川村渇真の「知性の泉」

読んで良かった本や雑誌:生き方や人生設計


●アメリカ流クリエイティブライフ

副題 :自分学の技術
著者 :ロナルド・グロス
出版社:TBSブリタニカ
評価 :絶品

書評:知的活動をいろいろな形で実行している人々を実例として紹介しながら、誰もが自分なりの生きがいを見つけられると述べている。紹介されている人物には、未来学者のアルビン・トフラー氏も含まれる。プロからアマチュアまで、実践的な学問や知的生産を目指す人が対象。仕事以外の時間だけを使っても、かなりの知的生産活動ができる。本文の中の「誰でも自分に固有な可能性を発見し育てる可能性は持っているが、それを実現できるかどうかの鍵は、自分に手の届きそうなテーマに集中して、全力をそこに傾けることだ。そうすれば見るべき成果をあげ、専門家として才能を認められるようになる」との言葉が印象に残る。自分の興味のある分野を研究し続ける方法と、そのための勇気を与えてくれる1冊。

●君たちはどう生きるか

著者 :吉野源三郎
出版社:岩波書店(岩波文庫)
評価 :良+

書評:架空の中学生の精神的な成長過程を通し、きちんと生きることについて考えさせる本。人間なら誰しもが、過ちを犯した経験を持っている。その悔恨感の苦しさに耐える中から、新たな自信や生き方を見つけ出す行為こそ、人間としての進歩であろう。子供向けに書かれた本だが、大人が読んでも心に響く何かを持っている。

●ピーターの法則

副題 :<創造的>無能のすすめ
著者 :ローレンス・J・ピーター/レイモンド・ハル
出版社:ダイヤモンド社
評価 :良

書評:階層型組織と人間の能力の関係を分析している。能力を発揮した人は、より上の地位へと進み、能力を発揮できない地位で止まる。その結果、組織全体の能力が低下するという内容。組織設計で考慮すべき大切な点で、マネジメントでも参考にする必要がある。また、本人の幸福のためにも、出生することが第1ではなく、能力を発揮できる地位でとどまることも重要と述べている。続編として「こんなことが『なぜ』起こる(実証/ピーターの法則)」と「ピーターのピラミッド法則(なぜ組織は無能化するのか)」も出ている(2冊とも著者はピーター氏のみ)。


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