BON JOVI.


<2006年4月8日: 東京ドーム>

 (ROCKCITYより)

唐突ですが、皆さん、初めて見に行ったライブってなんでした?
ちなみに僕は「ボン・ジョビ」です。厨房の時、見に行った1987年の"Sleepy When Wet"ツアー
武道館公演です。ジョンがピーターパンばりにお空を飛んだ時です。良席で見たいあまりチケ
売り出し前日、ぴあ前に徹夜で並びました。はじめてのチケ取りです。大人の階段昇った気分
で並んでました。ついでにこのときはじめてタバコも吸いました。「俺大人だから」って感じ
のいかにもなしたりツラしつつ、フーフーって吸ってました。いや、むしろ吹いてた。タバコ
って吸う前に吹くものだと真剣に思ってました。だってねえ?吸ったらケムケムだべ?だから
吹く。そんな僕を見て周りの大人たちはクスクス笑ってました。「どこの類人猿だよ?」的な
視線で。

というわけでボン・ジョビです。僕にとっちゃイコール青春の傷跡ナンバーワンバンドです。
でもって未だに大人気、今じゃ界隈きってのアイドルバンドです。コアなメタラー達の間じゃ
「好きです!」っていうがいなや鼻で笑われること間違いなし鉄板バンドです。だからその辺
わかってる奴は皆、隠れボンと化します。僕自身もその例に漏れない1人でした。が、以前だっ
たら絶対行かなかったような邦楽系バンド(サンボ・銀杏)とかポップ系洋物とかのライブに
誘われて行くようになった辺りから、その辺のことがまるで気にならなくなってきました。
これ、音楽的な幅が広がったと考えていいのでしょうか?節操がなくなったともいうね、うん。
だから今なら躊躇なく言える、僕はボン・ジョビが好きでした!そんでもって今もわりと好き
です!だからライブにも行っちゃいまーす! 

とまあ、エクスキューズ的意味合いの濃いカミングアウトも無事すませたところで、行って
きました、水道橋は東京ドーム。で、通常のステージ脇からでなく、ドーム後方の客席の間
からいきなり登場してきたメンバーを見て早くも興奮。その後、センターステージに1人居
残ってそこで歌うジョンを見て更にヒートですよ。しかもいきなり豪快にギター投げ。こりゃ
確かに盛り上がる演出かも知れません。

でもってその後、アリーナ観客席の中をつっきってメインステージへ上がるや否や歌いだした
2曲目が"You GiveLove A Bad Name"ときた日にゃますますアガるしか…!と思いきや、
粗悪なドーム音響によるテンション・ダウンという罠がそこに待ち構えていました。もう小さいわ、
こもってるわ、ボヤけてるわ、響かないわ、聞き取りにくいわの5重奏。確かにジョン自身の
声もあまり出ていなかったけれど、それ以上にPAが、いや、ドーム自体の音響が極悪すぎま
したね。まあ、ある程度分かっていたこととはいえ、ストーンズの時にはそれ程感じなかった
ので安心していたらこのザマですよ、それともこの辺がチケ代の差に表れていたのかなあ?
(ストーンズ:¥15000、ボン:\9000)

 (ROCKCITYより)

ただステージ効果、特に背面全てを埋め尽くす巨大モニター設置のアイデアは、もともと席が
後方で、しかもいつもなら必ず持ってくる筈のオペラグラスを忘れたこの身としては、すごく
ありがたかったですね、特に実映像を映す中央のメインモニターと、主に炎やフラクタルなどの
エフェクト動画を表示するその周囲のサブモニターとのマッチング効果が抜群だと感じました。

まあ肝心の内容そのものに関しちゃ、音響でホヘーっとなってしまったせいもあり、終始のめ
りこむとか入りこむというには程遠いテンションを維持し続けてしまったわけですが、それでも
"Runaway"・"Livin' On A Prayer"辺りの初期曲、特に"Wild In The Streets"のサビ前に
おける「わーわーわー」ってところ辺りにゃ流石に感慨深いものを感じちゃいましたね。
聴いて口の中でもごもごハモったりしてるうちに青春スーツをフル装備だった当時の自分のアホな
振る舞いとかが、こう頭の中にフラッシュバックしてきたりしちゃって、やっぱそれなりに気分が
高揚しました。

あと、ボンちゃんのクリティカル・スキルの一つ、「歌詞の良さ」っていう長所をこれでもか
ってくらい活かしたような新曲、"Have A Nice Day"にゃ、文句なしにノックアウトされました、
いや、ベタなことは自分でもよく分かっているんですけど、サビ部分の、
 やりたくないことは やらなくてもいいんだ
 自分らしく生き ダイヤモンドみたいに輝いて サイコロみたいに転がって
 岩肌に立ち 俺だって飛べるんだと そして いつか世界に向き合うことになっても 
 きっとこう言おう Have a Nice Day!

ってところがすごく好きなんですよね。そんでもって日本語圏外なのに、歌詞に感情移入
させられちゃうってな、他の外タレにゃあまりない強みだなあ、とも思ったり。

うん、全体的に見れば、興奮した・感動した、というよりは、終始、あー懐かしいなーって
感じのテンションで、ユルユルと楽しんだライブだったかも知れません。でも次回もドームなら
たぶんもう行かないかな。
あえて難を述べるなら、"These Days"や"Always"などの必殺パートをやってくれなかったのには
少しがっくしきましたけれど、原曲をアレンジしまくりで歌っていた今のジョンの衰えを
鑑みるに、ああいった高音域のキーがキツい曲は、逆にやらなくて正解だったかもしれません。
でもって、そのボテ腹だけはいただけなかったものの、腕の骨折という来日前のアクシデント
をまったく感じさせない流麗なプレイを終始聴かせ続けてくれたリッチーに、今ライブのMVP
を進呈したいと思います。

 (肩の骨が折れているんで、ギターのかけ方が特殊)


<今日の一枚>

 SLIPPERY WHEN WET / Bon Jovi

言わずと知れたボン・ジョビの出世作。
「え?当時はこれが本当にメタルだったの?」と、思わず首を傾げたくなっちゃう程の音の
軽さは否めないけれど、ほぼ全曲シングルカットできそうな曲メロの良さとキャッチーさは、
今、聴いても、やはり群を抜いて秀逸と言わざるをえません。特に"Livin' on…"と"Wanted…"
に代表される、動と静のバランス構成は見事の一言。音にヘヴィなものを求めないのであれば、
メタルの歴史を知る意味でも、メジャー受けするメロとは何かを知る意味においても、絶対
必聴の一枚だと思います。


<今日の駄目T>



#一緒にいった友達に「こりゃダサいわー」って苦笑されました。
 …え、えと、これ、まだ全然マシな方だと思うンだけど…




<セット・リスト>

01:LastMan Standing
02:You Give Love A Bad Name
03:Complicated
04:Born To Be My Baby
05:Story Of My Life
06:I'll Sleep When I'm Dead
07:Runaway
08:The Radio Saved My Life Tonight
09:Bounce
10:In These Arms
11:I Want To Be Loved
12:I Won,t Back Down
13:Have A Nice Day
14:Who Says You Can't Go Home
15:It's My Life
16:I'll Be There For You
17:Blaze Of Glory
18:Bad Medicine
19:Raise Your Hands
20:Livin' On A Prayer

21:I'd Die For You
22:Wild In The Streets
23:Just Older
24:Someday I'll Be Saturday Night
25:Treat Her Right

26:Wanted Dead Of Alive


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