東武動物公園

[TOP  Water]



※入館、そして安堵.



水族館カテゴリーとしてはまったく認識していなかった埼玉は北東のはずれに位置する「東武動物公園」に、
いつのまにか魚類展示コーナーが開設されているとの情報を得て、本日はその真偽を確かめるべくいざ状況を
開始した次第なわけだが、この安定の動物園フォーマットともいえる広大なゲートとそれをくぐった先にある
広々とした池、そしてその向こうに見える遊園地的な何かを目にしただけで、本来の主目的とは関係なしに
テンションが天井しらずで上がってくるから不思議だ。
確かに「動物園」と銘打たれた施設には、成人男子の常識力と引き換えに隠蔽された筈の少年力を無理やり
呼び覚ますなんらかのパワーがあるようだ。



池の前に設置された休憩場にて「コイのエサ」が100円で販売されていたので、
すかさず購入して眼前の水面にバラまいてみた。
と、お、おう、寄りおる寄りおる、パクパクと寄りおるわー 

というわけで、この時点で 
 ※一般に開放されている施設である
 ※展示を主目的としている 
 ※展示に魚類が含まれている
の3要素を満たしたこの施設は水族館カテゴリーの一部に属すると強引にこじつけ認定。
今日も無駄足にならなくて良かった良かったとひとまず胸をなでおろす。


※魚類へと到る道.

とりあえず本日の主目的たる魚類展示のあるという小獣舎を目指しつつ、その道すがらにて
目についたアニマル達をスナップしてみた。魚類外なので例によってコメントは投げやりだ。



まずは中量級から。左は「マレーバク」。いかにも鈍重そうな風貌だが、こう見えて音や臭いには
やたらと神経過敏な生き物らしい。
その右は「ワピチ」。北アメリカの鹿の仲間で、同種族では最大種たるヘラジカに次ぐ大きさを持つとのこと。
その巨大な角の重量負荷に耐える為、首の筋肉がやたらと発達しているらしい。なんかF1レーサーちっくな
エピソードだ。



それでは重量級いってみよう。
左が「フタコブラクダ」、動物園にいそうに見えてわりかしお目にかかれないレア動物。
草を食むというその平和的行為すら畏怖になるほどデカい。
で、その右が大規模な動物園ではお馴染みの人気者「アフリカゾウ」。
土やフンを体にかける習性がある為、その巻き添えに注意との貼り紙があるところから察するに、
観察者である我々側にとって見た目ほど平和な生き物ではないようだ。



こちらも大きな動物園では定番かつ人気者の「ライオン」のつがい。
「ライオントンネル」なる観察道が設置されているおかげで、相当な近距離で見れるのは魅力。
奥さんの方が高い位置に陣取っているのを見て、なんとなくその力関係を察したりも。



こちらはかなりレア種な「ホワイトタイガー」。
尻っぺたをこちらに向けて惰眠を貪るのみであり、その御尊顔を拝謁賜ることはなかった。



鳥類系、連続でいってみよう。
左は「アンデスコンドル」。いやもうメチャメチャでかい。鳥類系なのにここまでの畏怖感を
感じさせる種族もそうはいないと思う。ちなみにコイツら死肉しか漁らない故、狩りは基本的にしないらしい。
随分と見掛け倒しだ。
そして右は「ソロクジャク」。こちらはもう「えー?」と思うくらい長い。
あのクジャク的な扇状に羽を開いた美しいイメージが完全に覆された感は結構インパクト大だ。


※麗しのペンギンさん.



ここらでそろそろ水族館的な生物の紹介を一つ。
というわけで常に動物園と水族館の境界線上に存在する、この世で最も麗しい生き物ことペンギンさんの登場と相成った。
流石に著名な動物園だけあってペンギン区画全体の完成度はかなり高い。
あちこちにある擬岩の配置具合やその周囲の海を模したプール形状になかなかの趣き的な妙が感じられる。



オーソドックスなペンギン色たる白黒主体な色支配の中にあって、丁度換羽の時期らしい茶色のペンギン達や、
基本「フンボルト」属の数押しな中に混ざって、一族の中でも抜きんでた巨体を誇る「オウサマ・ペンギン」の
白黒黄な三色カラーがなかなか面白いアクセントになっていた。


※レッツ・ミー・エンターテイン・ユー.

丁度「オットセイ」のショーの時間になったので、ペンギン区画のすぐ傍にあるショー用区画へと向かってみることに。



で、その芸の出来栄えはというと、贔屓目にみても少々残念感漂う完成度ではあったが、
懸命に芸を誘導しようとするスタッフと、当の演者たるメテオ君とのすれ違いコミュニケーションは
なかなか面白いことになっていた。特に前ビレによる拍手を誘導しようとするお姉さんのフリに対して
「それ面白いつもり?」的な憮然ツラをするメテオ君の挙動にはかなり微笑ましいものがあった。
もちろんショーの本分としてはその完成度が高いにこしたことはないが、まあ低いなら低いでいくらでも
楽しみようはあるものだ。


※いざ入館.



目指すべき場所はラクダ区画のすぐ隣、入り口のヤマアラシ君が目印な旧小獣舎の中にあった。
外見がわりと立派だったのでそこそこ期待していた分、中に入って即「あ、小っさ…!」となる。
入り口から民間レベルの大きさで小・中・大・特大と並ぶ4本、そしてその奥に汎用小型が4本、
どうやらこれがこの水族館の全てのようだだ。


※「地味」の先にあるもの.

手前に並ぶ水槽の主は順に「ヤゴ」「ヌマエビ」「メダカ」と見映え利かない上に小型すぎるので、
中央の特大水槽を重点に鑑賞してみることに。



まずこの水槽、一番のデカブツから「コイ」。とは言っても20センチないレベルだが。
その右はおそらくこの水槽における一番のレアものたる「ドジョウ」。
全体的に地味極まってる感が強すぎて、水底で身をよじっている「ドジョウ」を発見しただけで
喜ぶくらいに己の中のラインが下がっているのを如実に感じたり。



次にこの水槽の主戦力、ほぼ全体の8割を占める「モツゴ」、別名「クチボソ」を紹介。
ここにいる魚類はこの東武動物公園内で捕獲されたものオンリーらしいが、水質汚濁や環境変化への
適応力を考えれば、やはりその筆頭にくるのはコイ目のこれか。
その右は「スジエビ」。時折、左上部の水草から水槽底部へとパラシュート部隊のごとくケツ側から
下降していくその姿はなかなか面白く。このような地味一辺倒に見える水槽においても、鑑賞の楽しみを
見つけてこそ真のマニアよと無理やり気味に今鑑賞意義をこじつけて、その場を後にした。


※そこにある癒し.



帰り道にて「ほたリウム」なる洋館風の建物が我が鑑賞アンテナに引っ掛かったので赴いてみた。
年間を通してホタルを鑑賞できる世界初の施設とのことだが、その前にその主役たるホタルを見る準備として
半強制的に用意されている「目慣らし」イベントがなかなかに斬新だった。
これ、真っ暗闇の小部屋に放置された末、ホタル説明のアナウンスが淡々と流れる中を何もせずに(というより出来ない)
10分ほど耐えるという、子供にとっては拷問にも等しい内容なのだが、本来なら大人たるミーにとっても、
この無為極まった時間は厳しすぎた。
その中にて、視覚を封じられた上で何もすることがない空間というのは、案外と自分探しタイムに向いていると
いうことを新発見。己がマインドの中に残された最後の中二病力をフル稼働させて、こうであるべきだった自分、
そうなりなかった自分を心おもむくまま模索するもまたよしと言えるだろう。



※総合.

動物園として見るなら間違い無くA級クラスだろうが、水族館としては…
まあここを水族館と見なして鑑賞すること自体、相当に強引であることは重々承知している。
ただ「おまけ」として鑑みても、あまりにささやかすぎることが少々気にはなるが、その地味さに
面白さを見い出してしまった以上、ミーがこの他に語ることは特にない。

ファミリー ★★★★★ ファミリー王国
カップル度 ★★★★☆ これまた相当な数
わびさび ★★★★☆ かなり大
学術度 ★★★☆☆ 一応コメント説明あり
お得感 ★★★☆☆ 適している
建物装飾 ★★☆☆☆ 地味
水槽装飾 ★★☆☆☆ これまた地味
総合調和 ★★☆☆☆ 地元魚オンリーな統一感はある
憩い場所 ★★★☆☆ 目新しい
磯コーナー
ペンギン度 ★★★★☆ A級
レア度 ★☆☆☆☆ 求めるな
総合 ★★☆☆☆ あくまで私的観点と個人的意見から



[TOP  Water]