フェースブックの躍進 21世紀のビル・ゲーツが現れた?!
 

アメリカ生まれのフェースブックというSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が、絶好調だ。すでにツイッターを越える巨大なシステムになる のではという評判がある。元々学生同士のコミュニケーションツールとして開発されたものだが、あれよあれよという間に、世界を席巻してしまった。

創業者は、ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカ-バーグ(1984ー)という26歳の若者だ。彼は、年末恒例となった米誌タイムの2010年「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた人物だ。 

フェースブックの創業は2004年である。この企業の成長性に目を付けたマイクロソフト社は、先物買いのようにして、2007年広告に関する独占契 約権を取得し、2億4千万ドル(約200億円)という巨額の資金を出資した。まさか、ビル・ゲーツがハーバード大学出身ということで、この企業に唾を付け たのではあるまい。先に成功したベンチャー企業が、新しい才能ある人物や企業を発掘して育成するという構図は、アメリカ社会に好循環を生んでいる。

確かにマイクロソフトしかり、ヤフー、グーグルしかり、大学在学中もしくは大学を卒業したばかりの若者が、物事に囚われない起業家精神で、起こした企業 が、巨大な企業に成長し、さらに若い企業を、育てて行く。多くの日本人は、アメリカは金融資本主義に陥っていて、殺伐とした弱肉強食の社会との間違った固 定観念がある。

そうではない。貧困なアメリカ社会ばかりにフォーカスを当てると、フェースブックのようなユニークな企業が、何故どんどん創業して、世界最先端の企業とし て飛び出してくるのか見えて来なくなる。やはりアメリカには、アメリカンドリームがある。才能有る若者を引き立て、支援する仕組みがアメリカ社会には厳然 として存在するのである。

今もしこのフェースブックが、ナスダックに上場したならば、少なめに見て、日本円で3兆円ほどの時価総額になるという試算がある。とすれば、マイクロソフ トの創始者ビル・ゲーツの資産はさらに増加し、フェースブック創業者のザッカ-バーグは、26歳にして、個人資産数千億の億万長者になることになる。きっ とザッカ-バーグは、21世紀のビル・ゲーツとなって、新しく芽を出してくる才能を見出し、アメリカ社会を牽引する大企業家になるかもしれない。 

日本ではちょっと儲かると、脱税だとか、不正だとヤキモチを焼いて、出る杭を打ってダメにしてしまう息の詰まるようなイヤな社会だ。そ の結果、若者は、我慢すれば定年まで安定的に務められる公務員を目指すことになる。この日米社会の差は実に大きい。やっぱりアメリカは、腐っても鯛だ。


2010..12.24 佐藤弘弥

義経伝説
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