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我が社では現在、営業マンに営業日報を記載させて営業状況の把握につとめていますが、この度、グループウェアを導入することになり、営業日報の様式について見直しを図りたいと考えています。
日々発生する問題点を見逃さず、かつ営業マンの業務の質を向上させるような営業日報の在り方についてお聞かせ下さい。
A
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たとえば、次のような営業日報があったとしましょう。
日時 訪問先 業務内容
10/1 大阪商事 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
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・
・
10/1 大阪物流 納品
10/1 大阪製造 定期訪問
この営業日報にはいくつかの問題点が潜んでいます。
一つ目は報告内容の中から重要な事項を見つけ出しにくい点です。
一行目の業務内容には訪問先において起こったことが丁寧ではあるけれども長文にて報告されているため、管理者はすべて読み通さなければ内容を判断できません。
ある場合は重要視している訪問先からのクレームについて書かれているかもしれませんし、ある場合は特に問題のない懇談内容であるかもしれません。
また、2行目と3行目においては具体的な内容が書かれていない意味が本当に何もなかったのか、書いていないのか判断できません。
二つ目の問題点は記載内容が書き手の性格に左右されてしまう点です。
一般的に、営業日報がきちんと書けない人はよい評価をされないため、報告者は特に何もなくても報告内容を捻出し、できるだけたくさんの情報を書こうとするでしょう。
しかし、本当は何もないというレギュラーな状態があるからこそイレギュラーな状態が浮き上がるはずです。
空白が積極的な意味を持つような様式が必要なのです。
三つ目に、記載内容について管理者側のポリシーが感じられない点です。
営業日報は何のために行うのでしょうか。
最も大きな問題点はここにあります。
まず何を知りたいのか、どんな状況変化について察知したいのか、営業マンの仕事ぶりをどのような基準で評価するのか、こうした管理戦略が先になければ営業日報は単に営業マンから面倒がられる事務作業にしかならないでしょう。
営業から帰ってきて疲れていても営業日報を書く意義が納得できるものでなければ、魂のこもった報告書は期待できません。
では、以上のような問題点を考慮して先に示した営業日報の例を改良してみましょう。
第一の改良ポイントは項目と記載内容の標準化です。
問題点を浮かび上がらせるとともに、書き手の意識の向上にもつながります。
記載項目を明確化することによって、営業マンは自分自身の仕事に関して駅員が必ず行っている業務の指差し確認が可能になるのです。
第二の改良ポイントは管理戦略の明確化です。
営業日報には管理者が知りたい情報と営業マン自身(グループウェアになれば営業マン同士のノウハウ共有になるが。)が知りたい情報との二つに分けることができるはずです。
また、管理者が知りたい情報も顧客に関する情報や商品に関する情報、営業マンに関する情報などいくつかのカテゴリに分けられます。
有利な仕入戦略のためには同一製品に関する価格情報は共有すべきでしょうし、重要な顧客や問題発生時においては訪問時における同行者に関する情報も重要性を帯びてくるでしょう。
訪問回数はサービス度や営業効率を評価するためにぜひとも知りたい情報です。
第三の改良ポイントは記載項目をキーと付属情報に分けて考えることです。
これは言い換えれば分類キーを意識した様式化です。
たとえば次のような社員に関する情報があったとします。
社員番号、社員名、部署、役職、職務内容、保有資格、電話番号、住所、写真、自己紹介文、・・・
社員簿をつくる場合、社員番号順、社員名アイウエオ別、部署別などが考えられるでしょう。
社員番号、社員名、部署、役職、職務内容、保有資格などの項目は一覧をつくる際に分類・検索対象として着目される項目です。
これが分類キーです。
これに対して電話番号、住所、写真、自己紹介文などの情報は直接分類・・検索対象として指定する必要はなく、一覧表から見つけ出した結果、詳細内容として読むことができればよい項目です。
実はコンピュータ上でデータベースを構築する場合の設計技術として正規化というものがあります。
この正規化でもっとも重要な作業が元情報をキーと付属情報に分割する作業なのです。
第四の改良ポイントは入力作業の軽減と報告タイミングの見直しです。
日々の詳細な報告は営業マンにとって酷な業務であり、記載内容の質も落ちがちです。
計画と業務結果を比較して反省改善していくことは重要なことですが、毎日こうした時間を求めることは現実的でしょうか。
日報に求める内容は緊急かつ全社的に最重要なことに絞り込み、業務内容について深く見直すのは週報にしてはどうでしょうか。
週報の作成とともに翌週の週間計画を立てるのです。
営業活動の記録、見直しという計画と評価に関する業務は週単位にしてじっくりと考えさせるべきではないでしょうか。
それでは改良後の営業日報例を示してみましょう。
日時
担当者
業務内容
○新規
○見積提示
○納品
○回収
○折衝
(訪問先)
(同行者)
報告すべき状況
○特になし
○商品
○価格(メーカー、仕入先、サイズ、価格等)
○要望
○クレーム
○競合
○顧客
○請求/回収
○組織
○事業内容
関係
○良好
○悪化
メモ
(注)○は選択項目、()は任意項目
上記の営業日報をロータスノーツなどのグループウェア製品上で作成すれば、要望やクレームのあがっている案件だけを浮き上がらせたり、価格情報や顧客情報を抜き出してデータベース化することができます。

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