上陸手段は?(首都圏発着の場合)

 北海道に上陸する手段は、フェリー、JR(上野駅発「MOTOトレイン」、大阪駅発「モトとレール」)、飛行機、陸走の4つが考えられます。予約受付開始はフェリーが2カ月前(のことが多い)、飛行機は数カ月前ですが、バイクごと北海道入りできる寝台列車「MOTOトレイン」は、6月のある一日に全期間分の受け付けを開始しますので、詳しくはJRに確認してみましょう。(東京駅丸の内口地下にある「JR北海道プラザ」は細かい質問とかにも答えてくれる上、北海道関連のパンフレットなどが豊富にあって便利です)MOTOトレインは99年から走らなくなってしまいました。フェリーは東京〜苫小牧間が98年限り、東京〜釧路間も99年限りです。大洗、仙台、新潟などからフェリーを利用するか、空路、陸路を選ぶしかありません。=写真:MOTOトレインはバイクを押しながらホームを歩きます=

 北海道行きが8月8〜10日前後、帰りが8月15〜18日前後だと、フェリーも列車も予約開始後、すぐに満席になると思われます。なるべく早く押さえた方が、その後の準備も進めやすいでしょう。混雑期のフェリーに乗りたい場合、予約開始日は、電話がかかりにくくなります。あまりやってはいけないのかもしれませんが、内地(本州側)の受付番号ではなく道内の受付電話にかけると、予約が取れることもあります(内地の番号にかけ直すよう怒られることもありますが)(^^;)。フェリーの傾向として、日本海航路の便は値段も安く、評判が良いようです。休航日もあるので、行程を決める前に早めに確認しましょう! ブルーハイウェイラインではホームページ上で空席状況を確認できますので、他社便を利用する場合でも混雑度の予想に役立ちます。

 もし、希望のフェリーが満席だったら・・・。やむを得ず、東北道を一路陸走という手もありますが、余程の混雑期でない限り、キャンセル待ちが有効です。実際問題、この7年間のツーリングで、苦労はしたものの希望の便に乗れなかったことは一度もありませんでした。出港前日までにキャンセル待ちで確保できなかった場合、あとは、出港当日にフェリーターミナルでキャンセル待ちを受け付けます。ただ、飛行機や新幹線と異なるところは、フェリーはでかいため、「当日のキャンセル待ち」で数十人規模で乗船できることが多いですから、時間に余裕のある人は、当日のキャンセル待ちに賭けてみる手もあるかもしれません(ただし乗船できなかったとしても当方は一切保証しかねますが)(^^;)。当日のキャンセル待ちで乗船すると、ドライバーズルーム(長距離トラック運転手向けの専用室)に入れられることが多いのですが、通常の客室よりも設備が良いことも多く、前日に駆け込みで2等カーペット室を予約した人より、当日、キャンセル待ちで2等寝台(ドライバーズルーム)で乗船した人の方が、おいしい思いをすることもあるようです。

 帰りの便は、例えば苫小牧〜東京間、釧路〜東京間のフェリーは、出発が昼ごろなので、宿を近辺に確保する必要がありそうです。効率が悪いかなぁと思う場合は、苫小牧〜大洗便などを選択すれば、効率的なスケジュールになるでしょう。釧路〜東京間のフェリーは96年秋から、釧路発(復路)の全便が十勝港(広尾)を経由、東京〜苫小牧間のフェリーは往復の全便が大洗港に寄港します。以前と比べて、選択肢が増えてますので、乗船場所や出港時間、運航日を確認しながら計画を立てると良いでしょう。

 予約の際に注意する点は、必ず「大人○人、バイク○○○ccが○台」と告げることです。混雑時は、人間が満員の場合とバイクが満員の場合とがあり、なかなかうまく予約できないこともあります(東京航路の場合は人間の方が先に満員になるような気がする)(^^;)。フェリー会社の一覧は「Rider's House みつばちの家」にある「長距離フェリー料金表」が便利です。=写真:希望の便が取れれば優雅な船旅があなたを待っています=

行程の立て方は?

 北海道はホントーーに広いです。函館〜釧路間がだいたい東京〜岡山の距離に相当するんだったかなぁ!?(^^;) ただし、北海道では距離の感覚、時間の感覚が内地(本州等)とは大幅に異なります・・・。例えば「○○まで60km」という場合。内地では時速60kmで走ったとしても信号待ちなどを考慮して、1時間半〜2時間かかる計算ですが、北海道では本当に60分で着いてしまいます(信号がないから)(^^;)。それと、恐ろしく道路状態が良い&車がホントに少ないので、内地の高速道路並みにスムーズに走れます。=写真:北海道そんなに急いでどこに行く・・・どこ行けばいいのぉ???=

 北海道を走るライダーは1日の走行距離をだいたい250〜350kmとみているようです。ただし、雨が終日降った場合、300km以上はきついかもしれない(最近の私は雨が降ると150〜200kmで宿に入ってしまいます)(^^;)。また、私のようなミーハーライダー!?は、珍しい景色、変わった観光地などがあると、ついつい長居してしまいますので、その分の時間も考慮すると250〜300kmか、それ以下とみておいた方がいいかもしれません。

 傾向として、初めての北海道ツーリングでは無我夢中で長距離を走りガチですが、2度、3度と北海道を走っているライダーは1日の走行距離が短くなるようです。(これはライダーの性格にもよります。走りが好きな人と道草が好きな人とか。400km当たり前って人も多いし)(^^;)

余裕を持った日程で

 さて、まず最初に「ここは絶対に行きたい」場所をあらかじめピックアップ。これらのポイントを結ぶ道路を選びながら、ツーリングマップで全体の走行距離を確認してみましょう。恐ろしく長距離になるはずです。それを前述の1日当たりの走行距離で割れば、だいたいの日程が見えてくると思います・・・。=地図:さすがに、いきなりここまで走ろうと思う人はいない・・・???=

 行程を決める際の注意点ですが、道東は見る場所、行きたい場所がきっと多いはずです。日程の余裕を見ておくと、現地で知り合った人から教えてもらった取って置きのスポットに寄り道する時間も取れるでしょう。また、岬、島に寄る場合は、それだけ日数が余計に必要となります。道東と言っても、納沙布岬に行くなら+1日。知床岬でゆっくりしたいなら+1日。宗谷岬に行きたいなら+1日 or 2日、利尻・礼文島に渡るならさらに+2〜3日といった感じです。=地図:7年間で走った全部の行程ですが、やはりライダーのメッカ(聖地)が多い道東、道北は要チェック=

 基本的に北海道ツーリングは、綿密な計画を立てたはずでも、行程半ばで悲惨なぐらいに日程が狂ってくるもんです。(残り2、3日で千何百kmも走らないといけない計算になったりする)(^^;) そうした場合に備えて、2週間程度のツーリングなら丸1日、3週間以上なら2日前後、まったく何もしない空白の日を用意しておくのも、一つの手です。だいたい行程の真ん中あたり(恐らく網走や宗谷岬あたり?)に、そうした日を設けてはどうでしょうか。精神的にもだいぶ楽になります。(北海道ツーリングは長い距離を、天候の変化が激しい自然の中を走りますから相当疲れます。“無理”“パワー”が要求されるような行程は絶対に組まない方がいいです)

 あと、これもライダーの性格によりますが、道内入りしてから、他のライダーの話を聞いているうち、どんどん行程が変わってしまう「付和雷同型」ライダーと、まるでストップウォッチを持っているかのように、きっかり時間通り、予定通りに着々と走る「独立独歩型」ライダーといるでしょう。付和雷同型は、もう少し主体性を持って自分の目的を見据えながら走った方が良いですし、独立独歩型は、周囲の人のアドバイスも取り入れて走った方が、結局は楽しいツーリングになると思います(^^;)。私は付和雷同型の傾向が強い上に、他のライダーに現地でいろいろ見所を教えて、相手の行程を崩そうとする悪いクセがあったりする(^^;)

日景 聡/hikage@st.rim.or.jp