エロンガータリクガメの双子・結合体
(by Darrell Senneke)


1998年、7月8日

この日の朝、私は各種リクガメたちの卵の様子をチェックしようと孵化器を開けてみました。そして、夜の間に、またひとつ卵が孵化したのだということを発見し、いつもの通り、大喜びしたのです。 この卵は、私が飼っている9歳のメスのエロンガータリクガメ(Indotestudo elongata)が3月19日に産んだものです。111日目というのは、通常の孵化予定日数より多少早めではありましたが、産卵時の卵のサイズや重さが標準的なものでしたので、私は孵化が早かったことを特には意に止めませんでした。

卵は、産卵時の重さが43.4gで、サイズは長径48×短径41mmでした。 孵化した卵を調べてみると、それがなんと双子だと分かり、私ははじめ狂喜したのです。しかし、この感動は、すぐさま戦慄へと変わってしまいました。なぜなら、この2匹の子ガメたちが実は繋がっていていて、ひとつの卵嚢を共有していることが分かったからです。おそらく、血管も共有しているものと考えられました。
 
子ガメたちは、幾分小さめで、エロンガータの孵化幼体の標準サイズと比べて大きい方の個体で3分の2くらい、小さい方は半分ほどの大きさしかありませんでした。 私は必要以上に触らない方が良いだろうと判断し、正確な測定は行ないませんでした。
当初、私は、ヘソの緒のようになっている箇所を縛ったあと、それを幼体の身体から切り取り、そうすることで2匹を切り離そうと思いました。しかし、しばし熟考した後、これはもう自分の知識の限界を越えていると判断しました。自分自身、卵嚢の生理機能についての知識、特にこのような特殊な状況に関する知識を持ち合わせていなかったからです。何よりも、この2匹の子ガメを助けようとして、逆に死なせてしまうようなことだけは、一番避けたいと思ったのです。
この時点で、私はメールを使って可能なかぎりの情報や助言をかき集めることを試みました。