変異ウイルス/新情報

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内容については一切責任を負いません。不審な点はみなさん御自身で確認してください。

<オミクロン株に対するワクチンの効果 〜 その2>

英国で調査されたものに日本で調査されたBA1/2、BA5に対する結果を追加しました。
接種回数 2回 3回
経過期間 0〜3ヶ月 4〜5ヶ月 5ヶ月超 0〜3ヶ月 4〜5ヶ月 5ヶ月超
BA5
発症予防
35% 65% 54%
BA1/2
発症予防
46% 72% 71%
BA1
発症予防
25〜70% 5〜30% 0〜10% 50〜75% 40〜45%
BA5:分母は7月4日〜7月31日の関東地方の1547人
BA1/2:分母は1月1日〜6月19日の6349人
BA1:前出英国の結果。中程度の信頼性(限られた人数から得られた証拠による)
出所:国立感染症研究所(2022年8月17日付)
出所:英国保険庁のレポート(2022年2月17日付)
(2022.2.20作成8.22追加)

<感染力の積算>

報道等では、感染力について、1つ前の変異株と比較して新たに出てきた変異株の感染力を1つ前の何倍といった 表現をしていますが、毎回1.何倍程度でそんなに変わらないという印象を与えてきており、 これは情報をゆがめていると思います。
そこで、最初の武漢型からオミクロンまで倍率を積算してみたところ、恐るべき値になっていました。
そもそもインフルエンザより格段の感染力があるのに、その10倍にもなっているということは、 よっぽど気をつけていないと、空気感染してしまうということです。
ちなみに、”ケンタウロス”と呼ばれているBA.2.75については、インドでの感染力なので、参考まで。
変異株 感染力 積算
従来株(武漢型) 1.00倍 1.00倍
アルファ株(英国型) 1.32倍 1.32倍
デルタ株(インド型) 2.00倍 2.64倍
オミクロン株BA.1 2.80倍 7.39倍
オミクロン株BA.2 1.20倍 8.87倍
オミクロン株BA.5 1.27倍 11.26倍
オミクロン株BA.2.75 3.24倍 36.48倍
(2022.7.25)

<オミクロン株に対するワクチンの効果>

ワクチンの接種回数および経過期間とその効果について英国で調査されたものです。
接種回数 2回 3回
経過期間 0〜3ヶ月 4〜6ヶ月 6ヶ月超 0〜3ヶ月 4〜6ヶ月 6ヶ月超
発症予防 25〜70% 5〜30% 0〜10% 50〜75% 40〜45%
入院予防 65〜85% 55〜65% 30〜35% 80〜95% 75〜85%
死亡予防 40〜70% 85〜99%
グレーの部分:中程度の信頼性(限られた人数から得られた証拠による)
無色の部分:低程度の信頼性(わずかな証拠によるもの)
出所:英国保険庁のレポート(2022年2月17日付)
(2022.2.20作成)

<市中無症状感染者数の推定>

空港検疫では、1月3日〜9日発表の感染者1027名のうち発症者は148名でした。
感染者のうち約14%が発症、それ以外は無症状です。(もちろんその後発症もあるとは思いますが)
以前とは違って今回は感染者がそこそこピックアップされているので、これを一地域のサンプルと考えると、東京の感染者発覚が1日で1000人でも、その6倍の6000人が1日で感染して、毎日増えることになります。
米CDCによると感染させやすい期間は5日間なので、常に3万人が無症状でうろうろしていることになります。
(2022.1.10)

<オミクロン株は重症化しにくい?>

以下の理由で「まだ重症化する人は出てこない」と思います。
1.重症化には発症から10日程度かかる
2.10日前はまだ東京は100人未満
3.感染者の60%以上が30代以下の若年層
4.重症化率は高くても0.3%程度
従って、重症者は1日100人×0.3%=0.3人/日程度
報道で、重症化しない根拠としている地域は、
1.南アフリカは、平均寿命が65歳、高齢者がいない国。しかも今は夏。
2.英国は3回目のワクチン接種が50%以上進んでいる
3.沖縄の感染者は70%以上が30代以下の若年層(50代以下で90%以上)(沖縄県1月9日発表分)
(2022.1.10)

<オミクロン株最新情報まとめ>

項目 現在わかっていること 備考
1 感染力 デルタ株の約4倍 南アフリカではデルタ株の4.2倍、デンマークでは3.97倍(京大西浦教授)
航空機では同乗者全員を濃厚接触者としている
空気感染に近い感染力を持っていると推定しなければならない
(埼玉医科大学総合医療センター・岡秀昭教授)
2 潜伏期間 早ければ1日
3日(米CDC)
12月8〜9日に感染者に会った人が10日に発症している
発症2日前から発症3日後が最も感染させやすい(米CDC)
3 毒性 デルタ株を1として
入院は0.55〜0.60
(確定ではない)
入院率は英国では50〜70%デルタより低い。但し大半40歳以下(英保険庁)
デルタ株より入院40〜45%低い(インペリアル・カレッジ・ロンドン)
死者も少ないが出ている(52歳〜96歳12/20時点英国)
4 病状 肺より気管支で増殖
発熱は少ない
気管支でデルタの70倍増殖、肺は従来株の10分の1(香港大学)
ワクチン接種済の60代夫婦が肺炎になり中等症T(ふじみの救急病院・鹿野院長)
発熱、せき、倦怠感、のどの痛みなどで、味覚・嗅覚障害は少ない(沖縄県報告)
5 ワクチン 2回ではほぼ効かない
重症化については不明
2回接種後6ヶ月で発症予防効果は10%に低下(英保険庁)
3回接種で70%に復活、5週後に60%、10週後には50%に低下(英保険庁)
6 市中感染 多くの都道府県 全国に散らばるのは時間の問題
7 検査 PCR陽性から3〜4日程度かかる PCR→デルタ否定(オミクロン疑い)→ゲノム解析の手順必要(解析費用大)
(2021.12.26現在1.8更新)

<オミクロン株最新情報>

市中感染は世界で最初に報告されてから約3週間後であり、デルタ株等と同じパターンです。デルタは入れ替わるのに4ヶ月なので、オミクロンの場合1ヶ月ということになります。
やはり、帰国後14日間自宅待機が「ざる」だと思います。
(2021.12.22作成12.24更新)

<オミクロン株・その他最新情報>

抗体保有者は感染していたとすると、発覚率は23%となり、シミュレーション前提の38%より悪かったですが、まあまあの値でした。
HLA−A24型が日本人の6割ということなら、その人たちは感染しても発覚しにくいと考えると、そこそこ納得がいきます。
オミクロン株に対して、ワクチンの効果が25分の1なら、ほとんど効かないということですね。
(2021.12.10)

<日本への入国者の内訳>

オミクロン株の侵入を防ぐため、外国人の入国が原則禁止になりましたが、 実は、日本人の帰国者の方が人数が多いのです。
日本人帰国者についても少し検疫が強化されますが、2020年3月に国内にウイルスを持ち込んで感染を広げたのは日本人帰国者と思われます。
2020年3月の日本人帰国者は52万人もいたのです。
外国人は、数日で帰国するので、人に感染させる機会は少ないはずです。
むしろ、帰国してすっといる日本人がみやげ話をしたときに他人に感染させたと考えられます。
武漢由来のウイルスはすぐに消えて、欧米由来のウイルスが主流になったのがその証左です。
今回検疫で発見されたオミクロン感染者と同じ飛行機に70人乗っていて、都内在住者は40人いたようです。
たとえ検疫で陰性でもいつウイルスを排出し始めるかわかりません。
この70人には1ヶ月じっと家にいてほしいものです。

1ヶ月当たり入国者数(2021年4月〜2021年10月)

※出所:出入国在留管理庁の統計
※7月に外国人が多いのは、「TOKYO2020」への参加者ではないかと思われます。
(2021.11.30)

<オミクロン株の最新情報>

ちなみに、日本の検疫で陽性になるのは、1日せいぜい数人ですが(たぶん、それ以上すり抜けてますが)28日は12人陽性でした。
政府は外国人の入国を止めたようですが、今回も帰国した日本人が国内にバラまくと思います。
余談ですが、原油価格は約10%急落、ニューヨークダウ平均株価は約2.5%下落しました。日経平均は747円下落しましたが、今日29日午前は416円急落後、午前はほぼ横ばいまで戻しています。
(2021.11.29am)
最近の具体的事例から立証されることを列挙してみました。

<ワクチン接種済みでも人に感染させる>

群馬県の病院で24人、北海道の病院で7人、福井県の介護施設で33人、 病院で13人のワクチン接種2回、2週間経過済みの人の感染が発覚した。
また、北海道と福井県の感染者はほとんどがのどの痛み程度か無症状。
ブレイクスルークラスターが発生するということは、 ワクチン接種済みでも人に感染させるということであり、 接種してない人は今まで以上にリスクが高い状態に置かれている。
(2021.9.24)

<デルタ株のウイルス量は4倍以上>

臨床検査会社大手BMLによると、デルタ株は従来株の4倍以上のウイルス量が検出される。(2021/9/13NHK)
(PCR検査は、何回も培養して、何回目で検出されるかでウイルス量がわかる。 例えば、従来株が4回だったら、デルタ株は1回の培養で検出される)
(2021.9.24)

<布マスクでは2回接種でも感染する>

川村名古屋市長、ワクチン2回接種済みでも秘書から感染。2021.9.1公表。
周知のとおり、川村市長はいつも布マスクをしていた。
(2021.9.24)

<日本の入国検疫は「ざる」>

熊本の秀岳館高校で8月25日から発熱の生徒があり、 寮生約300人のうち生徒約100人陽性。
夏休みで帰省していた生徒たちが一斉に戻ったところ、感染が発覚。
寮に戻るときに全員検査をしていたがそのときは全員陰性だった。
つまり、検査はその時点だけ。すでに感染していた場合検出できない場合もある。
オリンピック選手村で、毎日検査し、あとから発覚したのが証左といえる。
日本の入国検疫も同じで、2週間「自主」隔離では防げない。
今までの変異株も他国で発見後すぐに入ってきている。
(2021.9.24)

<デルタ株の最新情報>

信頼のおける情報をまとめました。 国立感染症研究所の報告
(2021.8.15)

<米マサチューセッツ州のブレイクスルー感染>

米国マサチューセッツ州で報告された主にデルタ株の感染によるクラスターより(米CDC)
7/3〜17、複数の大規模な公開イベントが行われ観光客が来訪、住民の感染者469人。
469人中346人の74%はワクチン接種後2週間以上経っているのに感染。うち274人(79%)は発症。
入院5人のうち4人接種済み。死亡なし。
また、133人を調べたら90%がデルタ株(全体のうちなのかブレイクスルーのうちなのか文脈からは不明)
ワクチン接種済みの感染者と未接種の感染者のウイルス量は同じだった。
この後米CDCがマスク着用を推奨したことからすると、マスクはしていなかったと思われる。
米CDCのマサチューセッツ集団感染の報告
(2021.8.15)

<米メイヨークリニック(米国の一流病院)の追跡調査>

2021年1月から7月まで、ミネソタ州の住民でワクチンを接種した人と未接種の人を比較調査した。
対象となる人は、性別、年齢、人種、ワクチン接種の時期など条件をきっちり合わせた。
ファイザーを接種、モデルナを接種、未接種の3つのグループを作り、それぞれ約25,000人を調査した。
1月時点では、
感染予防効果(the effectiveness against infection)は、ファイザー76%、モデルナ86% また、入院に対しては、ファイザーは85%、モデルナは91%の効果があった。
7月時点では、70%がデルタ株の感染となり、
感染予防効果は、ファイザーは42%、モデルナは76%まで低下した。
但し、入院については高い効果を維持した。
なお、マスクについては記述が見つからなかった。
米メイヨークリニックの査読前の論文
(2021.8.15)

<もうだまされない新型コロナの大誤解>

著書より紹介です。
「もうだまされない新型コロナの大誤解」
国立病院機構仙台医療センターウイルスセンター長、西村秀一医師著

<接触>
物の表面で人間に病気を起こすウイルスに出会う可能性はほとんどありません。ウイルスは人の体の中でしか増えません。

<換気>
ダイヤモンドプリンセス号を調査しました。ウイルスを含んだエアロゾルが空気の流れに乗って移動しなければこうした大規模感染は起きません。
明らかに空気感染でした。
船の空調の設計図を見たら、空気感染するだろうなと思いました。
複数の客室の空気を集め、3割ほど新しい空気を加え、各部屋へ循環させる構造でした。
真に有効な対策は、換気をしっかりすることに尽きます。
普段会わない人がいる場合は、しっかり換気する必要がありますが、感染していない家族のみの場合はそれほど気にしなくていいです。
小さなラーメン店は、湯気や油の臭いが店内に充満しないよう強力に換気しています。
焼肉店は、客の前に強力な換気装置があります。
換気の行き届いた「安全地帯」と言えます。

<マスク>
選び方や使い方を間違えると全く意味のないものになります。
マスクをしていたのに感染したと言う話はよくありますが、つけ方が悪ければ何の不思議もありません。
ウイルスはマスクの表面ではなく繊維の中に入るので、マスクに触ってはいけないのではなく、むしろ触って常に密着させるのが重要です。
不織布マスクの上にウレタンマスクをつけると良いです。
マスクをしたまま走らないこと。呼吸が激しくなると、吸い込む力が強くなり、ウイルスが入ってしまいます。
特に、駅の階段はエアロゾルがたまりやすいので走ったりしないように。
不織布マスクは、着用した累計時間が8時間を過ぎると劣化が始まります。

<マスク別エアロゾル除去性能>
富岳のシミュレーションと違い、実測したものです。
種類 除去率
1 不織布 90%以上
2 布・ガーゼ 20〜40%未満
3 ポリエステル 10〜30%未満
4 ウレタン 1%以下
若年層に感染者が多いのはウレタンマスクをつけている人が多いからではないか。
(2021.6.24作成7.6更新)

<スーパースプレッダーは存在する>

世田谷区の無症状感染者78人のウイルス量を調査したところ、 うち27人約3割の人がスーパースプレッダーだった
この人たちは飛沫の量がたったの0.01ml(霧状、ミスト)で他人に感染させる。
およそ1000個のウイルスで感染するが、彼らは1ccの唾液に1千万〜1億個のウイルスを持っている。
なお、少ない人と多い人で100万倍ウイルス量が違う。
もし居酒屋に運悪くスーパースプレッダーが1人でもいたら、お客は全滅する。
ポイントは換気である。
なお、この27人のうち8割は65歳以上の高齢者だった。
(2021.5.12)

<変異ウイルスの特徴>

(2021.5.11)

<変異ウイルスとみられる感染例>

(2021.5.13)

<変異ウイルス一覧表>

変異株についてまとめてみました。空欄部分は未調査です。
型名 変異 感染力 致死率 ワクチン
1回
ワクチン
2回
1 イギリス型 N501Y 1.32倍 1.55倍 18% 94%
2 南アフリカ型 N501Y
E484K
1.5倍 1.2倍 21% 90%
3 ブラジル型 N501Y
E484K
1.4〜2.2倍 16% 94%
4 フィリピン型 N501Y
E484K
強い可能性
5 カリフォルニア型 L452R 強い可能性 39% 97%
6 インド型
(デルタ株)
L452R
E484Q
2.0倍 37%
(33%)
97%
(88%)
イスラエル64%
モデルナ50%
7 インド型2 N440K 重症化率15倍
4日で重症化
8 ニューヨーク型 55% 98%
9 不明 E484K 34% 97%
N501Y:感染力が強い、E484K:免疫逃避、N440K:潜伏期間短く、重症化15倍3〜4日
ワクチンはファイザー製で横浜市立大学の研究。()内は英国の研究。
(2021.5.1作成7.6更新)
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