TOWERS OF LONDON.


<2006年9月13日: 渋谷クワトロ>

「Thanks A Fuck To That!」(いろいろどうも!)
 〜ドニー(Vo)、イギリス国内におけるメディアの批判を受けて〜


現代ロンドン・パンクのニューフェイスにして最大の注目株、「タワーズ・オブ・ロンドン」の
ライブを見に、渋谷はクワトロまで行ってきました。

80年代初頭のLAメタル全盛期に出てきたかのようなヘアー立てまくりの時代錯誤ルックスに、
出だしからリズム隊全員くわえタバコで、Voのドニーも片手にビールというラフ極まるスタイル。
その立ち振る舞いだけで、こりゃ何かやらかしてくれるんじゃないか、みたいな空気を存分に
匂わせてくれたかと思えば、2曲目にゃ早々と客席ダイブ。主役自らクラウドサーフをお楽しんだ
ところで、お次は人間バイブレーターのような動きでステージ上をひとしきりのたくって、更に
「オキロー!」と絶叫。でもってもう一度懲りずに客席ダイブというね。直後、あっという間に
グラサンの片目割られてましたけど。でも気にせずそのままかけ続けちゃうよみたいな、そこら辺
の感覚が最高にバカで、けどそこが最高にカッコいいという、これぞパンクの見本!みたいな
エンタっぷりを思う存分魅せつけてくれてましたね。

もちろん演奏面においてもはっちゃけまくり。リフ・メロ・サビ全てにおいてベタ全開なド直球を
恥ずかしげなく次から次へと投げ込んでくる辺りの居直りっぷりに加え、基本パンクサウンドなのに
しっかりとしたギターソロがあって、これが案外巧いというね、挙句にゃインギばりの背中弾きまで
やっちゃうという、パンクとハードロックの折衷サウンド的な演奏スタイルは、普段HR・HM系を
主戦場としている僕にとっちゃもろにツボでした。

更に言うなら、B級映画ノリとでもいうか、セックスピストルズに通じる俗っぽさとでもいうか、
いい意味でこりゃ真面目にやってねーわ、っていうトリックスター的な脱力感が。いいかえるなら、
あーあ、こんなに盛り上がっちゃってまあ〜、みたいなニヒルな視点を自分・客双方に向けて、かつ、
それを楽しんでるみたいな雰囲気があって、元来パンクってそんな真面目にやるもんじゃないだろと
思ってる自分としては、そういう点もすごくパンクっぽくていいなあって、そんなことを如実に感じ
ちゃいましたね。

あと、ピンヒールに激ミニスカ、かつポニーテールという、スタンディングライブでもっとも
やっちゃいけない部門をぶっちぎりで三冠達成してたお姉さんが、最前で踊り狂ってた姿がすごく
印象的でした。いつかまた会いたいなあ〜


<今日の一枚>

 BLOOD, SWEAT & TOWERS / Towers Of London

ここまでヒネりのない真ん中サウンドも今時珍しいんじゃないかと思うくらいのド直球ノリ。
イギリスのバンドなのに全然それっぽいインテリジェンスを感じないどころか、諸手を上げて
「僕あたま悪いです!」と吠えちゃってるような単純明快さと、それでいてきっちりメリハリ
をつけた多面的な音楽性、この両要素のギャップが彼等最大の売り。ただの一過性バカでは
終わらないと思わせるだけのポテンシャルを十分に秘めている一枚なので、直球パンク好き
には是非とも聞いてほしいですね。(特に"King"は名曲)


<今日の駄目T>



#これまたかわり映えのしないTシャツ。
 まだファン少なそうだし(実際、客も少なかった)このままバンドがツブれたらレアもの
 認定されるかも、といった不埒な欲求を抱く以外には使えなさそう。



<セット・リスト>

01:I'm A Rat
02:Beaujolais
03:Northern Lights
04:On A Noose
05:Good Times
06:Fuck It Up
07:How Rude She Was
08:I Lose It
09:Kill The Pop Scene
10:Son Of A Preacher
11:Air Guitar

12:King


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