VELVET REVOLVER.


<2005年2月9日: ZEPP・TOKYO>

 (ROCKCITYより)

元ガンズのスラッシュ(g)、ダフ(b)、マット(ds)が、現STPのスコット・ウェイランドと
その他一名を加えて新規編成した正統派HRバンド:ヴェルヴェット・リボルヴァーの来日
公演を見に、お台場はZEPP-TOKYOまで行ってきました。

お目当てはもちろんスラッシュとダフだったけど、正直ヴォーカルのスコットにもかなり
興味津々だったというか、だってこの人の経歴ちょっと普通じゃないんだもん。

 ・1995年5月:ヘロインとコカイン所持で逮捕。24時間後に1万ドルの保釈金を払い釈放。
 ・同年6月:CaliforniaのPasadenaにあるリハビリセンターから脱走。
 ・1998年6月:ツアー中にヘロイン所持の現行犯で逮捕。執行猶予期間中、3回にわたり違反を繰り返す。
 ・同年8月:LAにてコカイン所持で逮捕。
 ・1999年6月: 保護観察規則を破り、ショーをキャンセル。
 ・1999年9月:度重なる薬物所有の罪に問われて、1年間のムショいり。

ね?ちょっと並べてみただけでも、音楽うるさいと注意くらった隣人にブチ切れて思いっきり
花瓶投げつけたり、ビデオ撮ってた客にまたまたブチ切れて大暴れした挙句ステージ放棄して
帰っちゃったあの偉大なる先輩(アクセルな)にまったくひけをとらぬほどの悪行っぷり。
ヤバいよ。モノホンですよ、モノホンのヤク中ですよ、麻薬バカ化してクルクルパーになった末、
バンドをクビになった元ガンズのスティーブン・アドラーばりのホンモノさんですよ。しかも
「かつては」とか「昔は俺もさあ」とかそういうオブラート的形容詞一切なし、今も現役バリバリ
です!って元気一杯に言えちゃうくらいの、本当に本物のワルモノさんですよ。

そんな生粋のワルモノに、これまた不良イメージで言ったら世界タイトル級レベルであるところ
の元ガンズのメンバー3人がくっついちゃったって言うんだから、そらどんなライブになるのか
楽しみじゃないほうがおかしいってわけで、実際。
で、見てきた感想をこれから書くわけですが、こっから先はまんま書きなぐりの散らしまくりね、
なんていうか、考えて書いてもうまく文章に落とせないような気がするので。
とりあえず一言で言うならカッコよすぎ。本当ヤバいくらいカッコいい。「すごく」とか
「とんでもなく」とかそういった表現を軽々と超越して泣きたくなるほどカッコよかったわけで。

 (ROCKCITYより)

まずはダフ、これがもう滅茶滅茶カッコいい。え?今時上半身裸で刺青アピりながら演奏
しちゃうの?ってな本来ならベタすぎてカッコ悪い筈の所業を、その存在感だけで全部
カッコいい方へむりやりねじまげちゃってるし。なんだその強引極まるオーラ?しかも
それが40過ぎの体かよ?っていうくらい筋肉引き締まりまくりだし、ローライズのほっそい
ジーンズ、腰どころかお尻ではきこなしちゃってるし、もうまんまストレートにカッコいい、
ロックはやっぱテクだよ、とかそういう言葉が全部チープになっちゃうくらいカッコいい。

 (ROCKCITYより)

で、スラッシュがそれに輪をかけてカッコいいときたもんで。ボディの方は年齢通り順調
な成長を遂げてみましたって感じで、お腹の辺り多少緩み気味だったけど、そんなの全然気
にならないくらい、雰囲気というかたたずまいが抜群でした。あのトレードマークの黒ハット
かぶって煙草くゆらしながらルーズ極まりないフレーズかきならしてるの見ただけで
僕ちゃん正直失禁寸前。時折笑みを浮かべながら楽しそうに演奏している姿も印象的でした、
もっと怖い人かと思ってたよ。

 (ROCKCITYより)

この存在感抜群な二人と対等に並ぶどころかむしろ超えていたのが通称「ホンモノさん」こと
スコット。流石ヤク中、伊達に狂ってないわ。なんだこのグラム感とパンク感が入り交じった
ヤバ気なフィールは? ダフと同じく上半身裸に加えナチ帽かぶって腰をクネクネさせまくる
その仕草から放出される変態オーラといい、拡声器にマイクをジョイントさせて野卑溢れる声
でがなりたてるその様といい、ちょっと普通じゃないくらいカッコいい。
それに加えて自らの内面に持てるワルモノマインドもいかんなく発揮。ソロ中にステージの端
行ってなんかゴソゴソやってるかと思えば、いきなり後ろ向きになってプカプカやりはじめるし。
あれ演出だと思いたいけどコイツばっかはガチなのでまんまストレートにハッパだったのかも
知れません。(吸殻スタッフが即回収してたし)

そんな半端なきカッコよさを持つ彼らが、ステージ前のモニター上に乗っかって3人揃い踏んだ
のを見たときはもう全身鳥肌もの。周囲も「ヤバい!」「ヤバすぎる!」を連発。で、とどめは
ラスト。まさかピストルズの「Bodies」をやってくれるとは。イントロ聞いた瞬間、全身の毛穴
が全部満開と相成りました、しかもこの曲がこれまたスコットのキャラに反則すぎるくらいよく
ハマってるンですわ、その赤髪といい、挑発的な態度といいマジでロットンの再来かと思うくらいに。
当然周囲のノリも最高潮、"It,s So Easy"のときも凄かったけれど、この曲ン時の周囲の狂騒っ
ぷりとその後の狂乱っぷりたるや、今まで体験したモッシュん中でも最大級だったかも。

総括すっと、今まで色々なスタイルのバンドを見てきたけど、ここまで突き抜けた「カッコよさ」
と「存在感」を持ったバンドってなはじめてだわって結論に集約されます、これがまじりっけなし
のカリスマ性って奴なのでしょうか?アンコール前の"Set Me Free"で、ダフがピックを投げた際
に勢いあまって自分の指輪をも客ン中に放り投げてしまい「探してくんなきゃもうライブやんない」
って我が儘かました一幕も含めて、最初から最後まで徹頭徹尾、悪ガキフィール特有のカッコ良さ
に酔えた2時間だったと思います。本当に行ってよかったー 今後も楽しみです、と言いたいところ
だけど、逆にこういうバンドはあまり長続きしないんじゃないかなとも思いました。今だけのエネルギー
というかその瞬間だけのオーラというか、そういった特別な何かに溢れすぎていたのに加え、たぶん
スコット、今のままだとヤク中で死んじゃうし、更生しちゃったらそれはそれで今持っている魅力が
消え失せるような気がするし。

<その他>
・開始時間、これまでの最長記録の30分押し。
 「僕はライブが始まる前の時間が大好きでね」とかチョーシこいてくっちゃべってった
 過去の記憶は全て燃やしました。
 今の僕は「ライブが始まる前の時間が大嫌い」です。後ろの外人の鼻息が怖すぎる。
 全身あますことなく縛られた上でサカったゴリラの前に放り出されるってこんな感じ?
 真剣に身の危険を感じました。
 
・今回のポジション取りには本当に苦労しました。
 スクリーンかけるだけでこんなに体力使ったのははじめてです。
 とりあえず背の高い奴は腕をあげんな!(片腕ならまだしも両腕あげんな!)

・ダイブすんな言うのに、突貫する厨が続出。
 後ろから肩口に2回、前方から脳天に1回、ネリチャギ食らいました。
 そのうち1回はあからさまに胴回し回転蹴りっぽい奴だった。
 後ろの外人にボコボコにされてました、ザマみろ。

・女の子多すぎ。しかもこんな最前線に?おまえらしぬど?しんじゃうど?思ってたら
 前方のミクロ系にピョンピョン飛び跳ねられてアゴにヘッドバットをガツンと食らった末
 脳を縦に揺らされて、逆に僕の方が膝から崩れ落ちちゃいましたいうお話。しかもあまり
 の密集具合にヘタれることすら許されないときたもんだ。周囲の動きに翻弄されつつ
 なすがままになって操り人形のごとくピコピコっとされてました。ピコピコッと。


<今日の一枚>

 CONTRABAND / Velvet Revolver

今のところこのアルバムしか出してないんで、これ以外に紹介しようがないわけですが、
じゃその中味はってえと、腕のいいプロデューサーがそこそこ上手くまとめあげた佳曲
揃いのドロ臭系HRって感じで、良く出来てる作品だとは思うンですが、アルバムそのもの
が持つエネルギーとかオーラとかそういった部分に関しては、先日のライブで感じたシンパシー
に比べてかなり希薄だと感じました。ま、秀作であることは確かだし、そのカッコ良さを一部
垣間見ることはできるので、ブランキーとかミッシェルとかそういったドロ臭系が好きな人には
是非とも1回聞いてほしい一枚です。


<今日の無駄T>



#うーん。かなりマシな部類に入る方だとは思うけれど、よっぽど夏満開とかで
 気分がはっちゃけてるときでないと、着れるシロモノとは思えませんな。



<セット・リスト>

01:
Sucker Train Blues
02:
Do It for the Kids
03:
Headspace
04:
Superhuman
05:
Crackerman
06:
Illegal i Song
07:
Fall To Pieces
08:
Dirty Little Thing
09:
Big Machine
10:
It's So Easy
11:
Sex Type Thing
12:
Set Me Free

13:
Used To Love Her
14:
You Got No Right

15:
Mr. Brownstone
16:
Slither
17:Bodies


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