平泉の美しい自然環境

平泉の川霧

藤原清衡の平泉遷都の理由のひとつか?
 

 
平泉の川霧の光景をお目に掛けたい。

 これは7月13日早朝、写してきた写真だ。 前から平泉に恒常的に出現するという神秘の川霧について撮影しようと考えていたが、今回やっと念願を叶えることができた。

それは驚くべきヌミノース(聖 的)体験となった。子どもの頃に体験した皆既日食よりも、遙かに強烈な体験で、背筋がふるえるような感動を覚えた。

 芭蕉がこの地にやってきたこともあるが、それ以上に、奥州藤原氏藤原清衡が、何故この地を奥州の地を都と定めて、平和国家を祈念 し、黄金文化を花開かせた のか、この川霧を見た瞬間に理解できた気がした。

 それは紛れもなく、平泉が聖なるものを感じさせる地だからである。そしてこれは「川霧という自然界の織りなす儀式
ではないか」と感じた。川霧の発生と消滅をつぶさに見ながら、本当にそう思ったのだ。

 束稲山を東に見る柳の御所の前の北上川付近では、この川霧が恒常的に発生するという。この神秘的な自然現象を拝みながら、藤原清衡 は、極楽浄土というもの を、本気でこの地に再現しようと試みたのではないだろうか。

 芭蕉が平泉に到着した時刻は、10時半か11時頃だろうから、川霧は雲散霧消していた可能性が高い。ただ一関から奥州街道を来る 時、東北の方角に、た なびく川霧を目したかもしれない。

前日は大雨が降ったが、芭蕉が平泉に行く元禄二年(1689)5月13日(現在の暦で6月29日)は、天気が回復し、日 が差していたので、きっとすごい川霧が発生したであろう。  

川霧の包む浄土や平泉 ひろや

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2008.8.4 佐藤弘弥

義経伝説
思いつきエッセイ