情報化相談室

売筋、死筋をつかむ在庫管理のシステム構築


 私の会社は機械部品を取り扱う卸売業を営む中小企業で、オフコンによる販売管理システムを運用していますが、在庫管理ができていません。
 売筋、死筋を適確に把握した在庫戦略を実現したいのですが、業者に相談したところ商品点数が多いため現在のオフコンでは実現できないといわれました。
 最新のパソコンを導入すれば実現できるものなのでしょうか。


 機械部品などを取り扱う卸売業を営む企業では取扱商品の種類が何万、何十万アイテムという多数にのぼる場合があります。
 オフコンなど従来のコンピュータではCPUの計算性能や、メモリやハードディスクなどの記憶容量の問題から商品点数の多い業種における在庫管理は実現できなかったことが多くありました。
 現在、運用されている販売管理システムにおいても棚卸し資産勘定として金額ベースでの在庫把握しかできていないのです。

 しかし、コンピュータの性能が著しく向上した現在においては何万、何十万アイテムを取り扱う在庫管理システムもめずらしくなくなってきています。
 たとえばパソコン用のデータベースソフトであるオラクル社のOracleやマイクロソフト社のSQLServerでは何百万件にものぼるデータ処理も問題なく実行できるのです。

 メモリやハードディスクの価格もパソコン用では劇的に安価になってきており、中小企業においても手の届くところにきているといえるでしょう。
 しかし、在庫管理システムを実現するためには費用上の問題だけでなく、業務上の問題にも着目する必要があります。商品ごとの在庫数量を管理するためには商品の入庫、出庫において商品の動きを追跡しなければなりません。
 在庫管理を実現するためには入庫登録、出庫登録など商品移動に関する情報登録という新しい事務作業が増えることを忘れてはいけないのです。
 1日に多数の入出庫が発生するとなると情報登録作業も短時間で行う方法を考えなければなりません。

 そのために多くの企業において導入されているのがバーコードです。

 入庫時にバーコードを貼付し、出庫時にバーコードを読み取って商品移動数を把握する手法です。
 バーコードは在庫管理には非常に有効な手段ですが、その場合でもバーコードを貼付する単位を何にするかを検討しなくてはなりません。
 売筋、死筋を把握して効果的な仕入、在庫戦略を行うためにはどのレベルまでの商品管理が必要なのか、あるいは実現性の観点からみて現実的かについて分析しなくてはなりません。

 在庫管理ができていない企業の一番の問題点はまず自社にとって管理すべき商品の単位とは何かについて考えなければならないことなのです。
 従来、在庫管理を行っていなかった企業では商品の分類コードも体系化されていないことが予測されますから、バーコード化のためのコード付け作業が実質的なスタートになるかもしれません。

 効果的な在庫分析を支援するためのしくみはパソコンソフトとして年々充実してきています。
 先にあげたOracleやSQLServerなどのデータベース製品では条件に合う情報を瞬時に抽出して回転率や交差比率などの計算結果を算出してくれますし、推定・検定などの統計解析や将来予測といったさらに高度な分析のためには表計算ソフトがデータベースソフトと連携して役立ってくれます。
 また、最近ではOLAPと呼ばれる多次元解析ツールが登場してきており、商品分類の他、色やサイズ、素材、形状など様々な商品属性によって多角的な在庫分析を行えるようにもなってきています。

 最後に、OracleやSQLServerなどのデータベースシステムの構築には高い情報化能力が業者に必要となります。
 データベースデバイスやログスペースの配置、分散処理など専門的なノウハウの有無、優劣によって構築されるシステムの性能に大きな差が出るのです。

 業者の選定においては十分な考慮をされることを提言します。



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