川村渇真の「知性の泉」

気に入ったモノ:コンピュータ関連


    ハードウェア    

●Apple II GS ADBキーボード

ベテランユーザーを中心に根強い人気があった、Apple II GS用のキーボード。フルサイズでテンキー付きながら、無駄なスペースを排除したコンパクトなデザインが魅力。キータッチが非常に心地好い点も、人気があった理由の1つだ。パソコンとのインターフェースはADBなので、初期モデルを除くほとんどのMacintoshに接続できる。残念ながら、もう販売していない。かなり人気が高かったため、製造中止になってからも修理品を取り寄せて、「これが本当の最後」と、通常のキーボードより高い価格で売っていたショップがあったほど。サードパーティ製のMacintosh用キーボードは、このキーボードを真似たものが多い。しかし、本家にはかなわないようだ。


    ソフトウェア    

●ResEdit

Macintosh用のリソース(補足を参照)を編集するソフト。リソースであるアイコンやダイアログボックスなどを、ビジュアルで編集することが可能。リソースの種類ごとに編集用の部品プログラムを追加できるため、どんどんと機能を向上できる。また、簡単な構造のデータなら、項目を定義したテンプレートを追加することで、項目値のまま編集する。部品プログラムを用意する必要がないため、新しいリソースへ素早く対応できる。そのテンプレートは、このソフトに追加する以外に、テンプレートの対象となるファイル(アプリケーションやデータも含む)に組み込んでもよい。かなり柔軟性の高い仕組みを持っている。リソースという発想とともに、衝撃を受けたソフトの1つだ。

補足:リソースとは、Mac OSの優れた機能の1つ。ソフトに含まれる命令やデータを分割化および標準化して、扱いやすくする仕組み。アイコン、ダイアログボックス、画像、命令コード、テキスト、ヘルプ情報、バージョン情報など、かなり細かく規定されている。1つのファイルの中に、標準化されたサブのファイルシステムがあると思えばよい。ファイルシステムを拡張する機能と捉えるべきで、Mac OSに登場当時から組み込まれていたとは、本当に素晴らしい。

●TMON

680x0用Macintoshで動作するモニターソフト。逆アセンブルしながらソフトの動きを観察できるため、自作プログラムのデバッグだけでなく、OS内部の動作解析にも使える。似たような機能を持つMacsbugとは違い、ウィンドウ形式でデータを表示できるのが最大の特徴。レジスターの内容表示、メモリーのダンプ、命令の逆アセンブル、メモリー上にロードされたリソース一覧など、何種類かの機能を持ったウィンドウが用意されている。逆アセンブルやメモリーダンプの表示では、レジスターやプログラムカウンタの値を表示起点アドレスとして指定できるため、動作と連動して表示対象の起点アドレスが変わる。スタック用レジスタを指定してメモリーダンプを表示させると、刻々と変化するスタックの内容も簡単に表示できる。また、メモリーダンプや逆アセンブルのウィンドウを複数開けるため、何ヶ所かを同時に観察することが可能だ。これらの優れた機能のおかげで、非常に効率良くソフトの動作を解析できる。ハッカーには最高のツールだが、残念なことにPowerPC版は登場していない。仲間内ではソフト名を「ティーモン」と読んでいたが、それが正しいかは定かでない。


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