走り方は?

 オンロード車の場合、舗装路中心で走ることになると思うのですが、注意点としては、例えば、知床・ウトロからカムイワッカ湯の滝(天然の巨大露天風呂)まで入り込むとしたら、往復20km以上、ダートを走ることになります(でもキタキツネとかに会える可能性は100%近い)。そうでなくても、行程中1度はダートを走る羽目になると思いますから、覚悟しておいた方がいいですよ。

 サスペンションにガタが来たり、チェーンが緩んだり、オイルの減りが激しかったりとか、いろいろダート特有の現象があったりするので、ダートを走った後は愛車を慰めてあげましょうねぃ。ただし、ダートにも踏み締まった路面、小さい砂利が浮いている路面、大きめのとがった砂利の路面、砂地、轍の深い路面などいろいろ種類があり、オンロードであっても、一概に走りにくいとは言えません。道北サロベツの道道909号(現106号?)は、今は舗装されていますが、未舗装当時は「時速100kmで走れるダート」と言われたぐらいですから。(個人的には林道などのダートよりも、舗装工事の最中で砂利をばらまいた路面の方が苦手です)(^^;)=写真:こういうダートは走りやすい=

 また、前述しましたが、北海道は信号が少ない&車も少ない&道路状態が良いため、距離感覚、時間感覚が内地と驚くほど異なります。例えば、工事用の道路標識は「1000m先工事中」というように、1km手前から表示されますが、それでも見落とすと恐い思いをしかねません。また、速度制限標識、はみ出し追い越し禁止標識も、内地とは違って「横断歩道やきついカーブがあってスピードを出しては危険なところ」「カーブや峠道で対向車線にはみ出したら危ないところ」に立てられているように思います。よって、道路標識は見落とさないようにしましょう。

 さらに行く先案内板を見落とすと、数十kmも走ってから道を間違ったことに気付き、後戻りすることもよくあります。信号が少ない分、立ち止まって地図を確認する機会も少な目になりがちですので、不安を抱いた時は必ず道ばたにバイクを止めてから、ツーリングマップで自分の居場所を確認しましょう。内地とは違って、国道や道道の道路番号標識はかなり整備されてきているので、道路番号を頭に入れて走るのもポイントでしょう。

 北海道に上陸してまずやること! 黄色い看板の「ホクレン」(北海道の農協連合会)のガソリンスタンドに入りましょう。これを知らないと北海道は走れない!?(ガス欠でエンコしてしまう)というか、ホントに救われることばっかですよ(^^;) ホクレンは地域別で3色の旗を配布しているほか、スタンプラリー(ライダー向けの簡単な地図付き)も行ってます。また、最近はドライブインの「道の駅」が一気に増えましたから、観光スポットの少ないところでは、「ホクレン」「道の駅」を休憩ポイントにすると良いでしょう。私の場合、これにJR北海道の本物の駅が加わりますが。(^^;)=写真:ホクレンでライダーがもらえる旗!=

 次にやることは、観光地でも昼飯の時でも休憩時でも宿に入ったときでも、いろんな人と話しましょう。現地での情報交換が一番確実です。私もそうやって毎年、新しいスポットを発見したりしてます。みんな気軽に答えてくれるはずですよー!「どっから来たの?」「いつ上陸したの?」は北海道ツーリングのFAQとも言えますが(^^;)

宿泊は?

 ライダーハウスはお盆の時期を外せば、泊まれないことはないと思います。ただ、場所によっては独特の雰囲気があるらしいので、それなりに一喜一憂できるのではないでしょうか。また、キャンプ場も数多くありますが、最近は車で家族連れで訪れてテントを張る「にわかキャンパー」が増えてきており、以前とは雰囲気が変わってきているようです。男女別相部屋方式の旅人宿(民宿?)である「とほ」宿を活用するのも、安く上げるコツです。とほ宿では、宿ごとに独自のツアーやイベントも組まれているところが多く、ただ走るだけでなくて、一風変わった北海道を楽しむこともできます。(ユースホステルも同じ)

 これらはすべて、当日午前中ぐらいまでに予約(とほ宿)すれば泊まれるところが多いので、風まかせ天気まかせのライダーには強い見方です。道内では、どこも1泊4000〜6000円前後で泊まれます(高級ホテル、高級旅館、高級ペンションの一部を除く)。キャンパーも週に1度ぐらいは宿に泊まり、満腹に飯を食い、たまった洗濯をこなし、ベッドで十分な睡眠を取れば、疲れも取れるでしょう。(最近の傾向として、雨が降ってもくじけずテントを張る「意志強固型」と、最初からテントを持たず屋根付きの宿に泊まる「身軽型」の両極に分かれてきているようです)=写真:私はとほ宿主体のため10日間前後のツーリングでも荷物は身軽=

意外に重要な天気情報!

 北海道ツーリングでは、天候の変化が激しい自然の中、長い距離を走ることになります。よって、事前の準備段階だけでなく、現地でも天気情報は意外に重要です。

 特に、台風や集中豪雨(ほかに地震も)に見舞われた時は、大雨洪水警報や注意報などがどこに発令されている(されそう)のか確認しておいた方が良いでしょう。ちょっとした雨で閉鎖される道路や、土砂崩れで通行止めになる国道、道道も幾つかあります。さらに、帰りのフェリーが欠航(幸いまだ経験なし)になりそうな時もあるでしょうから、こうした情報を確認しておかないと、現地で行き詰まり、行程が大幅に破たんしてしまうこともあり得るでしょう。

 前述の通り、TVの「全国の天気予報」では、札幌、旭川、釧路、函館ぐらいの天気しか分からず、道南の日本海側や道東の山間部、道北を走っている時はあまり参考になりません。一方で、ローカルニュースの「○○地方の天気予報」では相当細かい予報が出ますので、強い見方です。1日1回は新聞やTV、ラジオの天気予報を確認して、今後の行動を決める材料にすると良いでしょう。

 また、ツーリング中は新聞やTVなどを目にする機会も全くなくなってしまうかもしれませんが、電話さえあれば「177」番が便利です。ただ難点は、「渡島」「胆振」「後志」など、支庁名で予報が出ることで、こればっかは慣れて覚えるしかありません。(初めて見ると読むのも大変でしょう?)

  一方、走行中は、山一つ越えれば天気が急変しかねない道内・・・。現地で自分の目で見て、耳で聞いて判断することが一番肝心となります。カッパを着るべきか、脱ぐべきか、判断に困ることも多いですが、「対向車ライダーがカッパを着ているかどうか」とか、対向車ライダーとの情報交換が重宝します。これから先、雨が降っているかどうか、通行止めの区間があるかどうかなどを確認する時は、休憩スポットなどで声を掛けてみると良いでしょう。=写真:トンネルを抜けると、そこは雲の中ってことも(^^;)=

日景 聡/hikage@st.rim.or.jp