Sonata Arctica.


<2005年2月5日: 渋谷AX>

メロディック・スピード・メタル。

「疾走なくば音に非ず」を絶対論として掲げる脅威のスピード原理主義集団メロスピ厨
を世に生み出したこの悪名高きジャンルにおける、現時点でのフラッグマンであり最高位
教祖でもある北欧HRバンド:ソナタ・アークティカが、更なる布教活動のためメイデン
フェス以来の来日を果たすとの情報を入手した途端、僕の中でジハード発動が沸き起こり、
こら隠れメロスピ厨としては当然馳せ参じなければなるまいとばかり、メロ小僧御用達
メロイックサインを高々と掲げつつ、渋谷はお馴染みのAXへと向かったわけなんですが、
いざ会場に着いてみればまあいるわいるわ、ゴミめらが!(自分を棚に上げつつ)
到着早々、この真冬に半そで姿でそこら中を駆けずり回ってる超ド級のバカを発見したかと
思えば、会場内では肩組みあってオーオー叫んでるモノホンさんたちを垣間見る始末。
そのあまりのカオスっぷりに頭抱えつつ前の方に突っ込んでみれば、そこはさらなる
厨!厨!厨!の嵐。なんだこのドーテイ臭さ?ソナタは女の子ファンが多いだなんて絶対
嘘だと思った瞬間。故にここに断言。メロスピ厨には非モテとドーテイしかいません。

で、自らの感情を御することができなく…というより制御することをもはや完全放棄して
しまったドーテイ共のもてあましたエネルギーがいよいよ頂点を迎えようとしていたその頃、
(たぶんオナニー覚えたて直後に両手縛って一ヶ月程放置した猿を500匹程集めたら
こんな雰囲気になるんじゃないかな?)僕自身もその中ですっかり煮え煮えになっていた
というわけでありまして、周囲のメロメロゾンビ共と押しつ押されつの仁義なきポジション
争い合戦を繰り広げつつ、ミジンコの生殖器よりも小さなその器っぷりをいかんなく発揮して
おりましたら、開始時間の20分押しでようやくソナタ面々登場。初っ端から疾走メロをぶち
かまして、そのもてるメロスピ魂をあますことなく見せつけはじめたというわけでありまして。

で、そのパフォーマンス自体はどうだったかと言いますと、多少リズム隊と息のあわない
ところがあったり、ハイとミドルを交互に組みあわせたセットにより若干流れが寸断されて
たり(疾走パートは連続でやってほしい)と幾つか不満はあったにしろ、トニーの声はよく
通っていたし、超絶技巧ギタリストと前評判の高かったヤニのソロも存分に疾走してたし、
ほぼアルバムイメージ通り、もしくはライブの方が若干いいんじゃないかと思わせるくらい
上質のプレイを見せてくれたんじゃないかと思います。ラスト曲"The Cage"の間奏部分で
ステージから銀色テープ弾頭をブッ放してくれるなど、サービス精神も実に旺盛だったし。
曲で言うなら僕的ハイライトは"
8th Commandment"。怒濤の勢いで流れるメロにあわせて
周囲の厨共とともに拳を突き上げてるうちに、なんかすっかりアニソン・カラオケで盛り上が
ってるような気分になってきてちょっと困りましたというお話。というか実際メロスピって
アニソンにまんま通じるところがあると思うんですよね、速メロから感じる疾走感といい続々と
ブチこまれるパワーコードから溢れる躍動感といい… あ、だからか、だからメロスピ厨は痛いのか?

だけどなんだかんだ言っても、一番おいしいとこ持っていったのは間違いなくキーボード担当
ヘンカだと思います。スタンド・キーの前にドカっと座ってひたすらピロピロやってりゃいい
ものを、音数が少なくなる上にプレイ難易度上がるだけでまるでデメリットしか見当たらない
ショルダー・キー肩からぶら下げて前へ出張ろうとするその目立ちたがりっぷりたるや…!
仕上げにそのキーをステージに叩きつけてリッチー御大ばりに完全破壊、なんだそのペキョッ
てなヘナ音は?そのあまりの脈絡のなさとよほどの意味不明っぷりに会場内の空気を唖然呆然
のドン引き地獄へと追いやる始末。その引き具合すら読めずに声援まで要求してしまう勘違いっ
ぷりにはもはや感動すら覚えました。もうすっかりヘンカに首ったけ!

 
 (ヘンカさんが叩き壊したキーボードの残骸)

キーボードがキチガイならば、それ見てる客の方にも多少オカしいのは何人か混じってたようで、
とりあえず前方におわして、リズムとかノリを無視して空中に腕突き出したまんま完全停止してる
長髪小僧においては、我が視界の透過性を確実に妨げているその右手の存在理由を真剣に問い詰め
てやりたくなるとともに、その固く握り締めた拳に手榴弾か何かを握らせて右腕ごと吹き飛ばしたら
視界が一気に開けてさぞかし痛快だろうなぐらい思いました。
だけどコイツなんてまだマシな方で、左前方にて両腕突き上げつつ手のひらをひたすらむすんで
ひらいてしてるバルタン小僧(仮称)に至ってはそのあまりのウザっぷりに、よっぽど背後から
みのるばりのスリーパーきめついでにそのまま逆落としからのキャメルクラッチに繋げて半永久的
に機関停止させてやろうかと本気で思ったぐらい。なんだこの異質な自己主張っぷり?流石はメロ
スピ厨と言わざるを得ない完全無欠のパフォーマンスを半強制的に披露され、僕はその前に完膚なき
までにサレンダーしたのでありましたクプー


<今日の一枚>

 Ecliptica / Sonata Arctica

日本版オビの歌い文句がいきなり凄いです。
「神秘の輪舞が誘う様式美の王国」とか「極上の哀愁美溢れる美旋律メロディーの洪水」とか
もうどこまでコテコテなんだお前はという感じのフレーズがてんこ盛り。そんな言葉責めフィール
満載のソナタのデビューアルバムですが、余計なことにまるで頭を使っていないぶん、その疾走感
と爽快感は折り紙付き、これぞメロスピ!と太鼓判を押せる程のナイスな内容に仕上がっています。
とにかく頭を使わないでただただ音の洪水に身を任せていたい時などにオススメ。


<今日の無駄Tシャツ>



#その凝ったプリント具合そのものが無駄という罠。
 ゴージャスだろうがチープだろうが、着れないもんは着れないわ。



<セット・リスト>

01:Misplaced
02:Blinded No More
03:Full Moon
04:Victoria's Secret
05:Broken
06:8th Commandment
07:Shamandale
08:Kigdom For A Heart
09:Replica
10:My Land
11:Black Sheep
12:Jani Liimatainen 〜Guitar Solo〜
13:Key & Guitar Battle
14:Sing In Silence
15:The End Of This Chapter
16:San Sebastian

17:Gravenimage (Helf Ver.)
18:Don't Say A Word
19:The Cage


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