栗駒村
一 沿革
地勢 略
下流及び瀑布 三迫川は源を栗駒山に発し、東流して北上川に注ぐものにして、其上流に行者滝、窓ケ滝、女滝の三瀑布あり、窓ケ滝は其高さ五丈余、女滝は高さ三丈余あり、行者滝は直下十六丈余にして壮観云ふべからず、夏日此地に至れば炎威忽ち去りて肌に粟を生ずるが如し。
温泉 本村字沼倉、国有林栗駒嶽の中腹三迫川上流河岸に新湯、駒の湯の二温泉あり、何れも硫黄泉にして効用著しと雖も、道路険悪の為浴客常に多からず、(中略)駒ノ湯は元和三年八月鶯沢村川倉屋敷の人小野寺輿左衛門の発見にして、翌年開湯せしものといふも文化五年火災に遭ひ、旧紀悉く焼失したるを以て詳細を知るを得ず、主に湿疹、疥癬(かいせん)、傷疵等に特効あり、新湯は寛政年間里人清水某の発見せるものにして、その効能は駒の湯と同様なり、(中略)沼倉より駒の湯まで四里、新湯まで四里二十余町、須川温泉へ山道三里、栗駒の頂上へ二里。
湖沼 沼地の大いなるものは沼ケ森(或いは三角森とも云ふ)の麓に鞍掛沼あり、周囲約二里余、樹木鬱蒼として周囲を覆ひ、水清くして魚族多く、秋日紅葉の時に於ける其景の美名状すべからず。
水利 灌漑用水堰としては三迫川の上流下流に掛けて上田堰、穴山堰、二の堰、馬場堰等あり、何れも同川より上水せるものにして、川の沿岸南北水田の灌漑を便にしつつあり。
五、教化 (略)
六、官公署其他(略)
七、神社
続く
2000.1.28