「イマジン」のピアノのお値段?

ジョンレノンの商魂?

 
ジョンレノンが死んで今年で20年になる。時の流れは本当に早いものだ。20年前の12月8日、訳の分からない熱狂的なファン(?)の凶弾に倒れたジョンレノンは、「やられちまった」と傷口を押さえながら、オノヨーコに二三歩歩み寄って自宅ダコタハウスの前で息を引き取ったのである。

にわかに未亡人となったオノヨーコはその後、ジョンが撃たれた時に掛けていた眼鏡をアルバムジャケットに使ったアルバムを発表した。その中に「グッドバイ・サッドネス」というタイトルの歌がある。文字通り、最愛の夫を失ったヨーコが、その悲しみを乗り越えて前に進もうとする心境を歌った歌である。確かこの歌をロバータ・フラックがカバーしていたと思う。是非聴いてみてもらいたい歌だ。

ジョンが亡くなった直後、ヨーコは、「ジョンを利用して、商売を考える人間が、多く出るだろうが、それはそれでいい」と、語ったことがある。確かにジョンの人生を綴った無数の伝記や出版され、ジョンの些細な落書きのようなものまでが、ジョンレノングッズとして、商売に供され、ことごとく利用されてきた。ヨーコはあえて、これを黙認してきたのである。その姿勢は、20年たった今も少しも変わらない。

今年の10月9日は、ジョンレノンの60回目の誕生日に当たる。くしくもこの日、世界で初めて、ジョンの遺品を集めた「ジョンレノン・ミュージアム」が埼玉に完成した。そこで「いささか商売的に過ぎませんか」という意地の悪いマスコミ陣の質問に、ヨーコは平然と答えた。「あら、あなたジョンは、ビートルズにいた人だけど、ビートルズより、商売に徹したバンドはいたかしら?!」さすがはジョンレノン直伝のリバプールジョーク(ママ:そんな言葉あるかな?)というやつか。

「商売とジョン」一見結びつかないようだけれども、結構ジョンは、商売上手だだった。でなければ、あの札付きの不良が、鉄かぶとをかぶったようなマッシュルームカットなどするはずがない。こんなことを言ったら、天国で、ジョンが、くしゃみをしているかもしれない。

ヨーコの20年前の言葉を思い出す。
「私たち(ジョンとヨーコ)が、出会ったことで、イマジンという歌ができただけでも、十分意味があったと思うわ」

名曲「イマジン」について、ジョンは「あの曲はヨーコとふたりで作った」と述懐している。それでも「イマジン」のクレジットにヨーコの名前がないのは、当時のヨーコに対する風当たり(当時彼女をビートルズを解散に追いやった魔女と悪口をきく者が確かにいた)を配慮しての事とも言われているが、事の真相は分からない。

その「イマジン」をふたりで作曲したピアノが、この度(10月17日)、ジョンの母国イギリスのロンドンのハードロックカフェで競売にかけられた落札したのは、歌手のジョージ・マイケル(元ワム)とのことだが、何とただのアップライトピアノに「イマジン」とジョンレノンというハクがついて145万ポンド(本日の円ポンド交換レートが168円位だから日本円でざっと2億4千万円以上になる)の高値で落札されたようだ。確かに死して益々商売上手のジョンレノンというところか・・・。佐藤
 


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2000.10.18