私は先輩に敬語を使わなくなり、新入社員と言われる事もなくなってました(笑)

「520、手放そうかと思ってるんだけど、、、。」
「、、、え?何で???」

どうもE24を諦めていなかったようです。
よく雑誌を見ては「高いなぁ。」たら「距離走りすぎやなぁ。」たら言ってたのは知ってます。
名古屋まで雑誌を頼りに見に行った事もありました。
しかし、何だかんだ言いつつもぶたさん号を可愛がっていました。
故障らしい故障もなかったし、(今となっては羨む程まともでした。(笑))
燃費もいい、第一やっとこ私は左ハンドルのこの子に慣れてきた所です。
グローブボックスをはずしてビデオを付けてみたり、自作のデコラインを入れてみたり、あれこれ小細工して楽しんでたのに。何で今更???
そんな、繋ぎみたいでぶたさん号ってばかわいそう!!反対はんたーい!

「今買わんともう2度と乗れんかもしれん。どうしても6が欲しいんや。」

うーん、そう言われると何も言い返せないでわないか。第一私のくるまぢゃないし。
その上もう写真を送ってもらったり、お話を進めているらしいのです。
あぁ寂しいなぁ、ぶたさん号お別れかぁ、見慣れてきたらこのお顔もいいんだけどなぁ。
やだなぁ、やだなぁ、、、。写真いっぱい撮っておこう。あー、このお尻も捨て難いなぁ。

「明日の昼には手続き終らせとくし。夕方には6や。こいつは今日まで。」
乗り収めの日、私は結構ブルーになってました。やだなやだなやだな。
ドナドナされていくとこ、見られないな。その方がいいのかもなぁ。

結局6のお披露目を夕方まで待てなかったらしく、先輩とお昼休みに会う事になりました。
(おいおい、仕事しないで陸運行ってたの???)
待ち合わせの駐車場に私は少し早く着き、先輩を待ちました。
そこに、、、、ドルフィンメタリックの、世界で一番美しいクーペの登場です。
「わぁ、、、、。」
見慣れている、逆スラントノーズのはずなのに、、、。
確かにE28の雰囲気とは違います。ああ、これが欲しかったんだ。
私は4ドアと2ドアの違い、程度にしか思ってなかったのです。(笑)

「どーやっ?いいやろ?」
「うん、きれい、、、、かっこいい、、、。」
「よしっ、仕事終ってから乗せてやるな。」
「わーい、早く終らせよーっと。」

哀れぶたさん号、もうすでに忘れ去られてしまいました、、、。
ありゃぁ。(でも、今でもちゃんとしろすけくん2号の中に飾られてるんですよ)

88 E24 635csi ドルフィンメタリック(でいいのか未だに分からないのですが) サンルーフ付き。
私の人生2台目のBMWです。噂のビッグシックスです。
私は入れ知恵(笑)に違わず、確かに世界で一番美しく、エレガントだと感じました。

しかし、このろくすけくん(命名しろすけ)の天下もそう長くは続かないのでありました、、、、。


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