TRIVIUM.


<2007年1月15日: 渋谷Duo Music Exchange

昨年辺りから絶賛売り出し中の「AVENGED SEVENFOLD」「BULLET FOR MY VALENTINE」と並ぶ新世代
ハイブリッド・メタルの代表格、「トリヴィアム」のライブを見に、渋谷はDuo Music Exchangeまで
行ってきました。

が、この会場が壊滅的にウンコときたもんで、いきなりロッカーなしの即席クローク大混雑を目の
当たりにしてイラっとさせられたのを皮切りに、中に入ったら入ったでこれが奥行なくて横に長いと
いう、ただでさえステージ全体が見渡しにくい構造であるところへもってきて、何故かほぼド真ん中
にデカい支柱があって見にくさ更に倍!というね。そこへきて駄目押しのとどめがフロア後方からで
さえ思い切り爪先立ちしてようやっとメンバーの頭をチラ見できる程度というステージの致命的低さ、
当然のごとくライブ前だというのに気分はすっかり萎え。この会場にゃ金輪際見にくるもんかぐらい
思いましたね。

まあ、5分後にゃそのダルダルテンションが180度ひっくり返って、今度は俄然やる気になってる自分
を再発見することになるわけですが、そりゃリクルートスーツ完全着装のまま最前へ突っ込んでいく
という漢魂溢れるミクロ系女子の姿とか垣間見ちゃった日にゃね。そんな潔さ満点の行為見て燃え上が
らないメタリーマンはいないだろーとばかり、僕も前の方へホーミング特攻してったら、開始とともに
巻き起こったダイバー達の妥協なき踵落としを連発で横っ面にくらった末、およよと崩れ落ちたところ
にドサクサまじりのチャランボくらって、即、撤退を余儀なくされることになりました。

(ROCKCITYより)

そんぐらい直後の盛り上がりっぷりにゃ凄まじいものがありましたね。アークエネミーの前座として
来日した14ヶ月前に始めて見たその時、こいつらにゃ間違いなく火が点く!と予見した僕の見立て
はやっぱり間違ってなかった! とこの世で最もうすら寒い先物買い自慢をかましたところで改めて
演奏に注目してみたら、これがわりかしぞんざい気味。いや、音そのものから受ける音圧は悪かない
んだけど、一番期待していたツインソロがかなりピキョピキョしちゃってて、従来の繊細美からはほど
遠い内容になっちゃってたような。(これ、音響のせいかな?)



それでも、渾身スクリームと激烈リフで圧しまくった後に美旋律溢れるサビメロでキメ!みたいな
かねてから定評を誇るその展開力は流石の一言。特に格別エクスタシーだったのが、スレイヤーめいた
スラッシュ的疾走力で圧倒しまくってくれた"To The Rats"と、それまでの激メタル展開から一転
してエモたっぷりにサビを歌い上げた"Ignition"。"A Gunshot…"における叙情ソロ後のユニゾンと
その後に続くオーディエンスとのシンガロング・パートにもかなりたまらないものがありましたね。

でもって絶頂クライマックスが新作からの第一弾シングル"Anthem"。
「We Are The Fire!」とガナりたてるサビ部分のこっ恥かしさといい、ステージ内外一体となって
の「ウォ〜ウォ〜♪」ってな赤面ものシンガロングといい、「このベタさ、このダサさこそ80年代よ」
とランバラルばりに大見得を切らんばかりの真性ドメタルっぷりを、今このご時世にあって貫くその
姿勢が実に潔くて気持ちいいなと。歴代の先駆者達が築きあげてきた「これぞメタル!」という魂の
矜持を見事に踏襲しきってくれた至高の瞬間だったと思います。

おしむらくは、せっかくメタリカの"Master Of Puppets"をやってくれたにもかかわらず、この曲
一番の聴きどころである慟哭後の悲哀ソロをザックリ切った短縮版で終えてしまったこと。今年もう
1回来日するようなこと言ってたから、もし本当ならその時こそフル演奏希望。もしくはギターの人
のダイム・モデルがらみでパンテラの"Cowboy From Hell"辺り、激しく希望。でももし同じ会場
だったら行かないかなあ… 


<今日の一枚>

 The Crusade / Trivium

「trivium」が示すその名の通り、ありとあらゆる優れたエッセンスを積極的に取り込んで、
それを独自アレンジでまとめあげたその音作りからは、HR・HMにおける未来の確かなる
方向性を感じとることが出来る。80後半〜90年前期のスラッシュ全盛時代をこよなく愛する
生粋のメタラーにこそ聴いてほしい、「これまで」とそして「これから」を示す入魂の一枚。



<セット・リスト>

01:Entrance Of The Conflagration
02:Detonation
03:Like Light To The Flies
04:Drowned And Torn Asunder
05:To The Rats
06:Ignition
07:Tread The Floods
08:Ember To Inferno
09:Dying In Your Arms
10:A Gunshot To The Head Of Trepidation
11:Rain
12:Unrepentant
13:Master Of Puppets(Metallica)
14:Anthem
15:Pull Harder On The Strings Of Your Martyr


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