2011年を地方分権元年にしよう!!
 

中尊寺金色堂

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

2011年が明けました。2010年は、日本という国家が、世界という定期バスに乗り遅れてしまったような印象を持った一年でした。

経済ひとつを取って見ても、世界の主要国はリーマンショックから立ち直って、株価も回復基調を鮮明にしている中で、日本だけは、以前として世界から取り残されています。

そんな中で日本人は、ますます内向き思考を強めています。例えば学生たちも海外留学して、自分のキャリアアップをするという若者が減っていることからも、そのことはよくわかります。

歴史的に日本人は、何かあると国を閉じるということを選択してきました。徳川時代の鎖国はその典型でした。

明治維新は、その閉塞を打ち破る動きでした。明治維新の本質は地方、しかも九州地方という海外貿易によって、資本を蓄積した地方(藩)が中心になって起こしたある種の革命政権でした。

明治維新の政治スタイルは、強力な中央集権の政治機構による急激な近大化です。物事には長所、欠点の両面があります。地方が起こした明治維新政府は、江戸 幕府を打倒したのみならず、西洋の都市国家とまではいかないまでも、かなりの発展を遂げた日本の地方分権をまで倒してしまいました。それが西南戦争でし た。西郷隆盛という明治維新の英雄が、最後には、長州という地方の側に立って亡くなったのは歴史の悲劇でした。

これからの日本は、もう一度、中央集権型の社会を、地方に権限を思い切って委譲していく年になることを期待したい。

2011.01.01 佐藤弘弥


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