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チュニスの位置
 チュニスは、チュニジアの首都です。20世紀になって建設された区画が多く、空港から町の中心部の大通り・フランス通りまでは広い道路の両脇に近代的な建物が並んでいます。そのフランス通りのつきあたりに、旧市街メディナがあります。

メディナとは
 フランス通りの西端すなわちメディナの入り口には、フランス門があります。かつては、この門を入り口とする城壁がメディナ(旧市街)をぐるりと囲んでいました。
メディナはマグレブの古い都市に見られる景観で、商業部、工業部、モスク、ホテル、学校、ときには行政部などが一体となった都市機能を持っているようです。その中に入るとまず目に付くのは細い路地が不規則に張り巡らされていることです。それらの路地の両側には、商店モスク、宮殿、学校(マドラサ)の建物があるのですが、メディナ全体がひとつのマンションのようにつながって一体化しているのです。
 チュニスのメディナもまさにこのような構造になっていると思われます。


チュニスのメディナ
 イスラム世界では、モスクが人々の生活の中で大切な位置を占めていることはチュニス旧市街でも例外ではありません。
 メディナのほぼ中央にグランドモスク(ジトーナ)があります。ジトーナモスクは、フランス門からメディナに入ってジャマー・エズ・ジトーナ通りを進んだ突き当りにあります。モスクの周辺は観光客目当ての土産物屋などが多く店を構えていますが、貴金属や香水を売る小さな店もこの辺りに集中しています。また西側は通路とモスクの建物がアーケードなどで繋がっていて、ほぼ一体化しています。ジトーナは「オリーブの木」という意味で、モスクの創立者がオリーブの木の下でコーランを教えたことに由来するそうです。ジトーナのミナレットはメディナの外からでもひときわ目だって見えます。
 またジトーナの近くには、首相官邸があります。フランス門から首相官邸を結ぶ路地(もちろんまっすぐではない)が、メディナの中心街らしく、観光客の大多数もこのあたりを中心に徘徊しています。首相官邸の近くの壁には、メディナが世界遺産であることを示すプレートがはめ込まれていました。グランドモスクのやや南には、神学校(マドラサ)があり、またその近くにはかつてメディナを支配していた大公の「宮殿」があります。


メディナ体験
 メディナは、東西700メートル、南北1300メートルと比較的小さなエリアのように思えますが、内部は複雑な通路が絡み合い、夥しい商店や建物がひしめきあっています。そのうち人々でにぎわっているのは中央の東西を結ぶ数条の路地のみで、そこから少し外れると落ち着いた人々の暮らし振りがうかがえました。しかし、午後6時を過ぎると通路の人影はぱたりと途絶えて、喧騒を極めていた路地さえも通るのが憚られるほど静まり、異邦人である私は、言い知れぬ不安に襲われました。太陽を目印に大体の方角を心得ていたつもりが、あたりが暗くなり始めると、自分の立っている通路がどの方角を向いているのかさっぱり分からないのです。通りすがりの少年にフランス門までの道案内を乞い、ほうほうの体でメディナから脱出しました。

 
山崎喜世雄(やまざききせお) Kiseo Yamazaki
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1996.5.31