ARCH ENEMY.


<2005年10月22日: 新木場コースト>

去年2月のメイデン・フェス時、6月の単独公演と、既に2回見てることもあり、今回はまったく
行く気ナッシングだった筈のアークエネミー今来日公演でしたが、元々何もすることがない土曜
だったのに加え、15時頃まで部屋の中にとじこもってヌボーッとしてたら、なにか無性に体を
動かしたくなってきてしまったので、思いたったが吉日とばかりそのまま外に飛び出して、僕は
一路真っ直ぐ新木場のコーストへと向かったのでありました。

ところで皆さん、ライブ観戦の折、まだ行ったことのない会場へ何の頭も使うことなく楽に辿り
着くための、もっとも有効な手段をご存知ですか。答えは「もっとも派手なメタルTシャツを着て
いる人の後ろに黙ってついていく」です。で、その完全かつ完璧な方法に従い僕が今回誘導されて
いった場所は、何故か清掃工場でした。 着るなよ、清掃職員が。メイデンTシャツを。
このアクシデントで(僕だけが一方的に悪いとはいえ)あまりにカーっときすぎてしまったもんで、
ライブ前に一番やっちゃいけない禁忌の一つ、やけ食いをその近辺の食堂で実行するに至ってしまう
ことに。

で、実際の開始時間からほぼ1時間遅れて会場入りしたら、既に前座のトリヴィアムが始まってて、
それが思ったより全然良かったので曲に合わせてノリノリで頭ふってたら、ほぼ15分立たずして
トイレ直行、胃の中の積載物を全て口から排出させる破目とあいなりました、いい気味です。(僕が)

それにしてもトリヴィアム、悪くなかったですわー
デス系のライブじゃまったくの前知識なしだとそのあまりの音圧に、何を歌ってるのかどころか、
どんなメロを弾いているのかさえよく分からないことが、多々あるのですが、(メイデンフェスの
時に見たアークエネミーがそんな感じでした)コイツ等の音はコア系にメロデスを足したような
音作りであるにもかかわらず、実にクリアで分かりやい、まずそこが良かったです、加えてその
音圧自体も今日のメインであるアークエネミーより上っぽかったし、時折アクセプトかよ!と思う
ようなフォメーション陣形を実にこなれた感じで使いこなしてたし、VOが「ツギノキョクワー」とか
「オモイキリトベー」とかやってるところもまんまスリップノットのコリィみたいで面白かったしで、
初見としては言うことなしの3重丸。今後もきっちしチェックいれていきたいと思います。

 01:Rain
 02:Drowned And Torn Asunder
 03:The Deceived
 04:Suffocating Sight
 05:Ascendancy
 06:Like Light To The Flies
 07:A Gunshot To The Head Of Trepidation
 08:Pull Harder On The Strings Of Your Martyr

で、次はいよいよお待ちかねのアークエネミー! …の筈だったのですが、あの容姿端麗ギタリスト、
クリストファー君が本来いるべき位置に、単なる嫌ヒゲブサイクが居座ってギターかき鳴らしてると
いう悲惨極まりない現実を見てしまった途端、そのあまりの出来事に思わず脳がゲシュタルト、自我が
確実に崩壊しかけました。

後で調べたらクリストファー君、「飽きた」の一言で、3ヶ月ほど前にあっさりバンドをぬけちゃった
らしいですね。一見すると大人しそうなんだけど実は極めてプッツンしやすいキャラという、そのアニメ的
設定がすごく好きだったのに… 残念至極とはまさにこのこと、またギターの調子をおかしくした挙句、
スタッフに八つ当たってギターごとドーン!とかやってほしかったのになあ… なのにその代役がよりに
よってあの嫌ヒゲ・ブサイクだなんて、どこをどこからどう見ても酷すぎる、あんまりだ…!
(いや、ギターテク的にはまったく問題なかったけれど)

僕が受けた衝撃はそれだけのみならず、ふと気づけば真横にいた上半身スッパの刺青外人が興奮のあまり
究極モッシャー・アバレンジャーへと変身して、僕に越中ばりのヒップアタックをガンガン仕掛けてくる
始末で、そのテラテラに光った裸体からダイレクトで伝えられる汗汁があまりにもキモくてメロリンQ−!
ってなりかけたので、こりゃイカンと慌てて後方へ退避すれば、そこで僕を待っていたのは、デフォルト
状態で鉄雄最終形態を軽々と凌駕していると思われる最強にハードコア強まったサモハンキンポーでした。
これまた、ただでさえ途方もないデブで柔らかくてズブズブなのに、そのうえTシャツがグッショリと
濡れてるもんだから、もうキモいのキモくないのって。挙句、ドラムのリズムに合わせて太極拳の演舞
はじめたの見たときにゃ、あまりのことに危うく額のホクロからチャクラが開きかけました。
ステージ上には嫌ヒゲブサイク、前方に刺青アバレンジャー、後方に演舞のキンポー、なに?もう死ねと?
(いっそ?)

 
(ROCKCITYより)

で、ライブそのものの感想としては、まずアーエネ最大の名物アンジェラ嬢のデス声があんまし目立って
なかった点が多少なりとも気になりました。最初に聴くとなんじゃこれ?ぐらい思うけど聴き慣れるに
つれてどんどんハマっていって、そのうちそれなしではいられないようになるという麻薬的魅力を持つ
あのヘルハウリングがまるで迫力不足で、やっぱジェンダー的ハンデは拭えないのかなァとかちょっと
思っちゃいました。でもMC時の声が、歌っている時のあのデス声とはうってかわってかなり甲高い声
だったので思わずギャップ萌えしかけました、ア・ン・ジェ・ラー♪

 (ROCKCITYより)

それからアモット兄さんのギターは相変わらず神でした。
特に"Burning Angel"における哀愁ソロの悶絶級の素晴らしさっつったらもう…!(身悶え)
加えて新譜からの楽曲におけるソロパートの出来がこれまた良くて、例えば引っ張って引っ張っての
展開からシェンカー級のメロウな音色に転じる"My Apocalypse"とか"Taking Back My Soul"に
おけるミドルから急転調しての疾走ソロ、空間的な広がりをまざまざと感じさせる"Skeleton Dance"
のソロなど、生で聴いたらこれが思ったより神がかってる曲ばっかしで普通に身震いしちゃったり。
ハードビートに分かりやすさ抜群の哀愁ソロをぶちこまさせたら、マジで今、世界一かも知れないよ、
アモット兄さん。おしむらくはその位置が客席から見て左側であることを失念していたのがただただ
悔やまれます。リードギタリストの位置はどうせ右だろとそっち側に陣取ったらもろ逆なんだもの。
でもって前には例の嫌ヒゲブサイク。どんだけツイてないんだって話しですよ、実際。

まあ、でもライブ自体の出来は、演奏パフォーマンス的にも、客のノリ的にも、前回時より数段
良かったんじゃないかと。なんだかんだいってもやっぱアモットのプレイにゃ相当しびれさせて
もらったし、周囲のノリにもかなり引っ張られたしで、僕的にも今日のステージには至極満足…
…な筈だったんです、アンコール前までは。

なんかね、アンコールに入った辺りで前の奴がいきなり携帯とりだしてビデオモードで撮影とか
やり始めたもんだから、それがもう気になっちゃって気になっちゃって。いや、ワンショットくらいなら、
あーしょうがねえなーって感じで普段はスルーなんですけどね、ソイツずっとなんですよ、アンコール中、
ずーっと。で、暗闇の中にカメラのディスプレイだけがポツンと光ってるもんだから、もう気が散るの
散らないのって。絶頂だった筈のテンションはものすごい勢いで急降下、楽しかった筈のライブ気分も
すっかり台無しに。まさかカメラ野郎がここまで腹立つ存在だったとは。

なもんで「ライブ中に撮影してる馬鹿のカメラをはたき落とす会」 を本気で立ち上げようと思うに
至ってしまいました。目下準備中。
 

<今日の一枚>

  ASCENDANCY / Trivium

僕の中じゃ、今、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインやインミーと並んで最大の注目株。
曲自体のバリエーションはまだまだ弱めだし、正直勢いだけで押してる部分は否めないけど、
その最大の武器「勢い」と演奏におけるメリハリは、他の新人バンドとは完全に一線を画している
と思われ。メタリカが「今どき流行んねーよ」ってバッサリやっちゃってから若手の間じゃどことなく
否定されるような雰囲気になってたギターソロを、これでもか!ぐらいの勢いで弾きまくってるところ
もステキ。本売れしだした頃に、「俺、前から聞いてたし!」って、この世でもっとも価値がないと
思われる優越感にひたる為にも、今のうちに先物買いしとくことを全力でオススメいたします。


<今日の無駄T>



#メインのアークエネミーよりトリヴィアムのTの方が数段デザイン良かったんで、
 思わずこっちの方を購入。エヴァの第一使徒を思い起こさせたからという腐れ理由も
 裏に潜んでたり。



<セット・リスト>

01:Nemesis
02:Heart Of Darkness
03:Dead Eyes See No Future
04:My Apocolypse
05:Burning Angel
06:〜 Ds Solo 〜
07:Taking Back My Soul
08:Diva Satanica
09:〜 Michael Guitar Solo 〜
10:I Am Legend/Out For Blood
11:Bury Me An Angel
12:〜 Fredrik Guitar Solo 〜
13:Ravenous

14:Skeleton Dance
15:Dead Bury Their Dead
16:We Will Rise

17:Snow Bound
18:Shadows And Dust〜Fields Of Desolation


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