各位 様 この度は、桑畑種まき桜の和歌・俳句募集に、応募いただきまして本当にありがとうございました。選者の千葉徹夫先生が厳正に選考した結果、以下のようになりましたので、発表させていただきます。 応募総数は、38作品でした。
千葉徹夫選
特選 (源義経公を偲ぶ旅ご招待)
桑畑に着けば小川にはらはらと花散り行くも訳なくかなし(選評) 桑畑に到着した実感を詠んだ歌とみた。そこには散りかけた種まき桜が聳えていて、その枝からは、エドヒガン桜特有の小さな花びらが風に乗って、小川に降り注いでいたのであろう。「訳なくかなし」がよく利いている。日本人にとって「かなし」は、単に「悲し」ではなく「哀し」も「愛し」など様々な「かなし」があることを教えてくれる名歌である。 一席 (南部鉄瓶)
桑畑の種蒔桜に集ひくる里人のみな優しかりけり(選評) 花見時の歌であろうか。種蒔き桜が咲いたことを聞き、この桜のためにみんなが集まってくる。もうじき里では、田植時期になろうとするまさに刹那の一時を、皆里人がこの花の周りにわくわくしながら集って来る様子が見えるようだ。素直なよき歌である。 (選評) 作者は、遠くの地から種まき桜を見に来た人物であろうか。しみじみとその距離を思い、同時に時間というものの尊さを感じたのであろう。特に「老桜」としたい所を「翁の桜」とした所に並々ならぬ歌人(うたびと)としての感性を感じる歌である。 桑畑の庭埋め尽くす桜人一日に酔いて民謡(うた)溢れ出す臨場感溢れる歌である。庭に集まった里人が年に一度の桜人となって花に酔い酒に酔い、そこに自然に民謡(うた)が次々と溢れてきたのだ。東北の民衆のエネルギーのようなものを感じさせる力のある歌である。 二席 (栗駒駒形漬け10袋)
以上
佐藤家当主
選者千葉徹夫氏総評
佐藤晃弥 今回の作品は昨年に比べ、応募作品は少なかったが、随分と水準が上がっており、びっくりしました。選者の立場としては苦しい選択でした。特選は二名ということでしたが、一作品とさせていただきました。受賞作品では、特に木村氏の作が印象に残りました。皆さま、今後とも、精進されて良き歌を詠って頂きたいと思います。 追記 尚、賞品は、七月二十日頃までに発送させていただきます。
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2000.7.1