第三幕(未完)

高舘 義経堂の前 春

あれから五十年の歳月が過ぎた。今や海尊は死んでなく、海尊の意志を継いだ息子清悦が、母八尾の手を引いて、高舘の前にいる。そこには小さいながら、義経公及びその主従を奉る義経堂が建っている。もちろん父と母が唱導によって努力したことの結晶である。

今日は義経公の命日に当たる四月二十八日。父の思いでを語り、夫の思い出を語る。息子清悦は、全国をこれからも唱道して行脚することを誓う。

はらはらと桜が舞い。この弱き勇者の自己実現の物語は終わる。
 


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最終更新日:1999/10/26 HSato