石巻で復興住宅建設に賭ける   熊谷秋雄氏に聞く


台風が吹き荒れる9月20日、3.11(東日本大震災)の最大の被災地のひとつである石巻市に向かった。あるユニークな復興住宅を見学するためだ。

この住宅建設の中心人物が、熊谷秋雄さん(46)だ。熊谷さんは、日本で唯一、茅葺き屋根の建設と修復を生業とする(有)熊谷産業の代表取締役である。

3.11東日本大震災では、自ら被災者となったが、国の壊すための復興住宅建築に疑問を感じた。そこで、自ら復興住宅建設地を手当し、工学院大学と共同で、伝統工法にこだわった恒久型復興住宅のモデルを、石巻市白浜海岸の高台に建設することを決めた。この住宅は9月に棟上げ式が終わり、10月末頃には、完成の運びとなる予定だ。

そのユニークな発想?は、法政大学五十嵐敬喜教授が提唱する「総有」的集合住宅として注目されている。所謂、二年で壊すことを前提とした復興住宅から、地域住民の終の住処(ついのすみか)と?なり得る恒常的住居への転換がここにはある。

熊谷秋雄さんは、インタビューで、「国に頼らず民間の力を結集すれば、住む被災地住民にとっても、遥かに住み心地がよく、しかも?家賃は安価に提供できる。この白浜復興住宅のモデルを全国に展開していきたい」と明確に語った。

ここには、国に頼らない地域独立の精神が脈々と息づいているのを感じた。


 

 



2011.09.26 Hsato

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