川村渇真の「知性の泉」

見捨てられた迷言&ことわざ


あまり知られていない言葉にも、それなりの魅力を持ったものがある。ここでは、世間からは見捨てられているが、ちょっと気になる言葉を集めてみた。在り来たりの表現に飽きている人こそ、この中の言葉を活用して、ひと味違う会話を楽しもう。これでアナタも人気者!


●居酒屋の中のカワズ

意味:居酒屋のような非公式な場所だと会社や上司の文句を言うが、本当の会議になると一言も発言できない人物のこと。会議で何も言えない分だけ、居酒屋では相当に威勢がいいのが最大の特徴だ。飲んでるときだけは「社長なんて全然分かっちゃいねえぜぇ」とか「オレにやらせりゃ完璧なのによぉ」とか自信たっぷりに意見を言うが、本番の会議では石のような存在に変わる。こんな感じなので、外から見ていると非常に情けない。知らないで信じると大変な目にあうので注意しよう。
使用例:先輩による上司への文句を居酒屋で聞いた新人が、次の日の会議で上司へ直談判したが、それを見てた当の先輩は知らんぷり。この状況を見た別な先輩が、「あーあ、アイツ(知らんぷりしてる先輩のこと)が居酒屋の中のカワズだってこと知らないで、真に受けちゃったなぁ。これじゃあ、真面目な新人が可哀想だ〜」と嘆く。

●酒は天下が回るもの

意味:自分だけは違うとか特別だとか信じている人に、みんなと同じだと教える言葉。「オレは酔っぱらわないから大丈夫」と言って車を運転し、結局は事故を起こした人に対し、「酒は天下が回るものだってこと、ようやく分かったようだな」と言ったのが始まり。本当の自分を理解していない世間知らずが相手のときに用いる。
使用例:「オレのパンチは世界一だ」と信じ切っている素人ボクサーが、経験1年程度の練習生にあっさり負けたのを見て、「酒は天下が回るものってことを思い知っただろう」と年輩ボクサーが説教する。

●秋田杉たるはなお及ばざるが如し

意味:有名な名前を信じて購入したら、良いどころか極度の欠陥品をつかまされ、一生の苦しみを背負うこと。名木として有名な秋田杉を使い、秋田県知事も推奨した「秋田杉の家」を買ったが、相当にひどい欠陥住宅だった事件がもとになっている。販売元の第3セクター企業は倒産し、秋田県も世間体を少し良くするためだけの対処しかしなかったので、被害者から訴えられてしまった。欠陥住宅を買った人は、命の危険におびえながらも他に行くところがないので住み続けているという悲惨さだ。テレビのインタビューでは、「こんな欠陥住宅を売っておき、知らんぷりなんてひどすぎる」と泣きながら訴えていたし、「秋田県なんかなくなればいいのに」と言う人まで出る始末。この事件以降、秋田杉といえば“欠陥住宅のもと”と見られ、良心的な業者は使うのを控えている。軽い気持ちで「秋田杉を使いましょうか」と言おうものなら、お客に「欠陥住宅を建築するつもりか」と怒られるほどで、秋田杉の生産者も困り果てている。役所のお墨付なんか信じるからいけないのに、それを知らない人が多すぎる点こそ根本的な問題かも。
使用例:有名メーカーの高級品を買ったものの粗悪品だと分かった知人に向かい、「秋田杉たるはなお及ばざるが如しで、ブランドばかり信じると損するぞ」と助言する。

●災い転じて悪と成す

意味:災難にあったせいで悪の道に走ること。大地震の際に他人の家に泥棒に入るとか、リストラされたので通りがかりの人を殴るとか、自分の家が火事になったので他人の家に放火するとか、セコイ行為も含まれる。
使用例:大震災にあったとき、親が息子に向かって「こんなときこそ助け合うのが大切なんだ。災い転じて悪と成すなよ」と悪い行為をしないように教える。

●秘書が勝手にやったこと

意味:自分でやったのが見え見えの状況で、責任を他人になすりつけるための表現。誰が何と言おうが、証拠が十分に揃ってようが、やったことを絶対に認めない。誰ひとり信じてなくても、とにかくシラを切り通す。当然、普通の神経では言えるはずがなく、ツラの皮が相当に厚い人しか使えない。日本の政治家の得意技であり、一般の人が使うのはまず無理。
使用例:マンションの一室へ下着泥棒に入った男性が、現行犯で見付かったにも関わらず、「下着泥棒なんて、私がやるはずないじゃないか。秘書が勝手にやったことだ」と、頭にブラジャーを付けた姿で力説する。

●股すり合うも多生の縁

意味:見ず知らずの人に対し、前世で付き合っていたなどと言って体を求めること。強引な誘い方で相当に無理があり、その場で嫌われる場合がほとんど。口八丁で何とでもなると思っている人がやりたがる。
使用例:一目惚れした初対面の相手に向かって「僕らは前世で夫婦だった。股すり合うも多生の縁。さあ、ホテルへ行こう」としつこく誘い、ビンタを食らってしまう。

●正直者は減反を見る

意味:政治家や役人を信じて、言うとおりに行動したものの、徹底的に利用され続け、最終的にはボロボロ状態になること。会社を信じて献身的に働き、用済みになったら首を切られる場合も含まれる。利用している側は、表には出さないものの、自分の利益のために利用してるとハッキリ分かってやっている。深く疑われないように、アメ玉をときどき出すのが常套手段。利用される側には、性格が真面目で他人を信じたがる人が多い。相手の言うことを簡単には信じず、相手の発言や行動から本当の意図を見極めれば、何年も続けて利用されることはないのだが..。
使用例:会社ぐるみの不正を必死で隠すヒラ社員に向かって、「正直者は減反を見るってこと知らないの〜。今はいいけど、一段落したら真っ先に切られるのに〜」と教える。

●印籠なくした水戸黄門

意味:頼っていたモノや肩書きを失って、“本来の”情けない状態に戻ること。代表的なのは、大企業の名刺だけで商売してきた人が、退職後は誰からも相手にされないケース。本人だけが気付いておらず、たいていは周囲の人々がイライラする。
使用例:大企業を定年退職した人が偉そうにしているのを見て、「あーあ、やだね〜ぇ。印籠なくした水戸黄門だってことを、そろそろ気付いてもらわないとなぁ」と言う。

●人の道にハマる

意味:悪人が改心して良い道に進むこと。最初から意図して改心するのではなく、何かの出来事がきっかけで心を入れ替える場合だけを指す。見ず知らずの人から親切にされるとか、本人にとって予想外の対応がきっかけになりやすい。
使用例:否認し続けた殺人犯が、突然と自供を始めたのを見て、「どうして急に。人の道にでもはまったのだろうか」と不思議がる。

●臭いものにフンをする

意味:ヤバイものに手を加え、もっとヤバクすること。最初から意図してではなく、臭いものにフタをしようとの試みが失敗して起こる。結果はとても悲惨で、前よりも目立つ状態におちいる。一番多いのは、犯罪や浮気などの証拠を消そうとし、もっと目立つように変えてしまうケース。
使用例:アリバイ工作のバレた容疑者が、あせって出した言い訳で、さらに墓穴を掘ったのを見て、「どうやら臭いものにフンをしてしまったようだな。そろそろ観念しなさい」と詰める。

●転ばしてもタダでは起こさぬ

意味:悲惨な状況へワザと追い込んだ張本人が、救ってやると言いつつお金をむしり取ること。シロアリ駆除業者なら、自分でシロアリをまいておき、シロアリ駆除が必要だと言って金を儲けるとか。ペンキ屋なら、自分で壁に落書きをして、ペンキを塗ってきれいにしたほうがよいと勧めるなどの例がある。こんな風にセコい奴が得意な行為。
使用例:セコい商売が増えたと聞いて「世の中が不景気になると、転ばしてもタダでは起こさぬヤツが増えるなぁ」と嘆く。

●アリ天国にハマる

意味:あまりにも居心地の良い状況になり、どうしても抜け出れないこと。お金を出してくれる人や、尽くしてくれる人や、何でも誉めてくれる人などに巡り会って実現する。一般的には、物質的なものよりも精神的な心地よさのほうが、抜け出しにくい。
使用例:気前のよいスポンサーを見付けた友人に向かって、「今はアリ天国にハマっていいけど、永遠に続くわけじゃないから、将来の準備をしたほうがいいぞ」と忠告する。

●震災キズに区画整理を擦り込む

意味:大きな災難で相当困っている人に、つけ込んでひどい仕打ちをすること。その仕打ちとは、以前からやりたいと思っていたものの、機会がなくてなかなかできなかったことの場合がほとんど。相手が災難にあったのを見て、「これはチャンスだ」と喜んで実行する。たいていは汚い手口を用い、相手には内緒で企画を進め、突然と発表して驚かせる。もちろん、相手の意見などは無視して、まったく聞かない。とても人間とは思えない行為で、世の中でも最高に悪賢いことの1つ。やられた人の多くは、精神的に大きなショックを受けて、そう簡単には立ち直れない。
使用例:「なにーっ。会社の不正を正したためにクビになったばかりか、会社から濡れ衣を着せられ、訴えられたって〜。震災キズに区画整理を擦り込むような会社だなぁ。よーし、こっちには証拠があるから、訴え返してやれー」と助言する。

●勝手知ったる他人の財布

意味:自分から誘っておいて、最後には全額を相手に払わせること。行く前には、割り勘だと思わせるようなこと言うが、支払う段階では上手にヨイショして相手に払わせる。ひどい場合には、相手の財布を勝手に持ち出し、支払いを済ませる。ついでに、自分用のお土産まで買ったりする。飲み会で使われることが多いが、それ以外の行為で用いることもある。
使用例:飲みに誘われた人が「やだよー。お前は、誰に対してでも、勝手知ったる他人の財布と思っている奴だから、絶対に行かない」と断る。

●付け入るスケベがない

意味:どんなに過激に誘惑しても、まったく乗らないこと。当然、体のどこを触られても、何の反応も見せないし、喋り方もヘラヘラしていない。また、強い信念を持ってないと、なかなか実行できないので、意志が強いことを表す意味も含む。
使用例:誘惑しようとする人に対して「あっ、アイツはダメ。付け入るスケベがないことで有名だから。誘惑しても無駄」と教える。

●信じる者は足をすくわれる

意味:カルト教団にだまされ、全財産を奪われたあげく、人生をボロボロにされること。実際にだまされた人の発言から来ている。最初のきっかけは「信じる者は救われる」との甘い言葉だった。ところが入信すると、全財産をむしり取られるわ、ゴキブリと一緒に住まわされるわ、熱いお湯に入れられるわ、小便を飲まされるわ、散々な日々が続いた。苦しいまま何年か経過した後、弁護士に助けてもらうことで何とか脱出できた。そのときにもらしたのが「信じる者は救われると言われたけど、すくわれたのは心でなく足だった。すくわれ違いは恐ろしい」との発言。それを縮めて、この言葉が生まれた。カルト教団にだまされないための標語として、最近は知る人が増えている。「誰々の言うことは絶対に正しい」などと暗黙的に信じず、本当に正しく行動しているかを観察する気持ちさえあれば、そう簡単にはだまされないのだが..。
使用例:優しい言葉で入信を誘われた友人に対して、「お前は純真すぎるから、だまされやすいんだ。信じる者ほど足をすくわれるんだぞ。やめとけ、やめとけ」と注意を促す。

●離婚を前提に付き合う

意味:最初から慰謝料目当てで付き合うこと。金持ちの相手を選び、とりあえず結婚までたどり着く。その後に相手の問題点を見付け、離婚訴訟を起こして慰謝料をたっぷりともらう。これで目的は達成だ。最初から離婚を考えているので、このように表現する。当然、愛情はまったくないし、子供も作らない。狙われやすいのは、男女の区別に関係なく、お金持ちでもモテない人。
使用例:嫌いだと言ってた金持ちの相手と急に付き合いだした人に「あんなに嫌がってたのに、最近はミョーに仲がいいじゃない。もしかして、離婚を前提に付き合ってるの?」と尋ねる。

●能ある鷹は亀を隠す

意味:政治家などを目指す男性が、女性問題で失敗しないように心掛けること。これからの時代、男性の場合は、女性スキャンダルが致命的になりかねない。そうならないように、気を付けるための標語。日本では気にするほどのことでもない、との説もあるが..。
使用例:政治家を目指す遊び人の若者が、先輩の政治家から言われる。「君の亀は非常に元気で、幅広く遊んでいるそうじゃないか。そんなことじゃ、将来大変だぞ。能ある鷹は亀を隠さないとな」と。

●ウソつきは動燃の始まり

意味:大ウソつきになりたければ、動燃で修行しろということ。今や動燃は、「大ウソつきの殿堂」として確固たる地位を築いた。その評判を聞きつけ、大ウソつきを目指す多くの若者が、入団を申し込んでいる。ただし、採用通知が来ても安心してはいけない。その通知もウソの可能性があるからだ。そんな関門をくぐったウソ猛者だけが採用され、現在までの動燃の評判を支えている。
使用例:ウソつきの大御所が、後継者を目指す若者に向かって説教する。「そんなセコいウソじゃ、大物になれねえぜ。ウソつきは動燃の始まりって言うじゃねーか。オレと同じように、動燃で修行してきな!」と。

●千人寄ってもモンジュの浅知恵

意味:世界中の専門家が困難だと判断したのに強行して、結局は失敗すること。当事者は事実を隠し、失敗していないと言い張ることが多い。高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故をきっかけに生まれた言葉。
使用例:販売を強行した新製品が売れずに、担当者は「売れなかったのではありません。売らなかっただけです」と白々しくも強気の発言。周りの人は「千人寄ってもモンジュの浅知恵だから、何を言っても無駄、無駄」と相手にしない。

●警察のでっち上げです

意味:自分の犯した悪事がバレバレ状態のときに、本当ではないと表明する言葉。白々しいときにこそ威力を発揮する。言われた相手は、かなり頭に来る。
使用例:教室に遅刻して入ってきた学生に向かって、教師が「遅刻した理由は何だ」と質問する。その学生は「遅刻なんて、警察のでっち上げです。ボクはそんなことをする人ではありません。絶対に信じています」と答える。教師はあきれて何も言えない。

●金持ちのウンコ自慢

意味:金持ちであること以外に何の取り柄もない人が、金持ちであることを自慢する様子。金の力で思い通りに物事を進めることに対しても用いる。普段食べている物が違うから、ウンコの質もよいと自慢したことから来ている。金持ちで性格の悪い相手に対して用いる。
使用例:金をばらまいて投票者を買収し、当選した人に対して「あーあ、金持ちのウンコ自慢にやられたよ。世も末だね」と、あきれる。

●釣った信者にエサはやらない

意味:修行と称して悲惨な生活をさせ、思うがままにコキ使うこと。マインドコントロールのため、どんな悪事を命令しても平気で実行する。また、通常なら嫌がることでも喜んで行う。たとえば、邪心を払うためにはウンコを食べるのが一番と言えば、先を争ってウンコを食べる。
使用例:カルト教団の教祖と幹部の典型的な会話。幹部が「もう少しましな場所に住ませてはいかがでしょうか」と尋ねると、教祖は「やめとけ。釣った信者にエサをやるぐらいなら、我々で美味しいメロンでも食べよう」と答える。

●昔チャンプで今チンプ

意味:昔は凄かったけど、今はうだつが上がらない状態のこと。スポーツの世界でチャンピオンになったけれど、現役を引退したあとで失敗ばかりしている人の例が、もとになっている。たとえば、子供の頃に天童と言われて有名だったが、大人になると人並み以下になった人のこと。略して「昔チャンプ」とも言うこともある。
使用例:「あの課長、昔チャンプなんだって。今は、窓際で一日中鼻クソをほじくって鼻血を出しているけど」と。

●昔チンコで今マン○

注意:最後の部分は「まんまる」ではなく、○の部分に適切な文字を入れること。
意味:性転換手術を受けて、男性から女性へ生まれ変わった人のことを指す。略して「昔チンコ」とだけ言うこともある。
使用例:オカマの美人を指して「えーっ、あの美人って、昔チンコなのぉ。見えないなぁ」と。

●金降って地盤固まる

意味:政治関係のことわざで、選挙に金をかけると、強固な地盤を構築できるということ。日本のような政治的後進国で通用する言葉。もっと露骨に「金降って当選固まる」と言う人もいる。
使用例:クリーンな選挙活動をしている立候補者に対して「まだまだ青いな。金降って地盤固まるってこと知らねえんなんて」とバカにする古参の政治屋。

●サリン袋の緒が切れた

意味:自分の悪い点を指摘されて腹を立て、相手構わず攻撃すること。関係ない人まで巻き込み、瀕死の重傷を負わせることが多い。自分が偉いと思っているアホが、このような行動を起こす。
使用例:アホな社長にむかって正当な意見を言った人に、「あーあ、あのアホ社長を怒らせちゃって。サリン袋の緒が切れて、大変なことになるぞ」と。

●やせてもデブ

意味:性質などが極端に凄く、相当のことをしても変化しないこと。ちょっとやそっとやせたとしても、デブに変わりないことから来ている。それよりも凄いときは「断食してもデブ」、さらに凄いときは「胃腸を切除してもデブ」と表現する。
使用例:「あんないい子をヤツに紹介したのか。アイツは、やせてもデブなほど女癖が悪いんだぜ」とか、「アイツの女癖の悪さは、断食してもデブだよな」とか。

●どんなにケツの穴を広げても、何ひとつ出ない

意味:これっぽっちもウソを言ってないこと。ケツの穴を広げると、たいていは臭いもの(=やばいもの)が出てくることや、ケツの穴はウソを付けないことから来ている。
使用例:信じてもらえないことに腹を立て「そう思うんだったら、徹底的に調べてみろよ。どんなにケツの穴を広げても、何ひとつ出ないからな」と怒る。

●さあ、瞑想するぞ

意味:話題や状況が自分に都合の悪くなったとき、逃れるために使う言葉。訳の分からない言葉を連続的に発し、相手を完全に無視することで、追求などから逃げる。相手があきれるか、あきらめるまでゴミ言葉を喋り続ける。どんなに白々しくても動じない人のみが、使いこなせる言葉。
使用例:課長が「おい、松本君。また、お客から苦情がきてるぞ。何とかしろよ」と言うと、松本は「さあ、瞑想するぞ。瞑想だあ。げぼえほどえもえ、ごでろげへごほぎ、どでびけもへぬめ..」と無視する。課長は「あーあ。また、始まったよ。アホの瞑想が..」とあきれる。

●開いたケツの穴がふさがらない

意味:相手の発言や行動に対して、極度にあきれた様子を表現する言葉。通常は「開いた口がふさがらない」と表現するが、それよりも大きくあきれたときに使用する。あまりにもアホらしいので、体中の力が抜けて、口だけでなくケツの穴も開いてしまうことから来ている。
使用例:遅刻した部下の言い訳を聞いて「なにーっ。隣に座った美人の足に見とれてて、電車を乗り越し、遅刻しただってー。何考えてんだ。このーっ。お前のやることにはなー、開いたケツの穴がふさがらないよ」と。

●昨日の教祖、今日は刑務所

意味:今まで絶対的に信じていた人が、自分をだましていたと気が付いたこと。自分の上司や先輩や先生など、精神的に上位に位置する人に対して使う。
使用例:自分の上司が黙って退社したと聞いて、「えっ、鈴木部長がライバル会社に移ったってえ。一緒に定年まで頑張ろうと、オレに言ったのに。これじゃあ、昨日の教祖、今日は刑務所じゃないかあ」と。

●下半身先行型

意味:性欲を抑えられない人のこと。考える前に体が動いてしまい、自分ではどうしても止められない体質。
使用例:一緒に合コンに行った仲間のことで「おいおい。いくら一目惚れしたからといって、見ず知らずの女性に、いきなり抱きついてチンコ見せるかあ。だから、いやなんだよ。下半身先行型のヤツと一緒に行くのは」と嘆く。

●小便まくは一時の恥、サリンまくは一生の恥

意味:小さな悪事をしているうちは、まだ後戻りできるが、悪事に慣れて大きな犯罪を犯すと、一生をダメにするぞ、と忠告する言葉。小便をまいたぐらいなら、少し謝れば済むが、サリンをまいて人を殺すと、悪人として一生嫌われることから来ている。まだ軽い罪を犯しただけの人に対し、まともな生活に早く戻りなさいと、願いを込めながら用いる。
使用例:人をケガさせた青年に向かって「小便まくは一時の恥、サリンまくは一生の恥っていうじゃないか。まだ間に合う。これからまじめに生きよう」と説得する。

●金の流れに身をまかせ

意味:バブル時代に踊った人たちの行動を指す。すべての基準が金儲けで、それだけで自分の行動を決める。また、「儲かる」という言葉に極端に弱く、金儲けためなら少々の悪いことでも平気で行う。
使用例:何事でもお金が中心という知り合いを指して「あいつは、金の流れに身をまかせるタイプだからなぁ」とイヤな顔して言う。

●そこまで言うのなら、オレのチンポコしゃぶってみろ

意味:相手の言っていることが信じられないとき、本当かどうか問いただす言葉。白々しく否定したり、明らかにウソをついている人に対して用いる。表現している内容から分かるように、男性しか使えない。なお、その行為が好きな人に対して用いると、本当に実行することもあるので要注意。
使用例:サリン製造の確たる証拠を突きつけた相手が、白々しく否定したときに、「ふざけるな。これだけ証拠があるのに、サリンを作ってないだって。よーし、そこまで言うんだったらな、オレのチンポコしゃぶってみろ」と。

●そうは子供がおろせぬ

意味:相手の思い通りにはさせないこと。自分の都合だけで決めては困ると、文句を言うときに用いる。子供をおろすときは、一緒に作った相手の了解も得なければならないことから来ている。文句を言うほうもムチャクチャナな場合が多い。
使用例:麻雀で勝っている人が、そろそろ終わろうと言い出したとき、その人に向かって「おいおい、勝ち逃げしようってのか。そうは子供がおろせねえぜ。やめたいんならなぁ、勝った分を置いていきな」とイチャモンをつける。

●いい日、朝立ち

意味:朝から元気がよくて、ヤル気満々の状態。普段元気でない男性だけが使える言葉。年をとるとムスコも元気でなくなるが、まれに元気な朝が迎えられる状況を表現したもの。この言葉からヒントを得た歌謡曲が、以前にヒットしたという。
使用例:朝起きたときに布団でテントを張っているのが確認でき、「今日は久々のいい日朝立ちだ。よーし、頑張るぞー」と腰に力を入れる。

●クソも休み休みしろ

意味:何かと理由を付けて面倒なことから逃げる人に、くだらないことを言ってないで、きちんとしろと怒る言葉。どーでもいいことや関係のないことを並べ立て、とくかく逃げようとする人に対して用いる。仕事を頼もうとするたびに、「その前にウンコ」とトイレへ行ったまま何時間も出てこず、仕事から逃げまった事例から来ている。
使用例:かなり怒った様子で、「ったく、どーでもいいことをぐだぐだぐだぐだと言いやがって。クソも休み休みしろってんだ」と。

●仏の顔もサリンまで

意味:表向きは善人のように振る舞っていて、裏では極悪非道の限りをつくしている人が、ひとつの事件をきっかけに裏の顔がバレること。表の顔と裏の顔が極端に異なる人物に対して用いる。
使用例:近所で評判の良かった人が、連続放火の犯人だったと判明して「えっ、あんないい人が放火魔だってぇ。そんなぁ、ウソだろう。えっ、ホントなの。それじゃあアイツ、今までオレ達をだましてたんだ。仏の顔もサリンまでって、本当にあるんだなあ。今度会ったら、タダじゃおかねえぞ」と怒る。


下の飾り