[Win]青空のレビュー

 正式タイトルは『果てしなく、青いこの空の下で…。』なのですが、長いし、『青空』が公式略称なので、こう記します。


【所感】

 システム的にはバックログが無いだけで他に不満はなし。選択肢までスキップを選ぶと、一気に選択肢まで行ってしまうのがとんでもないが…。問題の縦書きは、通常のテキストエリアを正方形にしてあるので、問題なし。縦書き横書きはゲーム中にいつでも変更出来る。CGシーンになるとテキストエリアは邪魔なので1〜2行になる。当然横書き。

 物語は、5部構成(プロローグ、春、夏、秋、冬)で、春までにターゲットを絞るための選択肢が出て、あとは、例外を除いて選択肢は出てこなくなる。選択したヒロインによっては凌辱シーンがあるけど、個人的には、大したものじゃないし凌辱する奴がすぐ死ぬので、あまり気にならなかった。謎解きなようなものもやらされるけど、そんなに難しいものではない。ヒントは後でも聞けるのでメモっておく必要もないし。


【総評】

 システムについては所感で述べたので簡潔に。「次の選択肢まで進む」に信頼を置けないのとバックログが無いのが残念なところかと。あとは、縦書きも含めて良く出来ています。「次の選択肢まで進む」の代用としての機能も充実してますし、プレイしていてストレスは感じません。

 演出に関して。この作品では、効果音(例: 小川のせせらぎ)を聴かせるためかBGMをわざと無くしてあるところが目立ちます。この演出は、プレイしていくうちに、なるほどなあと思うようになりました。BGMが鳴るシーンでも、その場にあったBGMが流れていますし、これからのシーンの予告と言った感じのBGMの流れ方をするところなんかも良く出来てるなあ、と思います。そして、縦書きシステムが、この作品の雰囲気を表現する、1つの役割を果たしています。

 シナリオ。設定のためもありますが、暗い話が多いです。特に、BAD END系は、悲しい終わり方、救いようのない終わり方をします(一部例外ありかな?)。堂島君による陵辱シーンも目立ちますし、そういうのが嫌いな人には全くお薦めしません。

 また、5人分のシナリオが用意されているのですが、本筋の話を理解するには5人全員のシナリオを見る必要があります。おそらく一番本筋とは関係の少ない悠夏シナリオでも、他のところでは述べられていない記述がありますし、それを知ってないと疑問に思う部分が出てくるでしょう。本筋の話、全体の流れは、私はたいへん気に入りました。ただ、少し描写不足というか説明不足な部分があったのも確かで、文章自体は読ませる文章で及第点なため、ちょっともったいなかったかなあと感じます。

 ついでに、これは余計なお節介ですが、クリア順番は、悠夏→雨音→藍→明日菜→文乃がベストだと思います。理由はコメントアウトかな。 実際、私は、悠夏→文乃→雨音→藍→明日菜とやって失敗したと思いました。

 最後に萌えについて(笑)。当初、萌えは発生しないと思っていたのですが、誤解してました。なんというか、見ていて恥ずかしくなるような歯痒いシーンとかがありまして、なんか、こう、もう、きゅーってな感じになることがあります(^^;。

 個人的に悠夏がえらい気に入ったのですが、彼女のえっちしーん(堂島君による陵辱を除く)は、明るく恥ずかしいもので、なんか照れてしまいます。あと、他のシナリオで、主人公のことを妬く悠夏が可愛くってもう。こいつは、こんなに主人公のことが好きなんだな、と思うともう…ねぇ。


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