HELLOWEEN.


<2006年3月5日: 川崎クラブチッタ>

メイデンフェスの前夜祭だー!とばかり、勢いだけで赴いた蛮行がたたって全身筋肉痛になった
一昨年前への反省もあり(間にヒューズ/ターナを挟んで3日連続でした)、今回は流石にスルー
だろうと、当初はそう考えていた筈でしたが、新作聞いてみたら思ったより良かったのに加え、
やたらチケのはけ具合がよくてこりゃ当日券でそうにない?的チキンハートが警鐘を鳴らしちゃ
ったのもあり、結局、惰性に任せて行ってきちゃいましたよ、川崎はチッタまで。

まあそんな経緯もありモチベ若干薄め気味だったので、今日は後ろでユルユル見てようと若干
引き気味にポジショニングとっていた筈が、何故か1曲目が終わった時点でほぼ最前列近くにいる
自分を再発見してしまい、その場に唖然とする羽目に。そのような行動をほぼ無意識のままとら
せてしまうほど、今回の登場シーンの子芝居っぷりにゃナイスなものがありました。何せ舞台暗転
のち、あの守護神伝ジャケの魔法使いをコスった人がしずしずと現れて怪しげな呪文をひとしきり
詠唱したかと思えば、いきなり左側にスポットがビカって当たって、そこにサシャが仁王立ちして
んだもの。しかも立ち位置、アンプの上。当然、速攻で吹きました。なんのヒーローショーなんだ、
これは? 続けて今度は右側にスポットが当たって、そこではアンディが腰に手を当ててのお気取り
ポーズ。当然、立ち位置、アンプの上ね。そこからOPナンバー"The King For A 1000 Years"
のイントロが鳴り出すとともに右手からヴァイキーがタバコくわえたまま駆け出してくる、と同時に
「ヴァイキー様ー」って黄色い悲鳴が一斉に鳴り響いて、そこで”Just a Little Sign”のジャケ
写真をコスったつもりらしいウサ耳女が4〜5人で跳梁跋扈。これで笑わずしてどこで笑いますか。

というわけで立ち上がりは最高だったんですが、このOPナンバーがあまりに壮大かつ長尺すぎた
ことが祟って、本来なら一番盛り上がる筈の"Keeper Of The Seven Keys"辺りですっかりガス
切れになる始末。やー、7分以上の長尺曲を前半に2曲もやられちゃうと流石に流れがダレますね。
あとアンディの声があまり出ていなかったことも少し気になりました、頭は若干ハゲ気味だし… 
はまったく関係ないけど、それにしてもカイといいキスクといいこのアンディといい、どうして
ハロウィンの歴代VOは皆ハゲる運命にあるのでしょうかね?などと考えていたらすっかり足が痛く
なってきてしまったミーが(ライブに集中できていないとこうなります)、片方の靴を半分脱いで
屈伸運動しつつ「あー気持ちいいー」などと嘆息をあげていたところへいきなりの人波が押し寄せて
きたその結果として、僕はその靴の片方を至極あっさり失う羽目になりました。めでたしめでたし!
この時点でよっぽど帰ろうかと思いました。

そんなこんなでヨレヨレだった中盤に比べ、疾走曲をズラっと並べた後半からの畳み掛けっぷり、
特に"Power"・"Future World"から、最新曲の"Invisible Man"へと繋げて、一気に客をアゲ
させたそのもっていき方には流石ベテラン!と思わせる風格めいたものが存分にあったかなと。
や、正直、"Invisible Man"のイントロが流れたときは「最後にコレ〜?」って感じの疑問系だった
んですが、改めて聴いてみたらこれが歴代の名曲に勝るとも劣らない、すっごくいい曲だったんで
ちょっと感動しちゃいました。ここ3〜4年のアルバム内容見る限り、そろそろヤバいかなと思って
いたけどハロウィンまだまだイケてるかも。あと前公演でノリをもろに断ち切るきっかけとなって
しまっていた"Power"ソロ部分での客との掛け合いを完全に省いたところとかもグーだったんじゃ
ないかと。

ちなみに僕が選ぶ今ライブ一番の見どころは、ドラムソロ時のやたら子芝居がかったコント的演出。
本職のダニーが迫力たっぷりにドカドカやってるその横で、ミニキット使用して張り合うようにペコ
ペコ叩きつつ、いかにも訛ってる風の英語でさんざわめき散らした末、最後に「やってらんねーぜ」
とばかり、そのキットを全破壊して嵐のように去っていったマーカス(b)の、そのお笑い的絡みね。
これにゃかなり笑わされました。(そいやサシャのギターソロ時も同じようなことやってました、
その時はダニーが出てきて、オモチャのギターを半ばやけくそ気味に掻き鳴らしてましたよ)

まあ、盛り上がりって部分に関しちゃ若干苦しい部分はあったかもしれないけど、その分、危険な
ダイブやモッシュなども一切なく、終始和んだ雰囲気でお気楽に楽しめた良質のライブだったと思
います。ヴァイキーのギター音が相変わらずピキョピキョだった件や、ドラムの裏であくびしながら
タバコ吸ってた件については、あのユルさ及びダラしなさがヴァイキーの良いところだと無理やり
思うことにしたのでたぶんアリ。が、こちらが本家本元な筈の"I Want Out"がノリ・演奏のレベル
ともに昨年のガンマレイに及んでなかったってのにはちと憤慨。そこだけは納得いかないかも。


<今日の一枚>

 Keeper Of The Seven Keys 〜The Legacy〜 / HELLOWEEN

かつての黄金期よもう一度と言わんばかりのネーミング。再び天下とったるわー的気合はまあ
いいとして、それをアルバムの名前に向けちゃうセンスと方向性についてはいかがなものよ?と
半分小バカ状態で聴いてたら、これが思ったより全然良くて、ちょっと驚いちゃった最新作。
あの名曲"Keeper Of The Seven Keys"の第2章とも言うべき大作のOP曲、リフの切れ・
サビメロの作りともに秀逸な"Mrs.God"、これぞメロスピの王道とも言うべき"Silent Rain"
等々素晴らしい楽曲が目白押し。アンディ加入以降の作品としては"Master Of The Rings"に並ぶ
最高傑作だと思うので、メロスピ指向のメタラーは確実におさえておくが吉。


<今日の駄目T>



#どこからどこをどう見ても酷いデザインですが、これでもメタル系のTシャツにしちゃ
 かなりマシな部類に入る方だってことがあっさり分かっちゃう、そんな自分が最近イヤです。




<セット・リスト>

01:The King For A 1000 Years
02:Eagle Fly Free
03:Hell Was Made In Heaven
04:Keeper Of The Seven Keys
05:A Tales That Wasn't Right
06:Dani's Drum Solo With Markus
07:Occasion Avenue
08:Mr.Torture   
09:If I Could Fly
10:Sasha's Guitar Solo With Dani
11:Power
12:Future World
13:Invisible Man

14:Mrs.God
15:I Want Out

16:Dr.Stein


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