JUDAS PRIEST.


<2005年5月18日: 日本武道館>

〜ジューダス・プリーストがいなかったら、ヘヴィメタルは絶滅していたかも知れない…〜

メイデン・サバス・AC/DCと並び、HR・HMオールドホームにおける象徴そのもの
と称される伝説の鋼鉄神:ジューダス・プリーストのライブを観に、九段下は武道館まで、
ライブローテ的には昨晩のザックから続けての連チャンで行ってまいりました。
なんてたってペインキラー以降、14年ぶりのバンド復帰を果たしたあのメタルゴッドこと
ロブ・ハルを加えての完全編成によるホント久々のフル・プロダクションツアーだもの、
これ観にいかずしてなに観に行きゃいいんスか的ハイテンションでもってまったく治る気配
のない風邪の症状を無理やり誤魔化しつつ、会社の仕事も当然ブッチぎりつつ、時間ギリに
つきダッシュかましつついざ武道館へと赴いたら、全力疾走のツケくらって席についた途端、
確実に毛ガニと化したサカイです(過呼吸併発&泡吹き)、まだライブ前だと言うのに大変だ。
(僕だけが)

で、厨房の頃、本当に擦り切れるほど聞いた"Hellion"の、これぞメタルだと言わんばかり
のコテコテ様式美極まった壮大なるイントロを聞いた時点で早くも感極まってしまっている
自分を再発見し、オイオイいくらなんでも先走りすぎだろと自らを戒めようとしたその瞬間、
感極まるを超えて既に半泣きしちゃってるメタル馬鹿一号を真横に発見してしまい、流石に
冷静にならざるをえなくなってしまいました。
更には"Electric Eye"ソロでKKとグレンがともに織り成すギター・フォメーションに完全
シンクロしきった上、更にダブルでエアギターかますバカップルを前方線上に発見してしまい
(しかも女の方は超ミニ)、ヘドバンする度にずり上がるそのミニの上昇速度と切れ上がった
小股の中身との関連性を想像するにつけ、僕は早くもステージを見るどころではなくなって
しまいました。

その頃、我らがメタルゴッドたるロブは、その象徴歌でもある"Metal Gods"を歌いつつ、
ほぼ壊れかかったロボコンのごときコミカルな動きでステージ上を左右にヨロヨロすると
いう醜態を一万人超の観客の前に惜しげもなく晒しておりまして、正直それ見た僕はどこの
徘徊老人かと思いました。加えて期待していた肝心の声の方もそれ程ハイトーンしてくれないし
流石にもうお歳なのかなと思いつつその歌声に耳を傾けておりましたら"Riding On The Wind"
でいきなりガツンとやってくれました、喉から血を吐くかのごとき超絶スクリームとはまさに
このこと。場内も俄然盛り上がってきたところで定番2曲をはさんで、そこからいよいよロブ
10年ぶりの復活を果たした新譜ゾーンへ。
”デデデデデデデ”ってなイアンの太っといベース音が新世紀ジューダスの象徴ともいえる
名アンセム"Revolution"の始まりを観客に告げると同時に、会場全体に大きな歓声のうねり
が巻き起こり、サビ部分じゃ武道館全体が 「Here〜 Comes〜 Revolution〜!」の大合唱、
まだ序盤だと言うのにほぼ全員がもう絶頂、昔ながらの名曲ならともかく新作からの楽曲で
こんだけ盛り上がるってな、いかにかつてのメタル馬鹿どもがロブ復活構成でのジューダスを
待望していたかということの証明でもあると感じました、けどお前ら幾らなんでも早漏すぎな。

個人的にもっともアドレナった瞬間は"Breaking The Law"で見せたロブ・KK・グレン
3人横に並んでのトリオ・フォメーション。界隈最高峰ツインリードの息がぴったりあった
コンビプレイに加え、それにロブが絡んで3人揃い踏んでのヘドバンかましてくれた日にゃ、
野郎吠えるわ、隣の親父また泣くわ、指定席なのに後ろから人は降ってくるわ、ミニスカ女
のスカートはどんどんずりあがるわ、それ見た僕の陰茎はますます屹立するわでもう大変。
これぞまさにブレイキング・ザ・ロウ、意味するところの無法地帯。一万人からの観客が
口々に「法を破れ!」「法を破れ!」って絶叫しているその様はまさに圧巻でした。

その大興奮収まりきらぬ中、静かに流れ出す屈指の名バラード"Beyond The Realms Of…"、
その美しい旋律の前にまたもや鳥肌立てるミー、だけどゴッドのスクリーム部分の裏声が若干
かすれ気味になってもいたので、ありゃ爺さんいよいよガス欠かと思いきや、"Victim Of …"
で再び吐血もんのシャウトを披露してくれるロブ。ただでさえ後半は顔上げて歌えなくなって
いたのにそんな頑張っちゃったら確実に死ぬんじゃないかと心配してたところで更に無理して
駄目押しの"Exciter"とかやってくれちゃうもんだから、活け作りにされた鯛ばりにこめかみ
の血管をピクピク微痙攣させる有り様。ただでさえ短くなってる命のローソクの炎を自らの超絶
シャウトでもって吹き消さんばかりの、そんなメタルバカ一代の男気っぷりにゃマジで感服いた
しました。

しかし一流にはここから更に先がある!というわけで、スコットが合図を告げる「あの」ドラム
を阿修羅のごとき勢いで乱打しはじめるとともに、即、何のイントロか察知した観客達が一斉に
"Painkiller"の大コール。その特徴あるドラムソロに始まって、鼓膜を破裂せしめんばかりの
超音波トーン、スラッシー極まりないカミソリ・リフ、どこまでも加速していくツインソロ、
この世のありとあらゆるメタル分を凝縮させたと言っても過言ではないヘビメタさんのヘビメタさん
によるヘビメタさんのための、あの曲が遂に始まってしまったというわけで、僕の周囲のメタル馬鹿
どもが首をふるそのスピードも、相当大変なことになっておりました。冷静に観察してた筈の
僕自身も三半規管狂わすばりに頭振って、帰り際 障害物も何もない道でものの見事にすっ転ンだ。
ペインキラーへの道はまだまだ遠いみたいです。

あ、そいや退場間際にロブが両腕広げて、⊂二( ^ω^)二⊃ ブーン やってくれてました。
ただでさえハイパフォーマンスな内容だったのに加えて、ロブ様のそんな愛嬌ある姿も見れた日
にゃ満足しないわけがない、というわけで圧倒的だったラストの「プリースト!」コールも含めて、
見逃さなくて本当に良かったと心の底から思ったライブでした。


<今日の一枚>

 DEFENDERS OF THE FAITH / Judas Priest

アメリカ進出への足がかりとなった"黄金のスペクトル"、念願の全米制覇を成し遂げた
"復讐の叫び"に続く、対アメリカ戦略用アルバム第三弾。ちなみに邦題は"背徳の掟"。
ものすごく秀逸な出来だったとは言え(アメリカ対策として)キャッチーな作りにしすぎた
感も否めない前作に比べ、"殺人機械"の頃のようなテイストを感じさせる曲作りと、それで
いて全体の疾走感を損なうことのない構成が僕的にはすごくツボだった一枚。
特に怒濤の疾走ナンバー"Freewheel Burning"と中盤のメリハリを担う"The Sentinel"は、
30年のキャリアを誇るジューダス史の中でも1、2を争う程の珠玉の名曲。
ジューダスあんま聴いたことないなァって方は、まずここから入ってみては?


<今日の無駄T>



#前面にロゴ、背面にツアー先の羅列プリントという、極めてオーソドックな駄目タイプ。
 寝間着にするのももったいないけど普段着にできるわけもなし、そんな彼に与えられた
 現ポストは”旅行用の寝間着”です。



<セット・リスト>

01:The Hellion 〜 Electric Eye
02:Metal Gods
03:Riding On The Wind
04:The Ripper
05:A Touch Of Evil
06:Judas Rising
07:Revolution
08:Hot Rockin'
09:Breaking The Law
10:I'm A Rocker
11:Diamonds And Rust(acoustic)
12:Worth Fighting For
13:Deal With The Devil
14:Beyond The Realms Of Death
15:Turbo Lover
16:Hellrider
17:Victim Of Changes
18:Exciter
19:Painkiller

20:Hell Bent For Leather
21:Living After Midnight
22:You've Got Another Thing Comin'


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