TBSテレビの人気番組 「どうぶつ奇想天外」の取材が、2001年5月の連休に森リクガメ研究所にて行われました。どうぶつを扱うテレビ番組はいろいろありますが、様々なアプローチから、自然界の野生動物はもちろん希少動物やペットのことまで幅広く真面目に、かつ楽しく取り上げている番組はそんなに多くありません。
そのため、「どうぶつ奇想天外」は、私達もよく拝見させていただいている番組です。爬虫類の話題には、あの千石先生もよく出演されて、コメントされておいでですので、爬虫類の好きな方もよく御覧になる番組ではないでしょうか。以下はその取材記ですのでお楽しみ下さい。
発端は、番組のリサーチを担当されているU氏からメールをいただいたことに始まります。「ペットのための住宅」というくくりでの企画があり、カメのための住宅を建てたという話しを千石先生から聞いたので、取材ができますかという主旨のメールでした。千石先生とは、スケイル誌のパーティーにおいて、ご一緒させていただいたおりに、いろいろお話をさせていただいたので、記憶のどこかに置いておいていただいたのだと思います。
当研究所は、大規模なカメ専門の飼育施設とは異なり、人もリクガメもいっしょに生活しているため、人とリクガメ双方の生活環境を幾つかの工夫で実践しているといった住空間です。そのため、いわゆるテレビ受けするような奇抜さやアピール度は低いので、あまりお役にはたてないと思う旨の返事を最初は差し上げました。
その後、何度か電話とメールの行き来があり、番組の主旨や考え方に対して、共感を覚えることも多く、結局「奇抜なお宅も紹介したいとは思っていますが、最終的には一般家庭で簡単に出来る工夫などに重点をおき、アイデア例などを紹介していく予定です。そこで、一般家庭でも「これだけの工夫でずいぶん快適になる」という 視点で工夫例を教えていただきたい」というリクエストをいただき、それならば当研究所でもなんとかなるかもしれないとの経緯で、まずはリサーチの取材が行われました。
リサーチは、U氏と担当のディレクターの方がおいでになるとの連絡をいただいていたので、様々な動物達と向き合ってきた眼光スルドイ、コワイ系のゴツイおじさまディレクターを想像してお待ちしていたところ、我々の前にさっそうと登場したのは、ジーンズの似合うスリムな女性ディレクターF氏と電話で声は何度かお聞きしていたU氏のお二人。お二人ともにとても魅力的な女性です。しかも、仕事はまさにプロフェッショナル。
あれやこれやと話もはずむ中、U氏の座るクッションの上に放し飼いにしているギリシャリクガメの「ムーチャン」が上がり込み、占領してしまったり、ホルスの「ガンチャン」のオシッコがF氏のカバンに危機一髪状態で放出されたりすることもありました。床のオシッコをF氏に拭いていただいたりもしましたが、こともなげに処理をするその姿を拝見し、さすがに動物の番組のディレクターだと、感心させられました。
番組にこれまで飼育下のリクガメが取上げられることがなかった理由もしっかりとしたものであったので、むしろ共感を覚えました。当研究所の環境が、千石先生始め、番組関係者の方々のお怒りをかわないものであるとよいのですが。
リクガメの話しをたっぷりとさせていただき、本取材の日程などを決め、リサーチの取材は終了となりました。F氏、U氏ともに、リクガメのカワイサに参ったとのコメントをいただき、うれしく思いました。当研究所のリクガメ達が人懐っこいのかもしれませんが。