レバノン状勢悪化と国連の無力

  テレビでイスラエルがレバノンを攻撃している映像を見て強い憤りと人間の叡智がどこにあるのかという根源的なことを思った。

そしてふとテーブルをみると、7月27日の日めくりカレンダーに次のような言葉があった。

「何か悪いことが起こったら、今まで自分に起こらなかった、もっと悪い事態について考えなさい。」

いったいこれはどういうことだろう。暗示のようにも思えた。「レバノン紛争が戦争にならないと思え」ということだろうか。

この言葉はある種、世界の運命に対する絶対的信頼のようなもの。そしてどんな否定的な状況の中であっても、良いイメージを持ち続けない、ということではな いかと思った。

次の瞬間、ジョン・レノンの「イマジン」の歌詞が私の中にひとりで響いてきた。

Imagine there's no countries,     想像してみよう、国なんてないと
It isn't hard to do,         そんな難しいことじゃない
Nothing to kill or die for,        殺すことも誰かに殺されることもない
No religion too,          宗教もない世界のことを
Imagine all the people        想像してみよう、僕らみんなが
living life in peace.          平和な人生を送っている姿を


それにしても、国連に力はなく、国家や社会が信用できない状態になった時、人は何を信じ生きて行けばよいのか?レバノン状勢を考えると、戦線が拡大し、大 規模な世界を巻き込む戦争に発展する怖れを感じる。

それでも、私たちは、人間の叡智を信じ、イマジネーションの力をもって、平和裡に問題が解決することを信じて生きるべきなのであろうか。

ジョン・レノンの「パワー・トー・ザ・ピープル」ではないが、もっと「国連に力を」と叫びたいような気分である。

 罪もなきレバノン市民に次々と砲 弾撃たれ止める国なし 

2006.7.28 佐藤弘弥

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