もっと! アンコール・ワット

BOOKS
「真臘風土記」周達観
13世紀、中国・元朝の使節団の一人としてカンボジアに渡った周達観による観察記。「カンボジア人は野蛮で色黒」「同性愛者がたくさんいて中国人を誘う」といった奇妙な報告もありますが、一旅行者の記録として読むとおもしろいでしょう。このころからカンボジア人はトイレの後左手を使ってお尻を洗っていたようで、紙でふく中国人を「汚い」と思う人もいたようです。
東洋文庫507「真臘風土記(しんろうふどき)」周達観(しゅう たつかん)著、和田久徳訳(平凡社)

「王道」アンドレ・マルロー
カンボジアがフランスの植民地だった時代、密林の奧から女神の浮彫を運び出そうとする若い美術商と、現地人を相手に勢力を築いた野心家の物語。アンドレ・マルローの実体験に基づく小説。密林や廃虚の描写から、20世紀前半のアンコールの様子がわかります。主人公らが石の浮彫を無理矢理削り取ってしまおうとするあたりの非常識さは、実物を見てきた人には衝撃的。
現代世界文学全集23「人間の条件・王道」アンドレ・マルロー著、小松清・新庄嘉章訳(新潮社)

「癩王のテラス」三島由紀夫
アンコールには、「癩王 (らいおう)のテラス」と呼ばれる場所があります。そのテラスにはかつて性器のないなだらかな体格の男性像が置かれていて、それが「癩病(らいびょう)の王の像だ」と言われたためです。そしてなぜか、その「癩病の王」とは、アンコールの最後の栄華を築いたジャヤヴァルマン7世だともされています。実際にアンコールを訪れてその伝説を聞いた三島由紀夫が、この戯曲を書きました。ストーリーは単純ですが、バイヨン建造のエピソード、ピアミナカスのナーガ(蛇の女神)の伝説など、おいしいところが詰まっています。ちなみに「癩王の像」は現在プノンペンの国立博物館にあり、その正しい由来はわかっていません。
「癩王のテラス」三島由紀夫著(中公文庫、中央公論社)

WEB SITES
Angkor Archaeological District (英語)
世界中で遺跡保護活動を行うアメリカの団体World Monuments Fundによるプロジェクト紹介。現在はプリア・カーンの修復などを行っているそうです。

アンコール遺跡修復プロジェクト
慶應大学によるプロジェクト。遺跡修復の専門的な内容に触れることができます。

アンコール建築(カンボディア)の調査
文化財保護振興財団によるバイヨン調査の成果を収録、バイヨンの52の塔を四方向から撮影。バイヨンファンは必見です。

The Origins of Angkor(英語)
タイのオタゴ大学によってタイ北東部で行われている、アンコール関連サイトの発掘調査報告。紀元前15世紀頃までさかのぼる遺跡があるそうです。


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