MY CHEMICAL ROMANCE.


2007年1月10日: ZEPP・TOKYO>

メタル、ポップパンク、メロコア等の様々な音楽パーツをベースに、はたまたゴシックから
ヴィジュアル要素までをも組み合わせて、それをメロディックかつエモーショナルたっぷりに
分かりやすく歌い上げることで、幅広い層のファンを掴むことに成功。新作「Black Parade」で
もってその勢いに更なる拍車をかけつつある新世代エモの旗手、「MY CHEMICAL ROMANCE」
のライブを見に、お台場はゼップまで行ってきました。

…の筈が、会場前に行ったらいきなし以下の張り紙に遭遇。
その10秒後、凄まじく憤慨する羽目に。

 【MY CHEMICAL ROMANCE公演に関する重要なお知らせ】
 本日【1月10日(水)】のZepp Tokyo公演よりJapan Tour 2007を開始するMY CHEMICAL ROMANCE
 ですがギタリストのFrank Ieroが急病により帰国せざるを得なくなってしまったため、急遽
 サポート・ギタリストが来日することになりました。
 また上記の理由によりリハーサル時間などに大幅な変更が生じたため本日の開場・開演時間
 を「開場:20時45分」、「開演:21時30分」と変更させていただきます。
 お客様、ならびに関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしますことをお詫び申し上げます。
 なお本件によるチケットの払い戻し等は致しませんのであらかじめご了承下さい。


ちょ、おま、「開演:21時30分」って、よもやの3時間おし…!? 
よくよく考えたらコヤツら、
 ・初単独ライブ → 延期
 ・去年のサマソニ → メンバーの火傷により、来日が危ういとの噂が流布
 ・今回 → フランク急病で帰国
と、来日の度に騒動おこしてますからね。
こんなこと繰り返してたら、そら、叩かれちゃいますって↓

<カサビアン、マイ・ケミカル・ロマンスのNo.1に憤慨>
 マイ・ケミカル・ロマンスが今週の英シングル・チャートでNo.1を獲得すると知り、
 カサビアンのメンバーが不満を口にした。彼らは「文句ばっかり言ってる」エモが好き
 ではないそうだ。
 『The Sun』紙の記者から、マイ・ケミカル・ロマンスのニュー・シングル「Welcome To
 The Black Parade」が今週No.1になりそうだと聞いたトム・ミーガン(Vo)はこう話した。
 「ガギに自分を傷つけることを強制してんだろ。この手の子供たちは、自分は反逆者
 だって思ってる。でも本当は、ただ文句を言い合ってるだけだ。(エモ・ロックは)腹話
 術師の音楽みたいだ。暗くて不気味なだけだろ。ポジティヴなことは何も言わない。でも
 いいニュースもあるぜ。あいつら道化師の栄光は長くは続かない。メイキャップが剥げ落
 ちて、シーンは消える」。
 ギタリストのセルジオ・ピッツオーノはこう続けた。「全然共感できない。俺らは今を楽
 しむデカダンス派だ。平和や愛を信じてるし、他人をリスペクトしてる。でも、ああいう
 奴らは全く逆だからな。悲しいことだ。エモ・キッズはもっと外に出て、楽しむべきだな。
 俺たちのギグに来いよ。救われるぜ」。


と、このやり場のない怒りをまるで関係ない角度から叩きつけてみたところで、ふと我に
かえった僕は、自分が普段まるで縁のないお台場というデートスポットに1人取り残されて
いることを知り、すっかり情緒不安定になってしまった末、距離的にも時間的にも着いた途端、
即とって返すことになるのを承知していながらの無駄極まる一時帰宅をやむなく選択すること
になるのでした。

でもって、ただ電車で会場〜自宅の間を往復するだけの意味不明にも程がある暇つぶしを
終えて再度会場に戻ってみたら、会場周辺が前にも増して怒号・喧騒・混乱の雨あられに
包まれていて、唐突に大声で歌いだす奴はいるわ、その場で踊りだすアホはいるわ、挙句の
果てに「マラソンって転がった方が速くね?」とか意味不明のベクトルへ天文学級の馬鹿を
晒す輩まで現れる始末。

そんなところへもってきて、気晴らしにと携帯で某ネット掲示板見てたら
 759 :名盤さん :2007/01/10(水) 19:55:02
 青海と青梅を間違えたよ 死にたいよ…鬱

という書き込みまで発見しちゃう顛末ですよ。無惨極まりないとはまさにこのこと。
ヤフー路線情報によると、青梅から会場最寄の青海駅までは2時間近くかかるみたいですね。
今、現在、はるか彼方の青梅駅で途方にくれている彼の心境を考えるだに、もはや涙を禁じえ
ませんですよ、実際。

ということで開幕前からかなりのローテンションだったわけですが、出だしオープニングが、
 ・場内暗転と同時に、暗幕の「Black Parade」と刺繍されてる部分にスポット光がペカっ
 ・そのまま暗幕の裏で"The End"の演奏開始
 ・曲の転調パートに合わせて暗幕がバサッと落とされ、いざメンバー登場
 ・そのまま、ノリのよさ抜群のポップパンク・チューン"Dead!"へとなだれこむ
という、実に回りくどいけどでも最高にドラマチックな演出だったおかげで、体内ギアは
それまでのアイドリング状態から一気にトップへ。いや、始まる前はどうなることかと思い
ましたけど、そんな心配はまったくの杞憂でした。

(ROCKCITYより)

それにしてもこの弾けるような音ノリは… いや、事前に思ってた印象としちゃかなり暗めな
感じのエモロック的イメージがあったんですが、いざ生ライブで聴いてみたら、あれ?実は
もろ体育会系パンク?みたいな。サビに至るまでのコード進行なんてもう完全にメロコアの域。
その中にゃ憂いや寂寥感を感じさせるような負要素のフィールなんて欠片もなくて、むしろ
そこかしこに散りばめられてる主要素は明るく楽しく盛り上がっちゃいましょう的な健全ノリ?
その上、メロはいいわ、曲展開も疾走感抜群で心地よいわ、そこへ事前アクシデントのせいで
逆に皆の心が一つにまとまっちゃった的なジャパネスクっぽい人情ノリの一体感が加わった日にゃ
確かにこれでアガらないわけありませんな、ということで場内は出だしから大変な狂熱っぷりを
見せることに。僕自身、我が身をまるで省みないモッシャー&ダイバー達の妥協なき跳梁跋扈っ
ぷりに翻弄されまくって、ピンボールの玉よろしく自分の意思とはまったく無関係にそこら中を
右往左往させられる羽目となりました。



個人的な最大の聴きどころは、やっぱし"Welcome To The Black Parade"。
出だしにクイーンっぽいオペラテイスト漂わせてまず静かに荘厳に盛り上げたかと思いきや、
曲メロに入った途端、グリーンデイばりのメロコア路線でもってド疾走し、仕上げの曲サビ
にてニッケルバックなみのエモ迸る熱唱をブチかますという、売れセンパーツの更においしい
とこだけ組み合わせたかのようなこのハイブリッド展開を、「あまりにベタ」「独自性なし」
「はっきり言ってダサい」と叩く輩がいるのはものすごく良く分かる、分かるんですけれども、
でも、「だが、そこがいい」んだから仕方ないじゃないですか実際…! 的な花の慶次ノリで
もって、是非とも1回は聴いてみてほしい曲ナンバーワンだと思います。

その後も次から次へとクリティカルヒットをキめられまくり。
"I Don't Love You"の、これまたベタ全開だけれども、あえてその火の中に飛びこんじゃい
たくなるくらいの激情展開に心揺さぶられたかと思えば、その直後一転して今度は躍動感溢れる
"Thank You for the Venom"の縦ノリにその場をクルクル舞わされることになるというね。
これら緩急織り混ぜた進行の上手さに加え、停滞感や曲ダレを防ぐ意味での"Teenagers"や
"Mama"などの"抜き"レパートリーもしっかり持ち合わせてるってんだからそりゃ売れますわー 
これら「アゲの素」を次から次へと飲まされて、存分に高まったところへ、ラストの"Helena"
でもって武装錬金の斗貴子さん辺りに「エモスも程々にな」と言われかねないほどの超規格外
エモを叩きつけられて、完璧に仕上げられてのハッピーエンド。1時間弱と若干短かめではあった
けれど、その内容は十分すぎる程てんこもりだった良質のライブでしたね。

<その他の見どころ>
・怪我したフランクの代わりに急遽ステージに上がることになった代役の人、
 ステージ右端辺りでさんざキョドった末、たびたび袖に引っ込もうとして、
 マネージャーらしき人に手でシッシってやられてた様がかなり笑えました。
 実際にはいてもいなくても、そう大差はなかったんじゃないかと思います。

・"Femous Last Words"の前に「次の曲はアルバム最後の曲だよ」ってMC入れたら、
 ライブ最後の曲だと勘違いした会場全体に「ええー?」ってカウンターくらって、
 「俺、なんか悪いこと言った?」風にうろたえてたジェラルド君がハムスターっぽくて、
 その様が実にハニーバニーでした。


<青梅男のその後>
 978 :名盤さん :2007/01/11(木) 15:12:47
 昨日青梅に行った者です
 ライブは始まってたけれど無事に見ることができました
 心配してくれた人、ありがとう

 
980 :名盤さん :2007/01/11(木) 15:21:32
 >>978
 おおぉっ!!!
 無事たどり着いて見ることができたのか!
 良かったな! あれから気になって心配してたんだ。
 ちなみに何時頃着いたんだ?


 
983 :名盤さん :2007/01/11(木) 15:30:07
 >>978
 見られたんだね、良かった!ハラハラしてたよw

 987 :978:2007/01/11(木) 15:46:02
 マジで心配してくれてありがとう 良い人ばかりだ
 >>980
 9時30分過ぎくらいに着いたよ
 たぶん一曲目の終わりあたりだった気がする

 
998 :名盤さん :2007/01/11(木) 16:23:41
 >>987
 1曲目の終わり辺りから見れたのか!
 良かったな、すごいじゃないか!!
 大変だっただろうによく頑張ったー!


#いや、本当に良かった良かった。


<今日の一枚>

 The Black Parade / My Chemical Romance

世界制覇を成し遂げるべく練りに練られて作成されたマイケミ渾身の自信作。
メロコア・ポップパンクといった要素があるにもかかわらず、どことなく暗くて湿度
高い上にねっとりしていたこれまでのマイケミ特有の世界観を、一般受けするよう徹底
チューニングし、クラシックハード系の荘厳・華美といった重厚エッセンスを隠し味に
降りかけて完成させたハイブリッド歌謡曲の最強版。
その分かりやすさがアダとなって、一部「分かっちゃってる」系の自称音楽好きに酷評
くらったりしてるみたいだけど、寄せ集めだろうが美味しいとこ取りだろうが、これだけ
キャッチーかつシンプルにノレる音もそうはないと断言。
ロックを始めて体感した頃の基本に立ち戻って、聴いてみてほしい一枚です。


<今日の無駄T>



#暗い、ダサい、ついでにキモい、と三拍子揃って駄目駄目駄目なバンドTの代表格。
 メタル系と違って、もう少しシャレっ気あるのを期待してたんだけどなあ…



<セット・リスト>

01:The End
02:Dead!
03:I'm Not Okay
04:Cemetery Drive
05:Mama
06:Welcome To The Black Parade
07:I Don't Love You
08:Thank You for the Venom
09:Teenagers
10:Give 'Em Hell Kid
11:House Of Wolves
12:Femous Last Words
13:You Know What They Do to Guys Like Us in Prison

14:Cancer
15:Helena


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