インドの大地震は人事ではない

 
インドで大地震が起きて、二万人以上の人間が亡くなったと言うことだ。地震は去る1月26日現地時間で8時46分にインド西部グジャラート州を直撃した。マグニチュードは7.9と推測されるが、多くの建物が倒壊し、その下敷きとなって、多くの人々がその犠牲となった模様だ。 

かつて、日本では「地震・雷・火事・親父」と言われたように、地震は怖いものの代名詞であった。つい最近、1月17日は、神戸地震から6年目の冬を迎え、日本でも地震に対する注意を喚起している最中の出来事だった。 

それにしても自然の前では、人間は無力そのものだ。インド地震にしても、土日の大雪にしても、いざ自然が猛威を奮ったら人の命なぞは、風の前のロウソクの炎のようにはかない存在だ。最近人間は、科学の力を過信して、いささか傲慢になっているように思えてならない。 

科学は、無力な人間を包む衣服のようなものだが、必ずしも万能ではない。最近有明海の海苔がまったくの不作となり、その原因が、「諌早湾干拓事業によって、もたらされた」として、地元の人々が大きな市民運動を起こしているが、まさにこの問題も、人間の驕りが招いた悲劇ではないだろうか。 

簡単に地震を防ぐことなど出来ないが、少なくても、昨年の鳥取地震の教訓を踏まえて考えるならば、都市に人口を集中させずに、家と家の間に余裕があることが、まず一番だ。断層地帯と呼ばれるような場所に人が、家などを建てないことを制度化することも当然の処置だ。このように考えると、現在の文明が、余りに一極集中に過ぎ、隙間もないほど、一部の地域に住みすぎていることを是正しないかぎり、日本においてもインドのような悲劇が起きないと、誰が断言できようか。 

もう既に東京にはいつ関東大震災クラスの地震が何時来ても可笑しくないとされる。大体70年と言われる歴史的な周期で言えば、今回インドで起きた大地震クラスの地震は、今この瞬間に起こっても不思議はないのである。 

過密で、過信で、備えのないこの日本に、もしもそんな地震が来たら、あなたはどうするか?真剣に考えるべき時が来ている。佐藤


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2001.1.29