OASIS.
<2005年11月21日: 国立代々木競技場・第一体育館>
「まずCDを買え。それから車で聴け。
あと、俺をみかけてもサインは求めるな。そんな暇はないんだ」
というノエルの発言を受けて、だーれが見に行くもんかと固く誓った筈のサマーソニック。
結局スタンドからガン見してしまうというあまりにも無様な負け犬っぷりを晒す羽目になった
僕の、その時の言い訳は、「ほ、ほら、単独で来てもまず行かないし、こういう機会じゃない
と絶対見ないから、ね!」でした。
まさか単独公演まで見に行っちゃうとはね。
い、いや、ほら、たまたまライブ当日の早朝にヤフオクぼーっと見てたら、つい手ごろな出物を
見かけちゃったもんでね、た、たまたまね、ワンワン!なーにが「単独で来てもまず行かないし」だ。
こんな自分がダイスキです。あとノエルが「リアムがハゲたらツアーはやめだ」って言ってたから、
でも、だって、それってもうすぐじゃん、ねえ? みたいなノリでワンワワン!
で、ゲトしたチケが末席のDとは言えスタンドじゃなくてアリーナだったんで、正直ラッキーぐらい
思いながらいそいそとその場所へ向かったら、本当に会場の最後尾部分だったもんだから、位置が高い
スタンドの方が全然見やすいという本末転倒なオチが待ち構えていた上に、前方がまるまるPAエリア
という障壁も加わって見にくさは更に倍。おまけに前の席の奴が身長190センチはあろうかという
デカブツときたもんだから見にくさは更に倍の倍。やっぱしライブ当日にぽっと出るブツはハズレなん
だなあということをしみじみ思い知らされる羽目に。
今日の教訓: いくらアリーナとはいえ後方すぎるなら、スタンドの方が100倍マシ。
そんなわけでライブ中はほぼずーっとオペラグラス越しにステージ眺めてました。
それにしたってリアム、動かなさすぎじゃね?右ポケに手ェ突っ込んだまま、若干低めのマイク位置
に合わせて体を右斜めにチョイ曲げつつしゃがれ声でガナりたててるその姿は確かにカッコ良く見え
ないこともなかったけれど、でもこの人って本当に微動だにしないのね。
流石、デビュー当時、メディアから「ただ突っ立っているだけのボーカル」と酷評されたただけの
事はあるナァと思いました。でもって、兄貴のノエルが近づいてくるたびに、ほんの少しだけ位置を
譲ったりしてね。だけど見てるこっち側としては、彼等がステージ上ですれ違うだけでドキドキもん。
何せ、奴等ときたら、兄弟ゲンカのエピソードをちょっと挙げただけでも…
・初海外ツアー時、ノエルを除く他のメンバー全員が船内で暴れまくってブタ箱へ。
別便で向かったノエルは、そこに着いた途端、自分以外のメンバーの誰1人として
その場所に辿り着けなかったことを知らされ大魔人化。
その後、リアムの「ロックっぽいだろ?」という言い訳を聞いて更にキレたという。
・ギグ途中、リアムが薬キメてんのにノエルが気づき大激怒。
が、注意した途端、何故か自分がタンバリンによる顔面殴打の逆襲をくらうことに。
・セカンド作成時、ボーカル録りを終えて暇になってしまったリアムが大暴走。
ホテルにグルーピーを連れ込んで飲めや歌えやの大騒ぎ。これに堪忍袋の緒が切れたノエル、
部屋中にあったものを手当たり次第投げつけた挙句、とどめとばかりリアムをバットでボコに。
・1996年の米ツアー時、「引越しが忙しい」の一言でライブをすっぽかしたリアムの所業に
ブチきれて、おなじみのブン殴り合いを繰り広げた末、何もかもおっぽりだしてイギリスに単身帰国。
ね?これもんだもの。
そういう意味で言うなら、音楽にまったく関係のないレベルという制限付きで、抜群の緊張感が味わえた
ライブではありました。なるほど、確かにこんなバンド、オアシスぐらいだわ。
(まあ、今の関係は至極良好らしいけど)
あとドラマーのザック・スターキーが良かったですわ。
リンゴの息子というだけで、ビートルズ・マニアのノエルに拾われたのかと思ってたら、これがとんでも
ない認識違いで、そのストロークの強さと見栄えの良さにゃかなり圧倒されるものが。
途方もなく下手すぎてドラマーなのに「お前はドラムに近づくな」と普通に言われちゃった元メンバー
のトニー辺りに、爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいだと思いました。
や、トニーはトニーで別の意味でものすごくて、インギに「世界でも1・2を争うほど凄まじいバカ」
扱いされたボー・ワーナーとドラムバカ世界一決定戦をガチバトルできるくらいのツワモノでもあったん
ですけどね。
<参照資料:トニー・マッキャロル伝説>
・デビュー間もない下積み時代、ドラムセットのネジを閉め忘れて叩いた途端にその全てを崩壊させる。
・それから程なくして、苛められキャラとしての確固たる地位をゲット。
・まずリアムに「ちょっとでもくだらないこと言ったらブン殴る」と言われる。
・ベースのギグジーにゃ「ちょっとでもくだらないこと言ったらナイフでブッ刺す」とまで言われる。
・そのことをノエルに相談したら、「安心しな、俺が先に刺してやる」と返される。
・そのうち唯一の味方であったはずのボーンヘッドにまで、いじめられるように。
・その後、クラブでDJに"Live Forever"をリクエストしたら、本当にリアムに殴られる。
・挙句、レコーディング中、「お前はドラムに近づくな」とまで言われる。
・その2週間後、至極あっさりクビになる。
うーん、今のドラマーがザックで本当に良かったと心の底から実感。
リンゴばりののっぺり面から繰り出されるキースムーンばりの迫力ビートは、そのギャップも手伝って、
ノエルのギター以上に目だってました。特に最後の"My Generation"なんて完全に前のめりになっちゃって、
もうこれでもか!ってくらいバッコンバコン。で、その必死っぷりを自分の歌パートが終わったリアムが
ステージ端から「おーやるー」って感じで煙草プカプカふかしつつのんびり見てたりしたのが、妙に間抜け
な感じで面白かったです。
加えて、代表曲"Wonderwall"を歌う前の、
弟:「日本のレディに捧げるぜ、ワンダーウォール」
兄:「あと、レズビアンとゲイボーイに」
客:「イエー」
兄:「お前ら、英語、分かってる?」
客:「イエー」
兄:「(弟に)こいつら全然わかってねーよ」
って、やりとりもすごくバカっぽくて、心がほのぼのと温まったのでアリだと思いました。
あと、既に分かりきってることではあったけれど、実際にライブ見てみて更に実感。
本ッ等、コイツら、曲だけはいい!極めてシンプルな音作りな筈なのに、妙にスケールでっかく聞こえる
んですよね、コイツ等の音って。特に"Morning Glory"と"The
Masterplan"、切々と響くそのメロディ
の素晴らしさたるや…!最近じゃ、もうノエルのセンスは枯渇した、なんて言われてるそうですが、いや、
まだまだどうして。新譜においても"Turn Up The Sun"における終盤間際のつまびきソロパートとか、
その辺のセンスに関しちゃ兄貴の方はまだまだ非凡なものたくさん持ってると思いますよ、いや、弟はゴミ
かもしれないけどね(By ジョージ・ハリスン)
で、一番期待してた"Don't Look Back In Anger"の大合唱シーンですが、サマソニの時に体験したほど
オーディエンスとの一体感といったものがなかったのが多少残念ではあったけれども、ある程度の鳥肌めいた
ものは感じられたので、まあよしとします。
<今日の無駄T>
#久々に普段着にできそうなTシャツを購入。
まあ、極端に酷いデザインのがなかっただけなんだけど。
そういう意味じゃいかに普段見てるHR・HM系のセンスが酷いものであるかということを
まざまざと思い知りました。