川村渇真の「知性の泉」

現代人の必須アイテム


いろいろなものの進歩によって、社会全体が複雑になってしまった。こんな現代で、より快適な生活を実現するためには、新発想の都会型サバイバルツールが必要だ。そこで、現代社会を生き抜くための必須アイテムを集めてみた。これらを活用しながら、夢心地な超快楽生活へとワープしよう。


●薬害保険

国際的に活動してる保険会社が売り出した保険で、薬害を受けたら大金がもらえる点が最大のウリ。先進国の中では日本だけが、薬害により多くの死者を出し、未だに薬害の発生が続いている。病気になったとき、治療の失敗だけでなく、薬害による死亡まで心配しなければならない状況だ。そんな病人の気持ちを重視し、薬害に的を絞った保険が登場した。当然、先進国の中では日本だけでしか売られていない。薬害の被害者となり得るのは、何らかの治療を受けた人だけに限られるので、健康な人には関係なく、病院に通う人だけが対象だ。保険会社では、「病院に通い始めたら、ぜひとも加入しよう」と訴えている。また、価格を安くするために、病院の前に設置した自動販売機でも売っている。この種の保険で心配なのは、薬害として認定されるかどうか。明らかに薬害であっても、厚生省が認めるはずがないからだ。その不安を払拭するために、良識ある専門家に分析させ、一般市民が納得する判定を行うという。この方法を採用することで、厚生省がいくらシラを切っても、薬害と認定して保険金を支払えるそうだ。すでに血液製剤でのエイズ感染と、脳へ移植する硬膜でのヤコブ病感染を「明らかな薬害」として認定した。他にも数件の事件を調べていて、薬害と認定されるらしい。販売している保険会社の鼻息は荒く、「日本の国民にとっては悲惨な現状だが、今の厚生省がある限り、この保険は不滅でしょう」と豪語している。この保険に入っても薬害から逃れるのは難しいが、生きている間の治療費が得られる点と、死んだ場合に家族へお金を残せる点だけは、メリットがある。薬害が心配な人とって、少しは気持ちが楽になるかも。

●嫌われ小道具セット

好かれてほしくない人から嫌われるための小道具を集めたセット。熱が冷めた恋人と別れるためなど、徹底的に嫌ってほしい相手に対して用いる。セットに含まれるのは、口の中が死ぬほど臭くなるガム、凄い臭いの腋臭(わきが)スプレー、すさまじい足の臭いが出る靴の下敷きシートなどで、普通の神経では耐えられない臭いを出すものばかり揃えてある。嫌われる効果は抜群なものの、最大の欠点も併せ持つ。嫌われたい相手の何十倍も、使っている本人に苦痛が及ぶ点だ。しかし、それに我慢できなければ、好かれている相手から嫌われるのは難しい。できるだけ短い期間で嫌われるように、小道具を使ったら積極的に相手に近づこう。そうすれば、我慢する時間が短くて済む。なお、メーカー側では、必ず嫌われるという保証はしていない。このセットを使うことで、ごく一部の人だけは、さらに好きになるからだという。その意味で、相手の本当の好みを見極めてから使うようにしたい。

●激安航空貨物券

激安航空券よりも相当安い値段で乗れる、非常に特殊な航空券。驚くほど価格が安い理由は簡単。普通の座席ではなく、貨物用のコンテナの中に忍び込む形で乗るからだ。一人で乗っても安いが、団体だとさらに安い。50人乗り券、100人乗り券などが、信じられない価格で売られている。究極まで安く済ませたいのなら、コンテナ1台を貸し切って、ぎゅうぎゅう詰めで乗るのが一番。ただし、良い点ばかりではないようだ。航空会社には荷物として届けているので、人間が中に入っているのがバレるとまずい。コンテナの乗り降りの際には、声を出さないように注意される。また、コンテナ内は換気が悪いため、いくつもの注意事項がある。ニンニクや餃子のような臭い食べ物を、乗る前に食べない。きつい臭いのオナラが出るので、二日酔いで乗らない。途中で小便が出ないように、乗車前のビールは控える。途中で腹が減ると思うなら、ぎゅうぎゅう詰めでも食べられるオニギリを用意する。飲み物はペットボトルで持ち込むなどだ。これだけ注意しても、我慢できないぐらい臭いオナラをしたり、ビールの飲み過ぎで小便を漏らす人が必ずいる。とくに小便を漏らすと、コンテナ内がパニック状態になり、たいていはケガ人が出てしまう。受ける被害が最小限で済むように、コンテナ内の上のほうに乗り込もう。多少の苦しみを我慢できるなら、これほど得な航空券はない。

●自動洗濯板機

昔ながらの洗濯板による洗い方を採用した自動洗濯機。洗濯板の上に衣類を置いてから開始スイッチを入れると、自動的に洗濯し始める。横からロボットの手が出てきて、昔ながらの洗濯用石鹸を持ち、衣類をこすり出す。ロボットの手が超リアルで、見ているだけで楽しい。洗濯の最後のほうでは、洗濯板の上で服をこすったりもんだりして洗う。衣類の痛みは大きいものの、見ていて楽しいので好評のようだ。洗濯板を懐かしく思うお年寄りはもちろん、若者にも大好評で売れている。普通の洗濯機に満足してない人は、ぜひとも使ってみよう。

●MONO真似マガジン(ものまねマガジン)

ヒット商品を真似る方法で一儲けしようとしている商品を、まとめて紹介する雑誌。創刊号の特集では、人気パソコンのパクリ商品として評判が高い、ソーフェイクの「真似してもイーワンよ」を取り上げた。この企業はテレビコマーシャルにも相当に力を入れ、「しまった〜。うっかり〜真似してま〜した」と強烈だ。さらに、企画段階からの物真似ぶりが週刊誌にスクープされ、世間的には情けない印象を持たれてしまった。しかし、物真似企業の頂点への階段だけは確実に登っている。こんな状況が編集部に認められ、「MONO真似マガジン大賞」の有力候補になったそうだ。第2特集の「才能のないデザイナーの生きる道」では、徹底した物真似を推奨し、物真似道の神髄を解説している。この雑誌自体もMONOマガジンとそっくりで、物真似への徹底したコダワリが伝わってくる点は、凄いの一言に尽きる。本物が買えない人は、この雑誌を読んで物真似品を購入しよう。

●1年分のカルシウム入りお菓子

1年分のカルシウムが入ったお菓子で、毎日食べ続けなくても良いのが最大のメリット。1日分のカルシウムが入ったお菓子は以前から売っていたが、愛用者から「1日分なんてまどろっこしい。何度も買わせるな」との文句が出たので、思い切って売り出した。1週間分や1ヶ月分も考えたが、中途半端だと再び文句が出るかもしれないため、一気に1年分にしたという。1年分のカルシウムをまとめて摂取できるのはよいが、カルシウムを丸ごと食べているようで、まったく美味しくないのが唯一の欠点。それさえ我慢できれば、毎日食べる面倒から解放される。売り出したら意外に評判で、今度は100年分のカルシウム入りも売り出す予定だとか。こちらのほうは、注文するとトラックで運ばれてくる模様で、一気に食べるのは大変そうだ。

●ステルス腕時計

ステルス爆撃機の技術を利用して作った、レーダーに写らない特徴を持つ腕時計。日本で盗聴法が成立したのを知り、この技術を持つ外国企業が進出して売り出した。宣伝文句は「盗聴法の成立により、アナタは簡単に監視される。ステルス製品を使って自己防衛しよう」だとか。そもそもレーダーに写らない機能は盗聴と関係ないし、この種の機能を地上で使っても意味がないのだが、盗聴法に不安を感じる消費者には爆発的に売れている。本人の知らないところで勝手に盗聴される世の中になったため、ワラをもつかむ気持ちで買っているらしい。腕時計以外の商品として、ステルス冷蔵庫、ステルス自動車、ステルス缶コーヒー、ステルス野球ボール、ステルス雑記帳、ステルス鉛筆、ステルス洗濯ばさみ、ステルス衣料、ステルス布団、ステルス爪楊枝(つまようじ)などがある。さらに、ステルス建材だけを使って建てたステルス住宅まで登場した。購入した人は「いやあ、最近の日本は盗聴天国になって不安です。ステルス住宅でないと安眠できません。我が家は、住宅以外でもほとんどステルス製品を揃えてます。これで何とか普通の生活ができそうです」とインタビューに答えていた。ステルス製品を使った便乗商法も盛んになり、「ウチの病棟はステルス建材で建ててますから、安心して入院してください。自宅にいるより安全です」と宣伝する病院まで現れた。盗聴法の影響は、本当に凄まじいようだ。

●写り込むんです

レンズ付きフィルム「写ルンです」のパクリ商品で、霊のように見える白っぽい顔が自動的に写り込み、心霊写真が簡単に撮れる。もともとはテレビ局や番組製作会社のために作られたもの。この商品が登場するまで、テレビ番組で紹介されている心霊写真のほとんどは、画像編集ソフトのPhotoshopで加工していた。その作業が結構面倒だったので、一気に解消しようと、この商品が考え出された。メーカーの宣伝文句も「心霊写真を作るのに、もうPhotoshopはいりません。誰でも簡単に撮れます。テレビ番組の制作者に引っ張りだこ」とストレートだ。最近では、誰もが心霊写真を撮るので、見て驚くような人はいなくなった。

●ハゲるんです

「写り込むんです」に続いて登場した、「写ルンです」の別なパクリ商品。ハゲ頭部分だけの映像を写り込む機能が付いていて、小道具を使わずにハゲ頭の写真が撮れる。面倒なのは、撮影時の位置合わせ。ハゲ頭の写り込む位置が固定なので、ファインダー内で頭の位置を合わせてから、シャッターを押さなければならない。このため説明書には、何枚か撮影して一番ズレていないのを使うようにと書いてある。ハゲ頭の写り込みが複数の2人用モードや3人用モードもあり、位置合わせはさらに難しくなる。撮影する人が「もっと右」とか言いながら写される人を動かし、ハゲ頭と被写体の位置を合わせるようだ。この商品が好評だったので、別な写り込みカメラも続々と登場している。人気が出たのは、首から下のヌード映像を写し込む「脱げルンです」、首から下にさらし首の映像を写し込む「死ねルンです」、頭に包丁が刺さって脳味噌が漏れている映像の「脳味噌が漏れルンです」などだ。普通の写真に飽き飽きしている人は、好みの写り込みカメラを使って楽しもう。

●勇気野菜

農薬やダイオキシンがたっぷり含まれていて、食べるのに勇気がいる野菜のこと。この言葉を最初に使い出したのは、ダイオキシン汚染がひどい地区の農家だ。汚染されている野菜を何とか売ろうと思い、有機野菜と同じ読み方なら間違って買う人がいるだろうと考えた。それが広く知られると、同じ境遇で困っている農家が一斉に真似し始めた。日本にはダイオキシン汚染地区が多いので、今では多数の農家が同調している。八百屋の店頭では、客が「ユウキ野菜ください」と店員に言うと、こちらが必ず出てくる。有機野菜と比べて安いからだ。この野菜が登場してからは、「安全なほうのユウキ野菜ください」と言わなければならず、非常に不便だ。そうこうしているうちに、人々を驚かす事件が起きた。一部の農家が「有機野菜」と表示して勇気野菜を売っていたのだ。バレて追求されても「あれぇ、漢字を間違えちゃったみたい」と白々しく誤魔化すだけ。この事件が知られてからは、「有機野菜」の表示も信用できなくなり、本当の有機野菜の売れ行きも鈍っているという。また、勇気野菜の安全性を追求された農家では、「俺たちのせいじゃねーよー。それに、毒が多少入っているほうが、体が丈夫になっていいかもよ」などと開き直る人も現れる始末。実際には農家も被害者なので、何とも悲しい話だ。このように世間では多くの人が心配しているが、政府は知らんぷりして対策を打とうとしない。本物の有機野菜が高くて買えない人は、安い勇気野菜を食べながら、ダイオキシンや農薬の人体実験に協力するしかなさそうだ。

●キャビア味の歯磨き

子供用の味付き歯磨きを参考にして開発された、大人用の味付き歯磨き。キャビア味以外にも、フォアグラ味、カニ味噌味、ステーキ味、エビのチリソース味、カレー味などが好評で売れている。味の善し悪しは好みで決まるので、七味唐辛子味、タバスコ味、人間母乳味、納豆味なども、ごく一部の人にはウケているらしい。いろいろな味が出てたため、中には失敗作もある。代表格は大トロ味で、歯を磨いた後でも口の中が非常に脂っこく、せっかく磨いたのに「磨いた気がしない」と不評だった。それでも大トロ好きにはたまらないようで、喜んで使い続けている。それに、キャビアや大トロは高価でなかなか食べられないため、歯磨きで我慢している人も多いという。高くて普段食べられない食材の味を、歯磨きメーカーにリクエストしてみたらどうだろうか。もし登場すれば、その味が毎日楽しめるぞ。

●換気扇用の芳香剤

換気扇に取り付けて、近所に料理の臭いをまき散らすタイプの芳香剤。カップラーメンばかり毎日食べている家庭が、近所に見栄を張るために考え出された商品だ。こんな利用目的なので、贅沢な食事だと不自然に感じる。すき焼き、ステーキ、焼き肉といった、多くの人が大好きで少し良い食事を選んである。料理中の音を再生するCDも別売オプションとして売っているので、かなりリアルに演出できる点も嬉しい。ある家庭がこの商品を使うと、近所の家庭では「隣は今日もステーキかあ、いいなあ」などとうらやましがり、対抗するためにこの商品で見栄を張るという。こうした御近所の見栄張り合戦のおかげで、ぐんぐんと売り上げを伸ばしている。この商品も安くないので、その分を食費に回したほうが良いと思うのだが..。

●正直新聞

記事の情報源をできるだけ公表するように心掛けた、新しい方式の新聞。日本の新聞記事は、警察などの記者クラブで発表されたものがほとんど。それを「〜だと、警察が発表しました」と、正直に書くようにしたのが最大の特徴。発売当初には、他の新聞社から「本当のことを何でバラすんだ」と文句が殺到した。その後、新聞社が結託して記者クラブから閉め出し、情報源を絶とうとしたが、一部の新聞記者が裏で情報を流すので失敗に終わった。読者の評判は上々で、“ガラの悪い勧誘員”をまったく使わなくても、クチコミだけで部数を伸ばしている。

●婚約首輪

婚約した相手へ、指輪の代わりに送る首輪。お金持ちが婚約したとき、相手に送る場合がほとんどで、結婚式まで首に付けて生活してもらう。高価な宝石がちりばめてあり、最低でも5000万円、平均では1億円以上が相場だ。これを付けた人は、相当のお金持ちと婚約した証なので、周囲の人が急にすり寄ってくるという。送る人、付けている人、すり寄る人、すべてお金の奴隷に見えるのだが、本人達は気付いていないようだ。

●借金クジ

「宝クジ」と逆の発想で生まれた、新しい方式のクジ。宝クジの場合は、お金を出してクジを買い、一部の当たった人が大金をもらえる。しかし借金クジの場合は逆で、まず最初にお金をもらってクジを受け取り、当たった人だけに高額の借金がのしかかる。当たらない人は、もらったお金が自分のものとなるだけ。お金をもらったまま逃げられると困るので、参加者は身分を証明して、事前に登録しなければならない。この点が宝クジと違う。最近では、サラ金からお金を借りるよりは効率的と、緊急にお金が必要な人の間で人気が出てきた。ただし、当たったら悲惨な状況になるので、覚悟して参加しよう。

●シースルー柔道着(別名:透け透け柔道着)

透明な布地を用いた柔道着。日本の柔道界がカラー柔道着に反対したため、外国の柔道界が「色付きの柔道着がダメだとぉ。よーし、それじゃあ透明にしたら文句ないだろー」と開き直って作ったもの。柔道着の下に色付きのシャツを着て、カラー柔道着と同じ効果を得るのが狙いだ。ところが、当初の目論見とは違う方向へと発展した。柔道着の下に何も着ない選手が登場し始めたからだ。そんな選手が参加する大会では、観客が異常なまでに盛り上がるため、入場券がなかなか入手できない。これは儲かると考えた主催者側では、「シースルー柔道着だけの大会」を開催し、入場料を普段の数倍に設定し始めた。それでも常に満席で、男性選手の大会には女性ファンが、女性選手の大会には男性ファンが数多く詰め掛けている。最近では、通常の大会だと誰も見向きもしなくなった。日本の柔道界は相当に落ち込み、「こんなことになるなら、カラー柔道着を認めておけばよかった〜」と嘆いているらしい。最近では、「自分をアピールできる柔道着として、現代の一流柔道家には欠かせないもの」と、完全に市民権を得てしまった。柔道をやっている人は、ぜひとも使ってみよう。

●ヘマごっち

有能でない部下を持つ管理職向けの電子玩具。この中に登場するのは、すぐにヘマをする新入社員。わがままを言ったり、すぐに泣き出したり、トイレに逃げ込んだりと、現実の新入社員を完璧なまでに再現している。適切なアドバイスを与えるだけでなく、上手にヨイショしないと、すぐに仕事を失敗してしまう。豪華なプレゼントをしたり、お世辞を言ったり、借金を立て替えたり、ズル休みを出社扱いにしたり、ムシャクシャしているときに殴られてあげたりなど、100種類以上のヨイショが選べる。このゲームをクリアすれば、素晴らしい管理職になれるとの噂が広まり、オジサンの間で地味なブームになっている。部下との関係がうまくいってない管理職には、画期的なトレーニング道具かもしれない。

●ハード・コーラ

ライトやダイエットとは逆の発想で生まれた、新しいタイプのコーラ。「健康志向なんて気に入らね〜なぁ。そんな甘っちょろいことじゃよ〜ぉ、強い体は作れねえぜ!」との意見から始まった。よくよく調べてみると、「だからといって、ボディービルで筋肉を鍛えるなんてことも疲れるからやりたくない」との意見が多い。そこで、体に悪い成分を何種類も混入したコーラを開発した。毒を少しずつ摂取することで、毒に負けない強い体を作るのだという。「毒を用いて体を鍛え、マッチョよりも強い体に“ラクして”なろう」とのメッセージが受けに受け、どんどんと売り上げを伸ばしている。他社も追従し、最近ではどのメーカーも販売し始めた。製品の名称は「××コーラ・ハード」というパターンが多いようだ。いちおう「健康のために飲みすぎに注意しましょう」と注意書きを入れているが、タバコと同様で愛好家は気にする様子がない。この成功を横目で見ていたタバコ業界は、「そっかぁ、この手があったのか〜。オレ達も真似しよう」と、真剣に検討を始めたらしい。どちらも、ラクして体を鍛えたい人にとって、最適の摂取物のようだ。

●抗菌パンツ

体を清潔に保つためには、パンツを毎日取り替えるのが普通だ。しかし、気に入ったパンツは、すり切れるまで何日も何日も続けてはきたいもの。この要望をかなえるパンツが、ついに登場した。抗菌パンツの「清ケツ(せいけつ)」だ。「清ケツをはいて、いつも清潔なケツを」のCMが評判となり、飛ぶように売れている。標準で揃えてある柄も豊富で、自分の好みのパンツはたいてい見つかる。それでも不満がある人には、オプションとなるが、自分の気に入った写真を印刷してくれる。チンポコの部分に彼女の顔写真を入れるもよし、楽しみ方は人それぞれだ。出張の多い人や山登りが好きな人には、必需品といえる。さあ、1年以上もパンツを取り替えなくて済む、超ラッキーな生活を楽しもう。

●マインド・コンドーム

自信のないムスコをマインド・コントロールするためのコンドーム。イマイチ元気のないムスコを持つ人や、短時間で終わってしまう人が対象で、精神面を強化して変身を達成する。普通のコンドームに、独自の洗脳テープが付いてくる。テープには「さあ、ムスコが元気になるぞ、元気になるぞ。すぐにはしぼまないぞー」というメッセージが延々と入っている。それを何百時間も聞き続けると、だんだんと元気が出てくる。上級コースもあり、テープの内容が「さあ、今日はハードに5回やるぞ、ハードに5回やるぞ」に変わる。恋人や妻に性的満足を与えられない男性には、必須の道具だ。

●脱ぐビール

普通のビールでは満足できない人のために登場した、新しいタイプのビール。たくさん飲むと酔っぱらう点は同じだが、だんだんと暑く感じて服を全部脱ぐのが特徴。暑いと感じる特殊な薬品を混入しているらしい。キャッチフレーズは「世の中やっぱり裸の付き合い、酔って酔って脱ぎまくろう」と過激だ。乱交パーティに最適で、普通のパーティに飽き飽きしている人に飲まれている。最近では、小心者のリハビリにも使われて、朝起きたら駅の前で裸で寝ていた事件も数多く起きた。また、身体検査で絶対に服を脱がない子供に飲ませるという大事件まで発生した。異常な使い方は禁物だが、パーティがイマイチ盛り上がらない幹事さんには最適だ。

●禁煙推進ライター

一見すると普通のライターだが、超小型のテープデッキとスピーカーを内蔵していて、火を消した10秒後にメッセージを再生する。その内容は、「タバコなんか吸うんじゃねえよ〜、このアホが。周りのみんなが迷惑してるのが、わかんねえのかっ。てめえなんか、外に出るんじゃねぇ!」と厳しい言葉。禁煙を宣言した人へのプレゼンとして最適。

●KYOKON(きょこん)Fシリーズ

プロカメラマンに愛用者の多い有名カメラメーカーが、新しく発売したカメラのシリーズ名。キョッコールという新シリーズのレンズを目玉に、新しい機能を満載したカメラを売り出した。最大の特徴は、新しい機構を搭載したキョッコール・レンズだ。軸方向に何度も激しくこすると、長く太くなるズームレンズが何本もある。焦点距離でレンズを区別せず、筐体の太さで「SS, S, M, L, LL」と分けた。ブレボケ写真を自動で撮るためバイブ機能も搭載したが、予定した目的には使われなかったものの、女性ファンの獲得には貢献しているという。ただし、1日に何度も使うと、後半は大きくならない欠点を持つ。それでも、大きなレンズをほしいという要望は強く、「使わないときにはしぼんで小さく、使うときには太く大きく強く」のキャッチフレーズで、バンバンと売り上げを伸ばしている。

●何でも断り器

仕事などで何か嫌なことを頼まれそうになったケースで、どんな手を使ってでも断りたいときに用いる機器。スピーカー付きの小型テープデッキに、特別なメッセージが吹き込んである。それを再生することで、たいていのことは断れる。相手が依頼内容を言い出す前に、すかさずテープを再生することが重要。テープの内容は、次のようなもの。「私は、能力ありません。ヤル気もありません。お金もありません。暇もありません。顔も醜いですし、体も非常に臭いです。便所に行っても手を洗わないし、風呂も1年に1回しか入りません。頭はフケだらけで、とっても気持ちいいです。大便しても、オシリを拭きません。臭いがたまんなくいいですから。アナタの机の引き出しの中に、むちゃくちゃ大きいウンコをしたのも私です。また今度、してあげますね。満員電車の中で、臭いオナラをするのが楽しみです。わくわく。誰の顔でも、すぐになめたがります。アナタの顔を、今なめてもいいでしょうか。お礼に、私の脇の下をなめさせてあげます。それと...」と続く。これを聞かせると、たいていの人は仕事を頼もうなんて思わないはず。お見事、お見事で、カンペキだ。

●エボラ出血のタレ

見かけも味も普通の焼き肉のタレだが、あとから効いてくる強い刺激が特徴。食べた1時間後に鼻血が出はじめて、3時間ほど流れ続け、だんだんと顔が青白くなる。栄養の取りすぎが心配される現代人は、少し血を出してバランスを保ったほうがよいと考え、開発された。血の気の多い人や短気な人、急いでダイエットしたい人に、とくにお薦めしたい一品。ただし、出血時の何ともいえない感じが好きになると、習慣性が生じて使い過ぎを招き、最終的には健康を害することもあるので要注意。

●教祖の顔入り便器

教祖の顔が内側に描いてある便器。外見は通常の便器と同じだが、大便や小便の落ちる位置に、教祖の顔が描いてある。カルト教団にひどいことをされた元信者が、恨み満杯の精神状態から心を解放する目的で用いる。「ひどいことしやがって。クソでもあびろー」とか言いながら、教祖の顔めがけて大便や小便をすることで、ストレスが解消できる。打ちひしがれた心の解放が目的なので、便器内の顔は、1年程度で消えるようにできている。被害者である元信者用として発売されたが、カルト教団の極悪非道な活動が表面化するにしたがって、一般の人々の購入も増えている。教団に対する怒りの気持ちを解消する目的で使用しているらしい。大便や小便をしたときに、「許してください。もうしませーん」と泣いて謝る教祖の声の再生機能が付いた高級版もあり、こちらの人気も高い。

●遅刻言い訳用時計

隠しボタンを押すことで、表示している時刻が何時間か遅れる時計。1回押すと1時間遅れ、必要な時間分だけ押して使う。遅刻を責められたときに、何気なく時計を見ながら「あれぇ、時計が遅れてたんだ。まいったなぁ。こりゃあ、しょうがないや」と言い訳する。他のボタンを押すと正確な時刻に戻るので、安心して何回でも遅刻できる。ただし、同じ人に何度も使うと、バレるから要注意。時間を守れない人の必需品。どんどん遅刻して、もっとラクに生きよう。

●ヘッドギアホ

カルト教団の信者が、洗脳されて頭に付ける特殊な装置。これを付けている人は、完全に洗脳された状態なので、まともな返答は期待できない。一般の人からは、完全なアホ状態のようにに見えるため、この名前で呼ばれている。最近では、普通の人が入手した例も見つかった。会社で大きな失敗をしたとき、これを頭に付けて出社することで、正常な精神状態でなかったから失敗したのだと、周りの人にアピールする目的で使ったのだという。大きな失敗を何度も繰り返す人には、必須のアイテムといえるだろう。ただし、誰にも相手にされなくなるという副作用が伴う。

●強烈ウンコの芳香剤

腹の具合が悪かったり二日酔いのときは、どうしてもウンコの臭いが強烈になる。家族と一緒に住んでいると、みんなに非難されがちだ。そんな心配を一気に解決するのが、この芳香剤。二日酔いや下痢など、13種類の強烈なウンコを混合した臭いが、約1年間も出つづける。この臭いのおかげで、どんなに臭いウンコを排出しても、まったく気にならない。ひんぱんに臭いウンコをする人にとって、明るい未来が大きく開ける必需品。オシッコやトイレ掃除のときはもちろんだが、そうでないときも家全体が“死ぬほど臭く”なるので、家族の理解を得るのは難しい。最後は説得あるのみ。

●ヘビメトロカード

地下鉄用のプリペイドカードで、ヘビメタの衣装を着ていると半額で購入できるのが特典。カードを使用するときも、当然ながら、ヘビメタの衣装でないといけない。サリン事件など暗い話題が多かったので、イメージ向上を目指したキャンペーン「地下鉄内ではギラギラしようぜ」が始まった。このカードも、そのキャンペーンの一貫。従業員の衣装もヘビメタ風に変わり、車内放送も「今日も地下鉄にノリノリだぜい」と明るくなった。最近では、ヘビメタ以外の服装で地下鉄に乗ると、完全に浮いてしまう。このキャンペーンのおかげで、ヘビメタ衣装で出勤するサラリーマンが増え、街じゅうがヘビメタだらけになった。中には「いやあ、人生観が変わって楽しくなりましたよ。本当に感謝してます」という人まで現れた。今度は「めざせ一億総ヘビメタ」の新キャンペーンが始まり、一段とノリがよくなるらしい。しかし、評論家の評判はイマイチで、「サリン事件の後遺症」ではないかと言われている。ともあれ、地下鉄に半額で乗れるメリットは大きい。

●盗聴促進電話

盗聴防止電話と逆の発想で生まれた電話機。自分たちの会話を積極的に盗聴してもらいたい人が購入対象。会話した内容をテープに自動記録し、電話機を使っていないときに電波に乗せて発信する。盗聴される側では、自分たちのことを「盗聴者向けの放送局」と呼び、喜んで電波を飛ばしている。盗聴者のほうでは、「明るい盗聴ファン」というミニコミ誌まで作って、各放送局ごとの内容を分類&整理し、情報の共有化を進めている。孤独な盗聴者には、大いに喜ばれている製品だ。メーカーの宣伝文句も「これからは情報発信の時代。もっとも手軽な方法がコレ。さっそく購入して、ビシバシと情報発信しよう。盗聴されるって、楽しいぞぉ」とユニークだが、かなり無理のある内容。当然、説得力はイマイチで、購入する人は一部のマニアに限られているようだ。


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