96/08/19
宗谷半島を一周後、クッチャロ湖で夕陽!
(浜頓別〜宗谷岬〜クッチャロ湖〜浜頓別 = 215.3km)
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浜頓別の海側にあるベニヤ原生花園へ。夏の花はもう終わっていると思ったが、ハマナスやアザミなどがあちこちに咲き誇っていた。遊歩道を抜けて海岸へ(写真左)。穏やかな夏のオホーツクを眺めながらのんびりしていると、時のたつのも忘れてしまう。
小一時間ほど浜辺でゆっくり過ごした後、R238を北上。ここを走るのは2度目だが、前回は脇目も振らず一目散に走った。今回は浜頓別での連泊を決めたこともあり、のんびり走る。一昨年ごろまでは走り中心のツーリングだったが、今年は移動日をはさんで気に入ったところで連泊する“拠点主義”に変わった。
猿仏にあるインディギルカ号遭難記念碑のそばには、「帆立貝の化石」が据え置かれていた。何でも4tもあるとか。でかい貝殻が幾つも重なって化石になっている。なかなかの見モノだった。さらに、その隣には、海の幸に感謝する記念碑もあった。その昔、ニシンもホタテも無限にあると思われていたが、乱獲によって今はだいぶ少なくなってしまったとのこと。そこで養殖型の漁業に変わりつつあることなどが説明にあった。
猿仏から宗谷岬に向かう途中には帆立貝工場がたくさんある。帆立貝の貝殻は有毒?で産業廃棄物になってしまうらしい、というウワサも聞いたが、実際、貝殻の山を見ると、これが何千年もたてば貝塚になり、さらに何万年もすると化石になるのかと思わされる。
宗谷岬に到着。最先端にある記念碑では、ライダーや観光客らが記念撮影待ちで1列に並び、次の人にシャッターを押してもらう光景がいつも見られる。が、この日は比較的空いていた。記念碑の向こうに、うっすらとサハリンのようなものが見えたが、写真ではよく分からない。もしかしたら、あれは雲だったのだろうか!?
岬の丘の上には、83年に起きた大韓航空機撃墜事件の慰霊塔が建っている。翼部分は東西に分かれた世界を表し、くちばしは遠く撃墜現場の方角を向いている。事件があった毎年9月1日には、慰霊塔が日時計になり、周囲に配されたベンチの上を塔先端の影が重なるように作られているという。宗谷海峡は東西冷戦の最前線でもあった訳で、こうして緊張の解けた海峡を眺めていると、遠い昔のことのように思えてくる。
宗谷岬から稚内に向かう途中、利尻富士がくっきりと姿を見せた(写真左)。手前はノシャップ岬。この付近から稚内市街へ向かう国道は、ずっと利尻富士に向かって進む形になり、快適。ライダーやチャリダー(北海道を自転車で旅する人)も元気良くピースサインを出していた。
稚内では、名物「ドーム防波堤」の前で記念写真(写真下左)。しかし、でっかい! その後、旗をもらうために、ホクレンのガソリンスタンドを探し回り、だいぶ時間を費やしてしまった。結局、稚内の街中からR40を少し入ったところにあった。ホクレンが「SAFETY SUMMER HOKKAIDO」キャンペーンでライダーたちに配っている旗は今年も3色あり、道南が緑、道央・道北がオレンジ、道東が黄色となっている。このほか HONDA の HART 加盟店では、赤い旗ももらえるという。
ここ稚内のホクレンでもらったオレンジの旗には「日本最北端の街 稚内」の赤い文字が(写真下右のうち一番左の旗)。稚内まで来たなら、是非ホクレンのGSで旗をもらおう!! (ちなみに一番右の旗は近海郵船「ブルーゼファー」丸=東京〜釧路間=でもらえる旗。今年はついに近海郵船まで旗を作ったようだ。今回は道南をほとんど走らなかったため、ホクレンの緑色の旗は入手できなかった)
稚内からはR40を南下して豊富町へ。途中、サロベツ原生花園に寄るつもりだったが、稚内で時間を取ってしまったために、あきらめてそのまま道道84号へ。宗谷半島の真ん中を横断するコースで、対向車は無いに等しい。ライダーズマップには「路面状態が悪い」と書いたものもあるが、再舗装工事が始まっており、かなり走りやすくなっている。
道道84号は深い森の中で、同じ景色が延々と続き難儀したが、宿の飯の時刻に間に合わせようと必死に走り抜け、無事、浜頓別クッチャロ湖に到着。ちょうど夕陽が落ちる時刻で、シルエットのペケJを撮影(写真左)。デジタルカメラの利点か、直射日光を浴びても、なんとか撮影できた。
この日はクッチャロ湖に落ちる夕陽が、素晴らしかった。全道的に晴れていたらしく、サロマ湖や知床などでも奇麗な夕焼けが見えたらしいが、クッチャロ湖でこれほど奇麗な夕焼けが見られるのは、比較的珍しいとのこと。地元の人々もカメラ片手に湖畔に集まってきていた。この写真はデジタルカメラ「QV-10」で撮影したが、露出が明るめになってしまった(^^;)
こちらはアナログカメラで撮影。やはり夕焼けの写真などは、こちらのカメラの方が奇麗に撮れているかな!? 前夜に続き、この日も夜は宿でジンギスカンの食べ放題。厚切りのラム肉は滅多に食べられるもんでもなく、もうご満悦!!
宿泊客が少なかったこともあり、宿のオーナーさんやヘルパーさんと酒を酌み交わしつつ、あれこれじっくり話し込みながら夜が更けていった。
