96/08/16

夕張で雨に降られて足止め!

(苫小牧港〜夕張〜芦別 =  186.9km)

 05:30、苫小牧港着。陸に近付くにつれて雲行きが怪しくなってきた。まだ、台風の雨雲が残っているようだ。05:40、下船する(写真右)。ひんやりとした空気の中、フェリーターミナルをあとにし、R234、R274を通って夕張へ向かう。

 途中、寒さにこらえきれず、川端駅のトイレを借り、ジーパンを革パンツに履きかえる。さらに滝上公園に着いたあたりから雨足が強くなり、売店に入って雨が止むのを待つ。2時間ほどのんびり過ごした後、夕張石炭の歴史村へ。ほんの15分ほどだったが、ここでカッパを履かなかったことを後悔することになる。雨は本降りから土砂降りに変わり、歴史村に着くころには革パンツもグローブもビショビショに。

 予報では午後から晴れるとのことだったが、散発的な雨が続いた。革パンツが乾くまでと粘っていると、なんと歴史村に5時間もとどまることになってしまった。ここは夕張炭坑のあとに作られた公園で、炭坑の歴史や、坑内の仕組みなどを見学でき、なかなか勉強になった。が、今晩の宿を決めていない。この日はお盆の金曜日ということもあり、近辺の温泉旅館、民宿などはどこも満室。結局、芦別市街の民宿に泊まることにする。

 夕張からはR452沿いに走る。途中シューパロ湖、桂沢湖(写真右)とダム湖が続く。北海道も水不足なのか、湖底が見えている部分もある。17:50、芦別着。この日は早朝から走ったにもかかわらず、石炭の歴史村で相当の長居をしたためか、全然走行距離は伸びなかった。(今思えば、実はこれが今回のツーリングの伏線となっていた)(^^;)



96/08/17

ひまわり畑から日本最寒の地へ!

(芦別〜北竜町ひまわりの里〜母子里 =  201.3km)

 芦別を出て北を目指す。R38の混雑を避けるため、道道7号に入ったつもりが、何を間違ったかR38のバイパスを走っていることに気付く。どうせならと江部乙経由で北竜町へ。同町は、ひまわり畑で有名なところだが、この日はちょうど満開。「ひまわりの里」では、一面、真っ黄色の絨毯を敷き詰めたかのようだった。(写真右)



 北竜町のひまわりの里で、ひまわりの花にズームイン(写真右)。CASIOのデジタルカメラ「QV-10」では、こうした接写でも奇麗に撮れる。一方、「ひまわりの里」の隣にある「道の駅」の脇にある農道を登っていくと、一面に広がるソバ畑とひまわり畑が絶妙なコントラストを描き、奇麗なパッチワーク模様になっていた。下の写真で白い部分はソバの花。黄色い部分がひまわり。





 ひまわりの里の近くは観光客の四輪で満杯だったが、バイクは畑のすぐ近くまで近づける。駐車場のそばでは出店がたくせん出て、おみやげなどを売っていた。ひまわりの造花を\200で買う。バイクで来ていることを知った店のおばさんが、セロハンテープで花の根本を補強してくれた。おかげで、この花は東京に着くまで、ペケJの荷台を飾り続けることになる。



 北竜町からはR233で留萌へ。R232で小平町に抜けた後、道道1006号で小平蕊湖(おびらしべこ=写真)へ。北海道ツーリングも5年目となると、走ったことのある道、混雑する道を避けるようになるので、国道よりも道道を走りがちとなる。道道1006号も海岸沿いの田園地帯から山の中のダム湖に抜ける道で、ほどよいカーブが続く快適な道。対向車もないに等しい。

 「しべ」は正しくは「蕊」の下に「木」を書く。この湖には数年前にできたばかりの小平ダムがあり、ダムサイトを歩くこともできるし、ダムの上をバイクで走ることも可能。ダム湖には長大な「滝見大橋」が掛かっている。ビデオがあれば、格好良い走行シーンを撮影できたかもしれない。



 小平蕊湖からはR239霧立峠を通って添牛内へ。ここは深川〜名寄間を結ぶJR深名線の「添牛内駅」(写真上左)があったところで、93年に初めて来た時に、たまたま入り込んだ駅舎の前で、カッパを着ながら記念写真を撮ったところでもある。来年(丑年)の年賀状用に、面白い写真を撮ろうと再訪したが....

 国道から駅前の路地に入ったところで絶句! 深名線は昨年9月に廃止になり、駅舎もその後すぐに閉鎖されてしまったらしい。もはや駅なのか、農家の納屋なのかも分からない状況(写真上右)。線路側に回ってみると、錆びたレールを隠すかのように夏草が腰のあたりまで生い茂っていた。

 ホームには誰が残したのか「添牛内のノート」が。深名線の廃線跡をたどる旅を続けている人々も多いようで、添牛内の想い出がいっぱい綴られていた。今ではJRバスが国道を走り、本数も鉄道時代よりずっと増えたらしい。そもそも添牛内には民家がパラパラある程度で、列車が走っていたとしても、それほど利用客はなかったのだろうが、何となく感慨に浸ってしまう。駅前のベンチに寝転がり、ぼんやり3年前のツーリングを思い出したりして....

 北海道では、古き良き時代の名残もあれば、こうして変化が訪れて新しく生まれ変わる部分とに出会うことになる。気分を入れ替えて北上、この日は日本最寒の地と言われる幌加内町母子里に泊まることにする。

日景 聡/hikage@st.rim.or.jp
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