EXTREME.


<2005年1月13日: 渋谷AX>

多少行き詰った感のあった80年代後期のHR・HM界隈にファンクメタルなる新たな
フォーマットを持ち込んで当時シーンの活性化に一役買った正統派R&Rバンド、
エクストリームが、約10年ぶりに一時的再結成をはたしライブを行うというので、
ヌーノ大好きっ子な僕としてはこら当然いかずんばなるまいとばかりに会社ボサって
おなじみの渋谷AXへとテクテク出向いたわけでありまして。

だけど会場内へ入っていきなりびっくり、なんだこの異常な混み具合。エクストリームって
こんなに人気あったっけ?ボン・ジョビのライブかなんかと間違ってんじゃないの?っていう
ぐらいの凄まじい混雑っぷりにライブ開始前から早くも息絶え絶え。その上みんな少しでも
いい位置をキープしようとNBAばりのスクリーンかましてプレッシャーかけあうもんだから、
もう雰囲気わるいわるい。で、始まったら始まったで更に大変ですよ、何せ開幕前でただでさえ
ロゴスなきワールドなところへもってきて、その高まりまくったパトスほとばしらせる瞬間を
今か今かと待っている野獣どものリビドーが一斉に放たれたわけですから、当然空気はあっと
いうまに薄くなり、足はグチャグチャに踏まれまくり、体力のない者は盛りあがっているという
より周囲からただただ滅茶苦茶に翻弄されてるようにしか見えないという構図にハメられまくり
の地獄絵図。

僕自身わりとライブ慣れしてるつもりでしたがこりゃ流石に無理だ、あまりにも常軌を逸しす
ぎてる、とても音楽楽しむどころの話じゃない、ここは一時撤退をば…!とやむなく後退を試
みようにも、もはや退路そのものが完全に人壁で絶たれてる状態。7000円近いお金を払って
あえて苦役に身を投じなければならないというこの自己矛盾、まったくもって意味がわかりません。
というわけで開始後30分で僕は単なるピクミンと成り果てる羽目に。ともだちいないので〜
1人でライブーいく〜♪今日も〜叩かれはたかれ殴られ蹴られて投げーられる〜♪

だけど僕なんかまだマシな方で、前の方にいたツガイどもなんか更に輪をかけて悲惨。
石鹸の原料にしたら100万個はいけるんじゃないかと思われるようなファットこのうえない
オスがミニマム極まるマイ彼女を周囲の圧力から必死に守っているという美しい構図の筈が、
よくよく見れば結局のところ彼女を自らの肉の中に埋め尽してるだけという本末転倒極まる結果
となっており、もはや口も聞けず恨みがましいツラでただただ彼氏を見つめるのみと成り果てた
その彼女を見て僕は思わず代わりに叫んであげたくなりました。
 「カオリー」
 「うわあカオリが死んでしまう!」
 「やめろ鉄雄ー!」
 「カオリの痛みが俺の中にー!」
ってかカップルでライブなんか来てンじゃねえよ、ころすぞ(心の声)

で、肝心のライブの方ですが、あえて内容語るなら、空気だけじゃなくて音そのものまでが
薄っぺらいような気が。理由はキーボードなしか、もしくはツインギターじゃないせい?
他にも10年ぶりとあってポールのドラムはところどころトチってるっぽいし、どこぞから
連れてきたかも分からない即席ベースの音も相当微妙だし、ついでにフレディ追悼DVDで
見たときはあれだけはっちゃけてたゲイリーの動きもかなり大人しめに見えたし、とどめにゃ
いちばん聞きたかった"デカダンス"がナシでもう発狂。マジやってらんねー

というわけで



EXTREME.

<2005年1月18日: 渋谷公会堂>

まんまとウドーの営業戦略にノセられてるような気がせんでもなかったんですが、あまりにも消化
不良だったんで、チケットなしでもなんとかなるだろとばかり、最終日前の渋谷公会堂に特攻かけて
きちゃいました。ついでに初ダフ屋を敢行せざるをえないかもしれないということで、事前の攻略
情報確認もバッチ、チェキってみたよ。

*ダフ屋攻略情報
(1)開始時間1時間前は絶対買わない
(2)開始時間10分過ぎ辺りで声をかけるのがよい(外タレのライブは絶対時間通り始まらないので)
(3)これ以上のウェイトは危険、今度は売り切れになる可能性あり。
   ただし売れ残りを心配するダフ側が叩き売る可能性もあり。
   ダフ屋とのチキンレースを楽しみたい方はお試しあれ。
(4)とりあえず1回は値切れ。
(5)だけどあまりゴネるとグーパンチ、だから3回以上は値切るな。
(6)欲しいんだ!という情熱と、これしか出せない!という姿勢の使い分けが大事
(7)ちなみに「ダフ」とは「札(ふだ)」の倒語だそう。
(8)ダフで検索してたら微妙な萌え発見したので、
ここに置いておきますね

というわけで僕は(6)の戦略を更に発展させ、財布の中にはじめからリミット・マネーをいれておき
(他の札はポケット)、交渉の際にその中身をさりげにちらつかせつつ「あ、これしかないッス」的
アピールをすることにより、強引にチケをその値段でせりおとしてしまうという、名付けて「みんな
あげちゃう☆」作戦に出ることに。
ここでのポイントは切り札となるリミット予算。これ読み違えた ら「貧乏人が!」の一言でいきなり
ジ・エンド、あくまでダフさんの商売を成立させつつ、しかしそのラインはミニマムというギリギリの
ところを狙わなくてはいけません。えーと、チケットが7500円だから…というわけで僕はリミットを
12000円に設定することに。結果は2階だけどほぼ最前列をゲット、どうよこの手際、今回の交渉
ロスかゲインかでいったら明らかに後者っぽくね?(得意げ)とホクホクしながら会場内に入ったその
目の前でさっそく次の日のチケットが売られてた。わーい、ころすぞー☆
(外じゃなく会場「内」で売ってることへの理解に苦しむ)

とまあ開始前にいきなり大ダメージを与えられたものの、今回は前回のようなスタンディング
じゃなく指定席だったので、ライブそのものは実に落ち着いて観賞できました。所感としては、
リズム隊は相変わらず微妙極まりなかったけれど、一番聞きたかった"Decadence Dance"は
やってくれたし、ヌーノに関しちゃ凄まじいまでのタッピング奥義とかギター逆手に持ち替えて
のピアノ化とか色々必殺技見れちゃったし、ゲイリーの客席にスタンドマイクを突き出しての
"Cupid's Dead!!"の大合唱にゃ鳥肌たったしで、かなりアリ。

あと曲間のところどころに散りばめられていた細かいお遊びに気づけたのも2回目ならでは。
ざっとあげるだけでも"Rest In Piece"の終わりからレノン"
平和を我等に"をコーラスとか
"More Than Words"の前にZEP"天国の階段"の出だしやったりとか、クイーン"Now I,m Here"
からラストの"Mutha"に繋げたりとか。その中でも特にわーっと思ったのは"There Is No God"
の間奏部分で入れたクイーン"預言者の唄"のコーラス。いくら日本でクイーン人気再燃だからって
マニアックすぎるわ、そのフリは。ま、この曲が収録されてる「オペラ座の夜」ってアルバムが
特に好きで好きで仕方がない僕としてはとんでもなく嬉しかったけれど。

というわけで、来日中に2回行くのもたまにゃアリだと思った夜でした。


<今日の一枚>

 PORNOGRAFFITTI / EXTREME

”そもそもファンクらしさっていったい何?”ということへのQに対する一つの明確な答えを
強烈に返してくれる快作。若かりし頃のフレディを彷佛とさせるようなゲイリーの声にのせて、
エッジをガンガン効かせつつ徹底的にホップしまくるヌーノのギターサウンドがまあ躍る躍る。
曲構成も、界隈屈指のパーティソング"
Decadence…"から全米NO1バラード"More Than Words"
までハード/ソフトともに取り揃えておりますといった感じで聴くものの耳を飽きさせません。
ちなみに一番の聴きどころは"Get The Funk Out"のソロ部分、そのハネっぷりがたまりません。


<今日の無駄T>



#ポイントの「2K5」って2005年のことか。
 いままでのに比べりゃ相当マシな方だけど、それにしても作りがチープすぎる。



<セット・リスト>

01:Warheads
02:Little Girls
03:Rest In Piece
04:Tell Me Something I Don't Know
05:It
06:Our Father
07:There Is No God
08:Play With Me
09:Midnight Express
10:More Than Words
11:Cupid's Dead
12:Am I Ever Gonna Change?
13:He-Man Woman Hater
14:Get The Funk Out

15:Decadence Dance
16:Hole Hearted
17:Mutha


[ MenuNext ]