ば…バカな…！ ま、魔王であるこのワシが？！
…き、消える？
こんなザコのドクロに…負け…！
ぐ、ぐおおおおおおぉぉぉぉ…！

これは、とある国の王子さまのお話。
誰も信じられず、
誰も愛せない王子さま。
周りの人も、ひどい仕打ちを
してばかり…
ついに、みんなに見放され
呪いをかけられてしまいます。
呪いの力で、だれにも気付いて
もらえなくなった王子さま。
人を大切に思う、愛する心を
持てなければ、元の姿に戻れない…

女の子「それで、王子さまは
どうなったの？」

世界のどこにも、いる場所の
なくなってしまった王子さま…
しかたなく、魔物として
長い長い時を過ごしました。
それはもう、自分が
王子さまだったことも忘れるほど…
ある時、
魔王にさらわれた姫と出会います。
悲しそうな姫を見ているうちに、
不思議な気持ちになってきます。
「かわいそう…助けたい…」
どうしてなのか判りません。
でも…王子さまは、
そうしたかったのです。
姫を助けるため、一生懸命の王子さま。
「助けたい」
その気持ちで、胸がいっぱいでした。

男の子「王子さまは、お姫さまが
好きになったのかな？」
女の子「じゃあ、王子さまは元に戻れたの？
男の子「お姫さまは助かったの？

フン…どうやらそいつは、
本当の『お守り』らしいね。
あの小娘の「大切なもの」を
守ったんだろうさ…面白くもない！
目ざわりだから消えな！
こっちは今から、魔王さまと
地獄でハネムーンさ。
お前はあの小娘と、よろしくやるんだね…

男の子「ねぇ、どうなったの？」
男「さぁ…どうなったと思う？」