・入館

ほとんど車がない広大な駐車場スペースをひたすら転がる空き缶…

ふと右をみると、そこにはまさにザ・団地というべきコンクリート群が。
さらに視線を右に移せばそこには…


水族館が!?
いや何よりも、あの、あの中央にある、あの物体は?

これは一体なんだ?????いや何のつもりだ?
そんなわけで、入館前にいきなり強い衝撃を受けてしまった。
これはもう帰るしかないだろうとの危険信号が頭の中で点滅しまくるも、自らの強い好奇心を
どうしてもおさえることができず、私はこのミステリーゾーンの中へと足を踏み入れてしまうのであった。
それにしても、全体の存在そのもののインパクトが凄すぎる。
およそ安らぎというイメージを想起させない工業地帯のど真ン中に屹立する水族館。
そして、その敷地内の中央にポツンと突ったつ青の衝撃の、その圧倒的な存在感。
もしこれらのギャップを狙っていたのだとしたら、このコンセプトを考えた奴は天才だ。
入館料が¥300という非常にリーズナブルな設定になっているところにも好感が持てる。
ちなみに後でわかった事だが、この巨大ペンギン内には侵入可能なのである。
内部の床面がトランポリンのようになっており、思う存分に飛び跳ねられるというわけだ。
ただでさえペンギンが好きなのに、巨大ペンギンさんの内部に入れて、しかも楽しめる?
思いきってチャレンジしてみようかと思ったが、流石に1人でそれをやる勇気はなかった。
あ〜私はヘタレである。この時ほど自らの無力さを痛感した時はなかった、
・麗しのペンギン君


巨大ペンギンのインパクトから、ようやく立ち直ってきたので、ペンギン池に赴いてみる。
フンボルトさんがワサワサとひなたぼっこしている様子を、ひたすら見つめるゼニガタアザラシ君。
そんな彼等を眺めつつ、心の底からラヴ&ピースを喝采したい気分となる

文字を書く芸を持つトドがいるというので、トド池にも行ってみる。
なるほど貴方がそうですか。ひたすらボーボー吠えてるだけだった。
いくら何でもうるさすぎると思ったが、そんなこちらの心境はまったく意に介さない御様子。
文字が書けるのは良いが、それ以前にもっと空気を読んでほしいと思う。
・浦島系?

本館内に入った途端、私を出迎える巨大オサガメ。
この水族館の守護神的存在であると思われ。とりあえず拝んでみる。
水族館から出た直後、容赦なくネズミ捕りにつかまり罰金¥18000を徴収されたところから
察するに、どうやら私の願いは歪んだ方向で聞き入れられたらしい。今度会ったらお前は燃やす。
・哀愁の磯コーナー


ここの磯コーナーのメイン生物はヒトデとヤドカリだった。魚系がいないところが多少不満ではある。
妙に際立つメイン・オブジェのブリッジは、この水族館の近くにある白鳥大橋をイメージしたものだろうか。
細かい部分に郷土愛が感じられ、大変微笑ましい気分になったところで橋の上にヤドカリを配置してみた。
30分後に見たらピクリとも動いていやがらなかった。やる気ねえのかヤドカリ。
登別マリンパークのようなダイナミックな虐待は楽しめないが、ささやかなそれはプレイすることが
可能である。普段気にもしないような弱々しい生物達の命の大切さにスポット・ライトを当てたこの
磯コーナーのコンセプトは、地味ではあるが秀逸といえよう。
・館内散策
本館は1・2階構成の非常にシンプルなつくりになっていた。
まずは1階部分から散策してみる事に。

上記は1階全景である。ここで一言言わせてもらう、怖い。
ホール全体のライティングの暗さを、水槽から洩れるバックライトが補っていて、その工夫が異常な
までに怖さを助長させている。ホラー館かココは。怖すぎる。もっと怖いのが誰1人としていない事だ。
午後2時でこの状態である。これはもはや寒いを超越して圧倒的な怖さであると言えよう。
水族館という平穏なステージ上にホラー的要素を取り入れた、このコンセプトもまた際立っている。
先程の巨大ペンギン(ファファ・ペンギンという名前があるらしい)といい、このメイン・ホールといい、
これを考えたやつは何物だ >バカ者かも知れないという考えがふと頭をよぎったのはここだけの話しに
して欲しい。


またディスプレイされている生き物達が怖い。
サンプルとして怖い系を二つあげてみた。エラブウミヘビとウツボである。
得にウツボさんなどは、口をカッとあけ、今にもこちらへ噛みつかんばかりの勢いだ。
水族館のコンセプトに合わせて魚達を教育飼育しているものと思われる。怖すぎる。
・もっとボクを見ておくれようッ

そしてこれが室蘭水族館のシンボル・フイッシュにもなっているアブラボウズである。
この水族館の最大の見所の一つとも言える。何年か前は、このアブラボウズを見られるのは
全国でもココだけだったそうだ。非常にレアな部類に入る深海系の魚の一つといえよう。
さて、写真からはわかりにくいだろうが、とても巨大な上に妙な威圧感がある魚だ。
そして食べると”大変美味しい”という説もあれば、”油分が強すぎて食えたもんじゃない”
という説もあるという、正体不明の魚でもある。
深海…そこはまさに人間にとって禁断の領域であり、また神秘的のヴェールに包まれた
幻想的な世界でもある。そンな深海ロマンへの想いをかきたててくれる、このアブラボウズや
サケビクニンといった種類の魚は眺めているだけで実に楽しいものだ。
<後日追記>
このアブラボウズさんは、2005 年 5 月 03 日、大往生なされたそうです。合掌。



もう一つの見所が、2階部分にあるクジラ・コーナーだ。
一歩間違えれば退屈な事この上ない、学術的な部分に片寄ったこのコーナーも、少し視点を変えれば
大変面白いことが分かる。
さて上記の写真だが、まあ骨はどうでもいいだろう。真ん中の奴について説明する。
一つでもお腹一杯なのに、それが連弾で3つも並んでしまっているのが怖すぎるコイワシクジラの胎児。
名前を紹介しよう、左からガイアさん・オルテガさん・マッシュさん。
マッシュさんに至っては、もうつぶれてしまって見えない程だ。おそらく踏み台にされたのであろう。
そして右端のヤツはみたまンま、クジラさんのコックである。
フレームに入り切らない程のダイナマイツな大きさ、赤黒くテラ光るそのド迫力。
こンなものブチこまれるくらいなら普通舌かんで死ぬ、そんくらいグレイト極まりない代物だ。
一応拝んでおくことにした。この祈願が少しでも私の役立たずな息子の刺激になることを切望してやまない。
・電気ウナギの憂鬱

さて、このコーナーも水族館おなじみのもの。電気ウナギ君ビリビリ・コーナーである。
各水族館によって設置メカ・配置オブジェ・ディスプレイが異なるので、その辺りに注意して、
比較しながら鑑賞すると、とても面白い。
大抵の場合、「叩くな」という貼り紙があるにもかかわらず、ガキも大人もまあ叩く叩く。
さぞかし電気ウナギ君は憂鬱なことだろう。そンでもって時々ブチ切れてビリビリやるわけだが、
結果としてはガキどもを喜ばすだけ、やりきれねえよなあウナギ君、とかそンな勝手な事を想像して
鑑賞するのもわりと楽しかったりする。
ここの電気ウナギ・コーナーの設置メカは、極めてデフォルト的なもので、電撃の強さにより、
サークル上の電気表示灯が点滅する仕掛けだった。5分ほど眺めていたが表示灯はピクリともせず。
やる気ないわー、この人。
・そこにある憩い

おおかたの見物を終え、心地よい疲れを癒すために、休憩場所を探す。
と、そこには「つぶやき」の四文字が。しかも左の方に小さく水族館名物とまで書いてある。
つぶやき??? 皆がひたすらブツブツと呟いているだけのスペース?
実際そうだったら、まさに私にピッタリの憩い場所となった筈なのだが、そンなわけないわな実際。
つぶやきというのは、つぶ貝を焼いた食べ物の事であった
これは食さないわけにはいくまい。人当たりのいいおばさんに「完全なるつぶやきの食しかた」を
レクチャーしていただき、その身から中のスープまで全てを味わい尽してみる。つぶやき屋さん?の
店内の雰囲気もどことなく人をほっとさせるような何かがあり、ここならではの非常に心あたたまる
憩いを得られたような気がした。